ヒーローズ・ジャーニーとは?『自分とまわりを変える魔法のNLP実践トレーニング』を掘り下げ読んでみた。

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■本レポートの抜粋--------------

熱心にNLPに取り組んでくれた方の成果は、私たちをいつも驚かせてくれた。

ビジネスパーソン必須のスキル。
誰でも“在り方”“関わり方”が簡単に身につくバイブル。

しかし、いくらNLPの知識を得ていたとしても、
教科書通りの知識だけでは日常の場でそのまま使うことはできない。
そのため、一通りのNLPテクニックを学び、
実践するという双方からアプローチでNLPトレーニング方法を解説する。

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----------書籍情報----------------

書籍名:自分とまわりを変える魔法のNLP実践トレーニング

著 書:椎名 規夫

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■本書の選定理由

NNGで話のあった、ヒーローズ・ジャーニーについて学ぶために選定しました。セールス手法として特に映画業界などで活用されることの多い手法ですが、この方法になぞらえて、『いったい自分はどんな人生を進みたいのか』、『自身の立てた道のりに相反する行動をとっていないか』について理解し、落とし込むために本書を読むことにしています。

また今回の書籍は、前回『ミラーリング』を学ぶにあたり選定した書籍を再度ピックアップしています。以前は直近で学んでいた『非言語コミュニケーション』部分を深く読み込むため、『ペーシング』以外の項目はあえて削った読書をしていましたが、今回は目的が『ヒーローズ・ジャーニー』を学ぶことでしたので、該当する章を変えた読書をしています。

※また前回のミラーリング同様、書籍よりも参考になるサイトが見つかりましたので、書籍+NLPサイトの双方を読むことにしました。理由としては、ヒーローズ・ジャーニーを取り扱う書籍は多々あるものの、ビジネスモデルの構築方法や、ヒーローズ・ジャーニーが編み出されるまでの話などが多く、若干今の自分と手法とを比較する目的とズレるなと感じたためです。

参考サイト(引用元):https://www.nlp.co.jp/000204.php

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■ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)とは?

「ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)」とは、アメリカの神話学者であるジョゼフ キャンベル氏が提唱したもので、古今東西の神話に登場する数々のヒーローの物語を研究していくと、そこに、ある共通した一連の流れがあることを発見しました。
世界各国、文化や歴史といった背景が異なっても、共通して現れてくるこの流れは、人々の心を動かし、共感をよび、感動を生み出す流れであると考えたわけです。

■ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)を構成する8つのステップとは?

ヒーローズ・ジャーニーは全部で8つのステップで構成された1つの人生モデルになっています。下記でその8つのステップを分解していきます。

1.天命を聞く/Calling「天命」
2.天命を受け入れる/Commitment「旅の始まり」
3.分岐点を超える/Threshold「境界線」
4.メンター・守護者を見つける/Guardians「メンター」
5.試練(悪魔)に遭う/Demon「悪魔」
6.悪魔を自分のリソースやアドバイザーに変える/Transformation「変容」
7.試練を克服し天命を全うするための方法を見つける/Complete the task「課題完了」
8.英雄として帰還する/Return home「故郷へ帰る」

※上述の各8つのステップの「/」より右側の記述は書籍。左側は参考サイトから引用しています。

1.天命を聞く/Calling「天命」
物語の始まりです。主人公は、きっかけは、さまざまですが、人のとの出会いや、不運な事故、また、自分のなかで聞こえてくる内なる声などきっかけに、これから始まる旅のミッション(生きる意味や役割、使命)を見つけます。
2.天命を受け入れる/Commitment「旅の始まり」
主人公は旅をはじめ、「自分の進む道は本当にこれでいいのか」と、天命を受け入れることができず、旅に出ることへの葛藤や戸惑いが必ずおきます。また、何かしらの出来事で、最終的には「今に留まるのか、それとも新しい世界へ進むのか」という選択を迫られます。そして、新しい世界への一歩を決断して進んでいきます。

3.分岐点を超える/Threshold「境界線」
旅を始める決断をした主人公は、最初の試練に遭遇します。本当に新しい世界へ踏み出す勇気や覚悟があるのかどうかを試されるテストです。

4.メンター・守護者を見つける/Guardians「メンター」
新しいステージに足を踏み入れた主人公は、さまざまな新しい体験を重ねて、そのプロセスで、師、またはメンターといったサポーターたちに出会い、学び、さらに成長を遂げていきます。

