みどりのぞうがやってきた!
コントラバスアンサンブルみどりのぞう演奏会
2024秋
プログラムノート完全版
2024年10月15日 18時30分開演(18時開場)
日本キリスト教団島之内教会
こんにちは!
私たち「コントラバスアンサンブルみどりのぞう」は、日本センチュリー交響楽団のコントラバスセクション4人です。昨2023年にカルテットとして演奏をはじめました。現在は、初の自主コンサートを10月15日に控えて準備を続けています。
皆さま、演奏会にご来場くださって、ありがとうございます。
ごゆっくりお楽しみください!(10月14日追記)
プログラム解説のようなものを書いていたのですが、ついつい長くなってしまった(いつもなんです私)ので、本日は短縮版をお渡しすることにして、お手数ですが、こちらで読んでいただくかたちにしました。併せて各曲へのメンバーのコメント(曲の推しポイント・ここが好き・ここが難しい…など)も載せています。お楽しみいただけると幸いです。
🎫演奏会のチケットは、こちらから(テケト)
当日券少しあります!
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♯コントラバスアンサンブルみどりのぞう
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リンクまとめ(lit.link)
◇プログラム
G.P.テレマン:4つのヴァイオリンのための協奏曲twv40:202(C.Buckley編曲)
C.ブランビー:コントラバスのための組曲
D.アンダーソン:7つのDuo
A.ハチャトゥリアン:剣の舞(K.Trumpf編曲)
T.オズボーン:ピンクの象
F.リスト:ラ・カンパネラ(伊賀拓郎編曲)
J.アルム:コントラバスのための四重奏曲第1番
吉田 有音:At Dusk
◇プログラムノート
◇G.P.テレマン:4つのヴァイオリンのための協奏曲TWV 40:202(C.Buckley編曲)
「バロック音楽といえばバッハもしくはヴィヴァルディ、あ、そうそうヘンデルってのもいたな」的な空気がいまだにメディアからは感じられるのですが!…実は彼らが生きていた当時は抜きん出て知名度が高かったのはテレマンだったのです。86年の生涯になんと4000近い曲を書いたと言われています。全集は出版され続けていますが完遂には程遠く、おそらくサグラダ・ファミリアの方が先に完成するのではないかと。
ヴァイオリン4本だけのために書かれていて、4人でハーモニーを響かせたり、同じテーマを追いかけっこしたり、旋律と伴奏が入れ代わり立ち代わりしたり、おもしろい曲です。
◇C.ブランビー:コントラバスのための組曲
この曲の楽譜は「Yorke Edition」という出版社から出ています。とくにコントラバス関連の楽譜をたくさん出版しているその会社の創業者は、実はR.スラットフォードというコントラバス奏者で、彼は既存の曲の出版はもちろん、未出版の曲を発掘したり作曲家に新たに委嘱したりして、コントラバスのレパートリーを拡大してくれました。有名なところでは、G.ロッシーニ作曲のチェロとコントラバスのための二重奏曲も、最初に出版したのは彼の会社です。 そのスラットフォードが、1975年当時の名コントラバス奏者たち(K.シュトール・B.ガイ・E.ハルトマン)とオーストラリアで演奏するために、オーストラリアの名うての作曲家ブランビーに委嘱してできたのが、この曲です。
いかにもコントラバスらしい低音が順次積みあがっていったり、1番パートの旋律を3人がPizz.で支えたり、軽快なパッセージがあったり、4人で静かなハーモニーを作ったり…と、ハッキリとした構成で作られていて、初めて聴いてもわかりやすいのではないかと思います。
◇D.アンダーソン:7つのDuo
作曲者はジャズ発祥の地、ルイジアナ州ニューオーリンズのオーケストラで首席奏者をつとめておられます。彼のプロフィールによると、コントラバスのためのソロ・レパートリーが限られていることに気づき自ら作曲を始めた、とあります。同じ楽器を演奏する我々にとって、コントラバスのことをよく知っている人が書いた曲を演奏できることは、たいへんありがたく楽しいことです。小さな7曲の二重奏から成っていて、それぞれに副題がついていますが、これがなかなかに難解で、作曲者自身も「説明が必要だ」と書いておられます(そして、説明を読んでもやはり…)。それぞれの曲を弾くメンバーと、作曲者のコメントの一部を以下に記します。
