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GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代を読んでみた。

◼️選定理由

燃え尽きる(失敗する)ギバーに陥らないようにするためです。直近仕事に忙殺され本当に相手の役に立っているのか自分でもピンとこないまま場当たり的に対応してしまい反省をすることがありました。そんな現状を客観的に見るためこちらの書籍を選定しました。

※前提条件を共有するために前半部分では言葉の定義部分についてまとめ、後半部分に関しては選定理由に関するPart6以降について触れていきます。

※僕自身が本書で言う全くの「テイカー」「マッチャー」でないとは言い切れません。ですが、これまでの活動や人生を振り返ると燃え尽きる(失敗する)ギバーに陥る人のタイプと行動が似る場面が多々あるため、あくまで今回はそうならないために、という視点で書籍を読んでいます。

◼️書籍情報


書籍名:GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代

著者名:アダム・グラント

■ギブアンドテイクの関係には3つのタイプがある

本書では様々な大きな成功を収める人々には3つの共通点があり、それは「やる気」「能力」「チャンス」だとしています。また本題ではありますがこれらに加えて、どのように「ギブ・アンド・テイク」するかによってビジネスや人生における"成功"は大きく左右されると説いています。

そしてその「ギブ・アンド・テイク」の関係には、「ギバー」「テイカー」「マッチャー」という3種類が存在するとしています。

・「ギバー」:ギブ・アンド・テイクの関係を相手の利益になるようにもっていき、受け取る以上に与えようとする人。テイカーが自分を中心に考えるのに対し、ギバーは他人を中心に考え、相手が何を求めているかに注意を払う。
・「テイカー」:人に与えるよりも、常に自身が多くを受け取ろうとし、自分の利益を優先する人。世の中は食うか食われるかの熾烈な競争社会で、だからこそ成功するには、人より上に行かなければならないと思っている。
・「マッチャー」:常に"公平"とうい観点に基づいて行動する人。ほとんどの人が、家族や友人に対しては打算なしで相手の役に立とうとする「ギバー」になるが、仕事においては、与えた分の見返りを受け取るで両者のバランスを取ろうとする。

調査によれば、"成功から最も遠い"のが「ギバー」であるが、同時に"最も成功している"のも「ギバー」であることが明らかになりました。

もちろん「テイカー」や「マッチャー」であっても成功する人は成功します。ですがビジネスにおいて成功を収めたい場合はこの後者の「ギバー」になることが重要と説いています。

■なぜギバーは成功するのか

そもそもなぜギバーが最も成功するのでしょうか。それを理解するには、ギブ・アンド・テイクの関係に目を向けてみることが鍵になります。

本書によると成功しているギバーは「人脈づくり」「協力」「人に対する評価」「影響力」で独自のコミュニケーション法を用いており、その独自のコミュニケーション法を用いることで、長期的な人脈を築き、利益のパイを増やす働き方をする。またマネジメントの分野では他者の才能を信じ育て、信望を元にした影響力を発揮することができるためと説いています。

・「人脈づくり」:新しく知り合った人々と関係をつちかい、以前から付き合いのある人々との結びつきを強めるための画期的なアプローチ(Part1)
・「協力」:同僚と協力して業績を上げ、彼らの尊敬を得られるよな働き方。(Part2)
・「人に対する評価」:才能を見極めてそれを伸ばし、最高の結果を引出すための実用的なテクニック。(Part3)
・「影響力」:相手に自分のアイデアや関心事を支持してもらえるようなプレゼンテーション、販売、説得、交渉をするための斬新な手法(Part4)

もちろん「テイカー」や「マッチャー」も上記4つを築くことはできます。ですが、「ギバー」はその中でも長期的な視点でみると遥かに長続きする価値を作り出すことに長けていると本書では述べています。

※また「与える」という行為は人の根幹に深く根付いており、いつの時代もをの基本方針は変わらないと述べています。事実この裏付けとして、世界70カ国以上で「富・権力・快楽・勝利」と「援助・責任・社会主義・同情」のどちらの価値を評価するかという質問を行った際、全ての国で「与えること」こそもっと大切な価値だと認められていることが分かっています。

◼️自身がどのタイプに当てはまるかを知る

また自身がギバー、テイカー、マッチャーどのタイプに当てはまるかを判断する方法もあると本書では述べています。またこの視点は相手を見るときの1つの指標にもなるため、テイカーに振り回されてしまうことが比較的多いギバーは把握しておくとよいでしょう。

①テイカーは自分のことで頭がいっぱいなので、三人称の代名詞(私たち)一人称の代名詞(私)を使うことが多い。
②高い報酬。テイカーは自分のことを優れた人間とみなしているので、極めて高い給料をもらうことは当たり前だと思っているからだ。

さらにテイカーは、自分に利益をもたらす人だけを重視するため、目上の人にはこびへつらうが、目下の人にはどう思われようが気にしなくなり、利己的な行動を取ることが多くなるといいます。

また現在ではフェイスブックなどのSNSの普及により、テイカーかどうかが容易に判別できるようになったと本書は述べています。

③フェイスブックの写真が実物以上によく見える写真であること、そして上辺だけのコネクションを築いていて友達がやたらと多い場合、その人物はテイカーである可能性が高い。