5.試練(悪魔)に遭う/Demon「悪魔」
旅を続ける主人公は、ここで、「悪魔」という言葉に象徴される最大の敵、そして、試練に遭遇します。相手が敵(悪魔、悪の権化、怪物)、または強力なライバル、さらに己の内面にある自分自身など、物語には、様々なパターンが存在します。

6.悪魔を自分のリソースやアドバイザーに変える/Transformation「変容」
Demon「悪魔や悪の権化、また自分自身」を倒し、克服した主人公は、ここで英雄へと変容します。

7.試練を克服し天命を全うするための方法を見つける/Complete the task「課題完了」
一つの課題を終えた主人公は、これまでの自分の旅を振り返り、その旅のプロセスで体験した自己の苦悩や葛藤、手放したこと、勇気や挑戦、そして、そこで出会うことできたが師やメンター、仲間や愛する人をとおして、その旅の意味を整理し、学び・体験・悟りを統合します。
その統合した学び・体験・悟りが、映画や小説を通して、伝えたい一番のテーマであり、メッセージになります。

8.英雄として帰還する/Return home「故郷へ帰る」
主人公は旅を終え、元の世界に戻っていきます。

実はこの「ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)」の流れは、映画監督であるジョージ・ルーカス氏に影響を与え、世界でも熱狂的なファンが存在する映画「スター・ウォーズ」は、「ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)」の流れを取り込んで制作したと言われます。


そして、スター・ウォーズに限らず、世界で大ヒットしている「ロード・オブ・ザ・リング」「マトリックス」「ロッキー」といったハリウッド映画にも取り込まれ、さらに馴染みのある日本映画では、歴代興行収入第1位の大ヒット作である「千と千尋の神隠し」や「ドラゴンボール」の物語にもその流れは見え隠れしています。


時代を超えて、人が求める生き方、そして、心を動かすストーリーでもある「ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)」には、8つのステップがあります。それは、普遍かつ不変であり、無意識に私たちの人生になにかしらの影響を与えています。

また大きく8つに分かれるヒーローズ・ジャーニーですが、下記ではそれらをさらに3段階に分け、自分自身がどの位置にいるのかに落とし込んでいきます。

■①スタート

1.天命を聞く/Calling「天命」
2.天命を受け入れる/Commitment「旅の始まり」
3.分岐点を超える/Threshold「境界線」


この「スタート」のステージにおける大切なポイントは、あなたのミッションや課題、そして目標について、それは「何か」を知ることが重要になります。

1.天命を聞く/Calling「天命」

自分自身が『何』をしたいのか、それを知るところから「旅」は始まります。

◆あなたは何をしたいのか。                     →はっきり明確でないから進められない。               →本当にしたいことはわかっているけど、失敗したら怖い。       →失敗したら周囲に笑われる。そんな思いをするぐらいなら今のままでいい。

このような言葉が聞こえているのかもしれません。進んでいても、進んでいなくても、「本当に自分は、これでいいのか」という問いは、一つの学びが生まれない限り続き、スタートしない限り、消えることのない戸惑いです。

天命を聞くチャンスは誰にでも起こっていることが多いと書籍では述べられています。ただ、それに気づくことができていないだけなのかもしれません。または聞こえていても、受け入れずに「無視」をしているのではないでしょうか?


2.天命を受け入れる/Commitment「旅の始まり」

天命を受け入れた場合には、これまで持っていたものを手放す勇気が必要になります。何故なら自分の作った制限の世界ではなく、それを超えた世界で過ごすことになるからです。

NLPの前提の一つに「失敗はない。あるのはフィードバックだけ」というあなたにとって支えとなる考え方があります。やってみないと、その目標が自分に合っているのかどうか、違っているのかどうか、わかりません。

だからこそ勇気が必要です。やってみるというチャレンジが必要です。

一歩踏み出せば、見えてくる景色があります。動き出せば、敵や味方がわかります。体験すれば、自分の心が何かを感じるはずです。


3.分岐点を超える/Threshold「境界線」

新しい世界で生きていく選択をした者たちは、その世界で生きていくための成長や進化を余儀なくされます。

自分を変えていくには、何かを始める勇気もあれば、何かをやめる勇気も必要です。自分の声に従う勇気、ということも言えるでしょう。「スタート」のステージでもお伝えしたキーワードの一つにある「勇気」、そして「決断」によって、あなたの旅が始まり、未来が動き出します。

「人生には3つの生き方がある」

また、元は神話学者ジョーゼフ・キャンベル氏が提唱した「ヒーローズ・ジャーニー」ですが、これをNLPを通してみる場合は、英雄の旅で天命を受け入れるとき、これまでのものを手放す必要があると、スティーブン・ギリガン氏が解説したと書籍では述べられています。

