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蟹工船

とにかくお金がない。労働。
私は平穏な暮らしがしたいだけなのに。

派遣バイトくんとして徴兵され、ユニクロに出兵することに。

【清掃】

開店前のフロアの清掃。
俺が出兵した店舗は複数階あり、一部が吹き抜けになっている。そのうちのワンフロアを担当。


衣服の埃をマツイ棒の強化派生の双剣で叩く。

一本841円!?

これが2本ある。一本はもう一本に比べて若干短い。さながら太刀と脇差である。ユニクロ二天一流。
マネキンもしっかり叩いて埃を落としていく。ユニクロのマネキンを強めに叩くことで、賃金が発生。

初回は不慣れなのもあってかなり骨が折れる。(メキョメキョッ!)
時間の感覚もよく分からん。こんなことなら腕時計持ってくるんだった。

埃を落としたらフロアのモップがけ。棚の下とかまでガッツリやらないといけなくて結構大変。そのあとは軽く掃除機がけ。

時間的な不安がつのる。今ぐらいのタイミングで掃除機かけてて大丈夫か?そう思いつつ掃除機を準備していると、どこからか掃除機の音が聞こえてきた。フロアの吹き抜けを通じて、階下や階上から掃除機の歌が聞こえてくる。他の兵どもか。
アフリカンアメリカンは奴隷として労働をさせられている際には、歌を歌うという。それは作業のタイミングや足並みを合わせるためや、チームの連帯感を増すため、士気を上げるためなど、様々な意味があったという。
この掃除機の音は労働の歌だ。


【当たり】

作業をしていると社員の方に呼ばれる。何か指示されるのだろう。

社員「派遣さーん」
けむ「はい」
社員「あたりです」
けむ「…?」(当たり!?俺という人財が?それとも俺が派遣であるという自分の見立てが?)
社員「富(あたり)です」(首から下げている名札を見せる)


【店内BGM】

店内ではもちろん、店内放送が流れており、様々なBGMが流れている。
基本的にはヒートテックのCMで提携している桑田佳祐の楽曲と、流石大阪、キダタロー作曲のオリジナル曲が無限に流れている。
頭がおかしくなりそうだ。「さ↑てみ↑なさ↑ん」
(「果て見たパン」と同じアクセント)って言うな。「なんかお好み焼きみたいな名前やね」とか意味わからんこと言うな。


【ニセ藤川球児】

店内放送では藤川球児が話していることがある。
「みなさん!阪神タイガースの藤川球児です!ほんまもんの、藤川球児です!〜中略〜以上!ほんまもんの、藤川球児でした!」
そんなに「ほんまもん」って強調する?
俺は野球知らないんだけど、今の野球って《藤川球児》のニセモノがいっぱい居て、【黒黄藤川球児】がTier1でメタが回ってるのか?
いやでも、大阪のおばちゃんとかって割とすぐに「え?これほんまもん?」とか言うもんな。その点藤川球児はまず名乗った後に、おばちゃんの《ほんまもん?》読みで先に《ほんまもん》をキャストしてメタってるな。ちゃんと環境読んでてえらいぞ藤川球児。


【警告】
これより先は読んではいけない

まあそんなこんなでぼちぼち労働頑張ってますという近況報告なんだが…

一つだけ、言い忘れてしまっていてね…

このnoteを開いたということは、私を、ユニクロのことを、探ろうとしたということだ


私のキラークイーン第3の爆弾バイツァ・ダストはユニクロのことを探ろうとした人間を爆破する



もう遅いッ!

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