ケアワーカーから考えるウイッシュマさんの事件。

また、長くなります。皆様には読了していただけると幸いです。

ウイッシュマさんの死のことを考えながら、帰路にて、この国の差別について考えた。

肌の色が違う。国籍が違う。いやいや不法入国になるからという理由で、どうして、このような悲しい事件が、非人道的な出来事が起きるのか、、、。
 
 簡単に答えれば、「差別」
 という答えになるが、いや「差別」という言葉だけで、片づけられないこの国の闇という部分がある。

 今回、記者会見に参加して良かったと思うのは、メディアでは「悪化」という言葉だけでまとめられているが、悪化の過程を辿れば殺人にも至るし死体遺棄にもあたると弁護団は訴えていた。
 
 僕もケアワーカーの端くれだから、
 「脈が測れない。」という外見的見地。
 「点滴をしてほしい。」という本人の訴え。
     「救急車すら呼べない。」という非人道的行動。
 ただ、入管としては食事は与えていたとして、自分達の非は認めていない。

 それらがどれほど酷いものか、自分の前の出来事として感じて、改めてこの事件の酷さ、そしてウイッシュマさんの辛さが伝わってきた。
 
 ケアワーカーは、医師や看護士の指示の下、食事を提供する。普通食や刻み食や軟食まである。さらには点滴や長期的には経管栄養や経鼻栄養がある。利用者の身体の健康度そして衰弱度からそれらが決定される。
 ここで、入管は、「ウィッシュマさんに食事を提供した。」と弁護士ているが、ウイッシュマさんの健康具合にあわせた食事があったのだろうか?入管側は食事は提供したと弁護するが、ウイッシュマさんは「点滴をしてほしい。」と訴えた。ここで、この投稿を読んでいる皆様に考えてほしいのだが、そもそも普通食が食べれるような人は、点滴をしてほしいと願うだろうか?いや
「点滴をしてほしい。」と願った時点で既にかなりの衰弱がみられたと考えた方が合理的だろう。
 
 記者からの質問で、業務上過失致死の要件について弁護団に質問があったが、「過失性よりも故意性が問われる。」との趣旨の答えがあった。これは非常に厳しく重く入管の行動を追及した答えだと、僕は思います。
 今後の弁護団の動きを一市民の立場から応援したいと思う。

 最後に、弁護団から、ネット署名をはじめるとの発言があった。皆様、見かけたら是非署名をお願いしたいと思います。

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