Kibbles & Kibbitz(丹澤・三井)「犬にインスパイアされた曲」
Parade of the Politically Prudent Pigs(村田・内藤)「ジミ・ヘンドリックスとプロコフィエフとラッシュ・リンボーの出会い」
Rush Hour(村田・丹澤)「午前7時30分ダウンタウンの交通渋滞の中、タクシーのクラクションが鳴り響く!」
Schweik Fahrt(内藤・三井)「最後の小節がタイトルを完全に音楽的に表現している」
Lament(内藤・丹澤)「唯一のシリアスな曲。私の最初の師であるトニー・ナイトを偲んで」
Blew Cheeze(三井・丹澤)「ジャコ・パストリアス、『かわいい魔女ジニー』、レッド・ツェッペリン」
Gustav's 11 O'Clock Dance(三井・村田)「マーラーでもクリムトでもなく、毎晩11時になると家中を走り回る愛猫グスタフのことを指している」
◇A.ハチャトゥリアン:剣の舞(K.Trumpf編曲)
「ガイーヌ」というオペラの中で、クルド人たちが出陣する前にサーベル(弯曲した刀)を振って戦いの舞を踊る場面につけられた音楽です。今日のプログラム中もっとも有名な曲と言い切って良いと思います。 戦いの舞を激しくおどって気合を高める。自分の攻撃をぐーんとあげる。…これはポケモンのわざ「つるぎのまい」です。
◇T.オズボーン:ピンクの象
イギリスの王立音楽院でコントラバスと作曲を学んだ彼は、意欲的でしかも楽しめるコントラバスのための作品をたくさん残してくれました。今夜は我々とは色違いの象さん仲間をタイトルに持つ、この曲を演奏します。ノリの良いブルース調の曲ですので、よろしければ皆さんもフィンガー・スナップをご一緒に。
◇F.リスト:ラ・カンパネラ(伊賀拓郎編曲)
パガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番第3楽章のテーマを使ってリストが書いた、あまりにも有名(たぶん今日のプログラム中第2位)なこの曲を、コントラバス4本で演奏するために、3拍子と5拍子を行ったり来たりするJazzyな楽しいアレンジが施されています。
◇J.アルム:コントラバスのための四重奏曲第1番
スウェーデンのコントラバス奏者で作曲家。ヨーテボリ(Göteborg)交響楽団の副首席奏者をされていたそうです。彼のサイトをのぞいてみたのですが、演奏シーンだけでなく教育プログラムやお芝居との共演などの写真、ダウンロードできるコントラバスアンサンブルの楽譜などバラエティに富んでいて、たくさんのコントラバス弾きや愛好家に、もっと知られたらいいのにな、と感じました。今日の曲を含めてコントラバスのための四重奏曲は3曲書かれたようですので、いつかまた我々のグループで弾く機会を持ちたいと思います。
◇吉田 有音:At Dusk
まず作曲者からいただいたコメントを。
「この曲は僕が所属するコントラバスカルテット『BassBar』のオリジナル曲として作曲しました。僕は頭の中では『ドレミ…』の音が分子のようにあっちこっち飛び回っていて、たまに結合したり、離れたり…。そんな中で気に入ったものを作曲に使ったりしています。この曲もそうやってできました。できた曲をメンバーに聴いてもらったところ『夕暮れ時っぽい!』との声が多く、曲名もメンバーに決めてもらいました。メンバーも気に入って弾いてくれ、聴きに来てくれた人も気に入ってもらえたりして、こうして多くの方々に聴いていただけることを嬉しく思います。コントラバスが奏でる夕暮れの風景をお楽しみください」
吉田さんはコントラバス奏者として我々とたびたび一緒に演奏する機会もありますし、三井脩平は前述の「BassBar」のメンバーでもあります。我々のグループでも、最初にこの曲のリハーサルをしたときに、全員が「これ弾きたい!」と、一度で好きになりました。コントラバス弾きの琴線に触れる要素がたくさん含まれたこの曲の魅力が、皆さんにも伝わると良いな…と願いつつ演奏します。
お読み下さってありがとうございます。
演奏会を、どうぞお楽しみくださいますように!
もしくは、演奏会をお聴き下さって、ありがとうございました!
この次も、また皆さんに楽しく聴いていただけるよう、演奏会を企画してまいります。これからもみどりのぞうを、どうぞよろしくお願いいたします。