例えばこれまでの仕事、地位など書籍内の事例では、病弱な子供のためにそばにいてあげたいと思った人間が、天命(ここでは親子の絆を伝えていくこと)を受け、今の職を辞め、塾事業を起業した話がありました。

今の地位など安定を捨ててしまうのは、一筋縄ではいかず、また現状のままでいることはストレスもなく心地が良いかもしれません。ただそのうえで下記のようなこともスティーブン・ギリガン氏は述べています。

「人生には3つの生き方がある」
1つ目は、社会的で伝統的な生き方:良い大学に行って、良い会社に入る。社会で模範とされる生き方といっていいでしょう。
2つ目は、廃墟のような生き方、生きていく目的が無く、毎日、ダラダラとテレビを見ているような生活。
3つ目は、ヒーローズ・ジャーニーです、英雄の旅です。

すべての人が英雄の旅をするわけではありません。すべての人が英雄の旅ができるわけでもありません。しかし、あなたはどういう人生を選びますか?

■②ターニングポイント

4.メンター・守護者を見つける/Guardians「メンター」
5.試練(悪魔)に遭う/Demon「悪魔」
6.悪魔を自分のリソースやアドバイザーに変える/Transformation「変容」

この3つのステップをここでは、「ターニングポイント」と称して話を進めていきます。

4.メンター・守護者を見つける/Guardians「メンター」

新しい世界を生きていくためには、成長と進化が必要といわれています。ですが、一人で進化をしていくわけではありません。そこには「メンター」と呼ばれる存在が手を貸してくれるからです。

「私にはそんな人はいない!」

そう嘆く人もいるかもしれませんが、それはただ気づいていないだけかもしれませんよ?「メンター」は天命を受け入れた時や天命に気づいたときに目の前に現れてくれることがあります。または天命を受け入れた時にこれまで遠かった存在が近くに寄ってくる場合があります。

メンターという存在はずっと付き合える存在のことを指します。相手にメリットがなくなるとスッと消えてしまうような人をメンターだと勘違いしてしまうこともあります。

だからこそメンター選びにも気をつける必要があります。なぜならメンターといえる存在は、人間的魅力があり、自己をコントロールして共感力の高い資質が求められます。すなわち大きな志を持っていなければ務まらないからです。

もし自分がメンターと呼ばれる存在と出会ったら、一生をかけて付き合う覚悟も必要になる点を覚えておきましょう。

5.試練(悪魔)に遭う/Demon「悪魔」

普段何気なく生活をしていてもいろいろな障害や、試練、邪魔ものに遭うことは多々あるでしょう。映画の世界だと主人公が死に面するシーンがありますが、実生活でも同じことが起こらないと限りません。

6.悪魔を自分のリソースやアドバイザーに変える/Transformation「変容」


しかし英雄の旅では上述した「悪魔」を決して邪悪なものではないとしています。

・資金に困り倒産=お金の使い方を知ることができた。
・うつ病になった=自分中心に世界が回っていると勘違いしていたことに気づいた。

今までの経験を振り返ってみるとわかりやすいですが、試練に遭うこと自体は英雄の旅を全うするために必要なリソースを手に入れる機会でもあるという視点をもっておくとよいでしょう。


そして、このステージの最後を待ち受けているのが、悪魔との遭遇、つまり、クライマックスです。

■③クライマックス

7.試練を克服し天命を全うするための方法を見つける/Complete the task「課題完了」
8.英雄として帰還する/Return home「故郷へ帰る」

最大の敵やライバルに遭遇し、これまでの経験や学び、そして、サポートしてくれる協力者の全ての「リソース」を活かしながら、悪魔に立ち向かっていくステージになります。

また『自分にとってのリソースは何か』この問いかけをしていく時期です。

※リソース:NLPでは「資源」を意味する言葉で、目標達成や課題を成し遂げるために活用できる人脈や経験、また、知識や時間や金銭、そしてキャラクターなどの全てのことを指すものです。これらを整理し、統合ししていきます。

7.試練を克服し天命を全うするための方法を見つける/Complete the task「課題完了」

書籍の中では建築業界へ飛び込み起業した方の英雄の道が例に挙げられています。

多くの試練を乗り切り地域のリーダーとして活躍するようになった彼は、営業所や支店を増やして事業展開をしていきます。また独立する人を応援することも始めました。

ココでは試練を克服して、天命を全うする方法をみつけたら、その後は広げていくことが大切だと述べられています。

ビジネスであれば右腕、左腕を育てることなのかもしれません。何故ならば、後継者にそれを託すことで、私たちは新しい英雄の旅を始める準備ができるからです。卓越した知識や技能は伝え続けることが大切です。

