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「やさしく強い経済学 逆転の成長路線」


   本著は、日本共産党の国会議員大門実紀史氏の著書である。実は、大門ファンではないが大門議員の著書に触れるのは2作目であり、今回も非常に勉強になった。理論詰はあまり良くないとは思うが、複雑な社会を理論で現すのは、日本国民に政策を著し悩める国民の道標になる事は非常に大切な事だと思う。
 
 いつものように、少しだけ横道にそれてしまうが、ピケティはやはり理論的に貧困の解決をしようと試みている人だろう。アインシュタインはe =mc^2という公式を導き出し、やがて悪しき指導者に用いられるようになった。そう原子爆弾、核ミサイルである。しかし、ピケティのr>gという公式は貧しき労働者に希望を与える素晴らしい公式であることを思い出していただきたい。彼はやはり金持ちにきちんと税金をかけるべきだと指摘する近代経済学者であることは、日本共産党の支持者ならずとも思い出していただきたい。

 さて、話をもとに戻すが、本著は
 まず、経済の説明を行い、
 そして、新自由主義とは一体何だったのか?
 と新自由主義の問題点を指摘している。
 さらに、「やさしく強い経済」とはどういう事かを本著でより著されている。
 非常に良き著作であることを、読者の皆様にそして何よりこの著作を知らない人にそして、理解してほしいと思っています。兎角、日本共産党というと、国会や議会で反対ばかりしている勢力と思われる方にも是非ともこの著書を知っていただきたいと思います。

 前置きが長くなり過ぎてしまったが、本著の醍醐味は、「まず、分配から始めよ」と岸田首相が最初に打ちだした政策と同じではあるが、岸田首相は舌の根が乾かぬうちに挫折してしまった。そうした中でも、この「まず、分配から始めよ」と述べる著書は非常に人間としての信念を感じさせるし、もちろん精神論でなく理論的にいや科学的に政策を述べている。
 僕は、この著作から学んだことを4点だけ挙げたいと思います。
 まず、第一にエキタス1500に代表される時給1500円運動がアメリカではどうして成功したかを述べられている点である。
 次に、2030年問題に触れた経済の役割を述べている事である。
 そして、ジェンダー政策の推進が経済的にどう必要であるかを示していること。
 次に消費税減税が必要でインボイス制度は必要ないという結論が導き出されている事です。
 何より、大企業への内部留保の課税が二重税制にならない事を示していてこれも非常に勉強になりました。
 なお、ジェンダー問題のことが私にとって第三番目になってしまったが、あまりこだわりなく並べてしまったので、そうなっただけであまり並べた順に拘りがないと伝えておきたいと思います。
 
 さて、本来なら勉強になった箇所について、さらに細かく載せたいとおもうが、それではネタバレになってしまうので割愛させていただきたいと思います。ただ、大企業への内部留保への課税は今まで優遇されている部分に課税するということ、即ちもともと正しかったような政策に戻す事であり、二重課税に値しないという事です。

 皆様、この良著を是非是非お読みください。

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