こうした自身をアピールする行動を動物界では「レック」と呼び、テイカーも上記のような行動を取ることが多いため、相手を判断する・また自信を知る際の指標になるとしています。

※本章は一時的にでも自身を「ギバー」、「テイカー」、「マッチャー」のいずれかと認知させ、この後の章での内容を理解させやすくするための"興味付け"の意図が強いように思えました。

下記からは読書の目的としてPart6以降、「燃え尽きる(失敗する)ギバーにならないための視点」に着目していきます。

■ギバーには2種類ある。

本題(Part6以降)に入っていきます。まず本書ではギバーには2種類あるとし、それらを燃え尽きる(失敗する)ギバーと、成功するギバーに分けています。

またどちらも他者利益への関心は高いとされていますが、ギバーが成功する(燃え尽き側に行かない)ためには、他者につくすだけでなく自分の利益にも関心を持つこと。また、人によってギブ・アンド・テイクのやり方を使い分けることが重要であると本書では説いています。

なぜならそうでなければ、他人を助けていることが結果自己犠牲にしかならず、そのうち自分のニーズを損ねてしまいかねないからです。

■ギバーが真の意味で成功するには?

ギバーが成功するためには、「自己犠牲的」ではなく「他者志向性」になる必要があると本書では述べています。

例えばチームで仕事をするときに、自分の取り分を心配するのではなく、みんなの幸せのために高い成果を出す、そこの目的を設定すること=本書で示す「他者志向性」になります。

受け取るより多くを与えても、けっして自分の利益は見失わないことが重要で、他者への関心と自己への関心を結びつけることで、もっとも成功をおさめることができるのです。

■ギバーが他者への交渉を遠慮し、結果疲弊するのを防ぐためには

本書の中で刺さったのがこの事例になります。大学生が旅行ガイドブックを広告で売る仕事を得た際に、顧客のクレームや不況による広告費予算の減額を迫られた際、相手に言われるがまま広告料の値引きや代金の返金をしていたそうです。本人も会社を犠牲にして顧客を助けるダメ社員だと自覚していました。

しかし、そこから自分の前任者がもたらした広告収入のおかげで新設された役職人(同僚)と会い、その役職人がその仕事につけたことで大学の授業料を払うことができている。その同僚は自分を頼りにしているんだと気づくことができたおかげで自分一人のことだと思うとクライアントにやられ放題になっていたのが、顧客と渡り合い創業以来初の広告売上を達成できるまでになったというものでした。

本書の中では、これを経済学者の呼び名で「関係説明」と呼んでいます。これは自分自身だけでなく、他者の利益も思いやった要求だと釈明することを指します。

積極的に迫るとテイカーになったような気分になることが危惧されますが、これは「他人の利益を守り、背中を押してあげたい」というギバーの価値観にしっかりと沿ったものになり、対象に対してしっかりこの「関係説明」をすることがテイカーに振り回されず、結果的に交渉事においてもむやみにクライアントのいいなりになる「いい人症候群」の発生を防止することにもつながるのです。

■ギバーのテイカーとの付き合い方

本書の中では「ギバー」が「テイカー」との折り合いをつけていくための付き合い方が書かれていました。

大手コンサルティング会社で行われたある調査では「ギバー」は昇給率や昇進率が「テイカー」や「マッチャー」に比べて最低だった。一方、誰よりも早く昇進し活躍する「ギバー」も存在する。

両者を分けた理由の一つは、前者が相手を「信用しすぎる」という罠に陥ってしまっていたからです。「ギバー」は「いい人」でいるだけでは絶対に成功できません。「ギバー(自身)」が「テイカー」の食い物にされないように注意する必要があるのです。

そのためには最初から惜しみなく与え、疑うことを後回しにするのではなく、誰が「ギバー」で誰が「テイカー」か注意を払う必要があるとしています。(また人に利用された挙句、他者への気づかいが報われない人は、ほかにも「相手に共感しすぎること」「臆病になりすぎること」という罠に陥ってしまっていることもあります。)

仮に「ギバー」が「テイカー」を見極めた上で、どうしても付き合いを持たなければならないときの対策としては「ギバー」が「マッチャー」になることが挙げられています。最初は協力的な態度で良いが、相手が張り合ってきたら同じように張り合うことで態度を合わせます(しかし3回に2回は張り合い、3回に1回は「ギバー」に戻り、寛大になることが重要)。

「ギバー」が成功できるかどうかは、他者を信用することを基本としながらも、その行動や評判から相手が「テイカー」だとわかると、ギブ・アンド・テイクのやり方を使い分けることができるかどうかにかかっているとしています。

◼️まとめ

他者志向性で常あれ!、、、と言われるとすぐすぐは難しい場面があります。が、変わっていかなければそれこそ会社の売上しかり、本当にクライアントを勝たせて上げることはできないという結論にいたりました。

直近自分は言われたことに対してそれを愚直に実施するだけで解約を出さないためにただただ「自己犠牲的」になる場面を自分自身で作り出していることが多かったのですが、上述の「関係説明」しかり、何のためにこれをやっているのかを振り返る時間を設け、また相手のためにやるのはもちろんですが、その中でもしっかり自分自身の関心を見失わないようにしていきます。



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