8.英雄として帰還する/Return home「故郷へ帰る」

著者の体験の中で英雄の旅のパターンと、卓越した成果を出している人のパターンは面白いほど似ているとあります。それは時間の使い方といっても過言ではありません。

人生の送り方はいろいろあります。

・会社から帰ってきて、毎日毎日家で酒を飲んで、テレビをみて、そして寝るだけの日々を繰り返すのか。
・成果がある程度出たとしても、帰宅後の自宅や会社で絶えず勉強をするのか。

上記で述べた3つの生き方にもつながる点はありますね。自分自身がどんな人生を生きていきたいのか。

愛する者に貢献することを選んだ英雄は、自らが学び成長することで、その人の許へ帰還していくのです。

■重要な3つのリソース

また最後に、NLPで特に重要視されるリソースについて触れておきます。そのリソースは以下の3つです。※書籍では「貢献する」を含めて4つと表現されていましたが、詳細な解説がないため、以下3つ、参考サイトにあった表記を引用し説明します。

・優しさ
・力強さ
・ユーモア

NLPでは、人が存在するために必要なエネルギーのリソースとして、この「優しさ」と「力強さ」と「ユーモア(遊び心)」の3つを挙げています。

参考サイトではこのリソースがバランスよく取れていることが良きリーダーの条件とされています。

NLPでお伝えするエクセレントなリーダーシップの要素でもあるこの3つのリソースは、どんな物語にも、つまり、あなたの生き方や目標達成のプロセスにおいてもこの3つのリソースがバランスよく保たれているのがNLPでは重要とされています。


仕事や人生は、螺旋(らせん)階段のごとく同じ所を回りながらも、上へ上へと成長し続けていくと言われます。あなたの今が、どのステージなのか、そして、どのステップなのか、まずは照らしあわせてみてください。

■まとめ

今回、NLPで呼ばれる「ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)」を1つの書籍と1つの参考サイトを基に、8つのステップと3つのステージに切り分けて学んでみました。

また、境界線に押しつぶされそうになった時、「ここを進めば、メンターに出会える」、という信念をもつことにも役立つことでしょう。感動と共感を呼び、人の心を動かすあなたの「ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)」を進めてみてください。

■Todo

今の仕事で表現すると自分は4、5のステップにいると思います。社長というメンターの指導を受けながら、試練(悪魔)と対峙している段階だと思いました。また自分の殻を破る・破れていないという点においては1、2のステップにいると思います。

直近意識の矛先が自分に向いていると思うことが多々ありましたが、良い意味で試練(悪魔)は必要で、境界線を越えるには通らなければならない道なのだと考えていきます。

※また個人的に余裕が無くなると3つのリソースも同時に欠落してしまうことが多いです。今後教える側の立場になったときに欠けてはもったいない点だと思うので、この3つのリソースも目に入る場所に書き出し、常忘れないようにします。

※加えてクライアント自身もヒーローズジャーニーにいると仮定すれば、メンター役として引っ張っていくのは自身しかいないなと思いました。そうとらえるとクライアントワークもまた変わっていくと思います。

・自分が今どこの段階にいるのかを知る

・キーワードを1つ選定する

・行動を書き出し実施する。

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※NLPとは※

NLPとは分野を超えて卓越した成果を出している者たちのやり方を体系化したスキルで、アメリカで体系化されたものだ。

N(Neuro:神経)5感:私たちの行動は視覚、聴覚、身体感覚、嗅覚、味覚をとおして情報を受け取り処理するプロセスからおこる。それらを司るのが5感。

L(Linguistic:言語)言語=言葉+非言語:人間は言語的あるいは非言語コミュニケーションを通して、神経プロセスを経られた情報をコード化し、意味を与えて、他の人とどう関わりを持つかを決めている。

P(Programing:プログラミング):プログラムは、五感を通した体験から作られる。プログラムが作られると、私たちはプログラムに行動がコントロールされる。プログラムとは特定の望ましい目標と成果を達成するために、人間はコミュニケーションにおいて自由に思考や行動を組織立てることができる能力を指す。

NLPは、これら「体験」、「プログラム」、「言語の相互作用」がどのように私たちの身体や行動パターンに影響を与えるかという仕組みを学び、実践する手法を指します。

より詳しく知りたい人は、今回参考になった下記サイトで知見を深めることを推奨します。

参考サイト(引用元):https://www.nlp.co.jp/000204.php

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