ただ今,断捨離中。~県立不動岡高校ジュクセツ~
9/21に実施された,埼玉県立不動岡高等学校のジュクセツにうかがった。
不動岡高校への訪問は2回目になる。
→前回の訪問記はコチラ。
埼玉県立不動岡高等学校は,東武伊勢崎線加須駅から徒歩20分のところにある,今年で創立139年の県内で最も古い県立高校だ。
その歴史は,不動岡高校ホームページの『本校沿革』の長さを見ていただけると感じることができる。
ウチの塾のある越谷市やお隣の春日部市からはあまり多くの生徒が通っているという印象はないのだが,群馬県,栃木県,茨城県からの通学者(隣接県協定による)が合わせて約1割,100名程度いるそうだ。
不動岡高校のどういう点に惹かれて越境して通っているのか,ぜひインタビューしてみたいし,パンフレットやホームページなどにそういう記事があっても良いと思った。
さて。
塾説の冒頭,関根憲夫校長先生から,「少子化の影響で今後予想されることから,これから何をやるべきか」ということをまとめた,4月の職員会議の資料の抜粋版を用いたお話があった。
その中には,SNSを活用した広報活動の重要性のほかに,魅力や特色を明確に打ち出すことについてのお話があった。
不動岡高校の魅力は何だろうか。
外国語科があることから,文系に強い学校のイメージを持っていた。
しかし,外国語科は2022年度に募集を停止し,2024年度には全学年が普通科のみとなった。
また,文科省のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)認定を第1~2期まで受けていた。
今はその認定を離れている。
外国語科の停止は県教委の判断なのかと思うが,SSHの再認定を受けなかったのはどうしてだろう。
大きな魅力になるはずなのに。
そんなことを考えながら,授業見学をしたり先生方のお話をうかがっていた。
その答えは,課外活動についての説明の中にあったように思う。
オーストラリアやドイツ,フランス,マレーシアへの研修や,海外の大学に通う学生を招いてのワークショップを行うグローバルスタディーズプログラムは外国語科で,福島を訪れエネルギーや医療・介護などのテーマでの課題について考えるふくしま学宿や,大学から講師を招いて大学レベルの実験を体験する実験実習講座,地学野外実習などはSSHで,それぞれ培ったノウハウが普通科でも十分に生かされている。
(個人的にSSHの学校は地学の研究活動が盛んな印象。w)
なるほどな。
色々なノウハウを合わせて,濃密な普通科になったんだ。
先生方のお話の中で何度も,『文理横断,探究活動重視のリベラルアーツ型カリキュラム』という言葉が出てきていた。
実際,高2までは文系・理系にコース・クラス分けせず,文理の枠を越えた学際的(研究分野が複数の学問領域に関わっている様子)な学びを行っている。
実際に,廊下に掲示されていたリポートを見ていただくと,探究・研究活動の多彩さが分かる。
目先の進学実績はもちろん大切だ。
それは関根校長もお話の中でも仰っていた。
しかし,こうも仰っていた。
「3年間でどんな力を身につけられるのか,ということも大切だ。」
大学受験で結果を出すこと。
同時に,社会に出てから活躍できる底力を身につけること。
その両立を一丸となって目指していける環境がある。
それが不動岡高校の最大の魅力なのかもしれない。
パンフレットの最初のページに
『質実剛健』
『伝統は,道を拓き,人をつくる』
とあるように,伝統を重んじたお堅いイメージを勝手に持っていた。
しかし,塾説で話を聞く限り,今の不動岡高校はそれだけではなかった。
最初にも書いた関根校長の資料に
『「不動岡は昔からこうだから…」の見直しを』
と書かれていた。
良いものは新しく取り入れ,以前からの良いものは残し継続する。
そうか。
不動岡高校は断捨離の真っ最中なんだな。
それにしても。
「校長として,20年後,30年後の不動岡高校に責任があるという強い思いを持っている」
と関根校長は最後に仰っていた。
うーん。
不動岡の校長になられても,しびれることを仰るなあ。
学校内の写真を何点か。
そう言えば,ホームページの『沿革』で見つけた,以下の記載。
《昭和46年4月 県立不動岡高校北川辺分校(全日制として県立移管)》
《昭和48年4月 県立不動岡高校北川辺分校独立(県立北川辺高校)》
へえ!北川辺高校は不動岡高校から分かれた学校だったんだ。
こういうちょっとした発見があるから面白い。
因みに北川辺高校は統廃合により廃校となり,現在は私立の開智未来中学高等学校となっている。
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