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THE CEREMONY-櫻井敦司へ-

ドイツ人のファン

先週の木曜日、facebookで知り合ったドイツ人のBUCK-TICKファンを羽田に迎えに行った。
セレモニーのチケットなしで、日本に乗り込んでくる行動力に感心した。
背の高い、いかにも外国人という風貌の彼女はかなりすごいタトゥーを彫っていて、圧倒された。

私も最初のFC会員のチケットが先着順だったので取れなかった。
一般の先着も取れず、打ちひしがれた。
しかし、FCの2次抽選で3公演当たった。

羽田に着いてすぐにチケットぴあの設定をしようとしたが、日本人限定でできなかった。
海外からファンが来ることを想定していなかったようだ。

羽田から帰る時間ギリギリまであれこれやってみたけど無理だったので、その日はぴあの設定は諦めた。
その代わり紙のチケットで、9日朝10時のチケットを譲ってくれる人がいたので、連絡を取り、コンビニでバーコードを読み込んで発券してもらうことができた。僕が手を貸さなかったら、彼女はZepp hanedaでただブラブラするだけだっただろう。

僕は最終バスを逃して、最寄り駅まで電車で行き、タクシーで帰った。

気持ちの整理ができないまま

9日、THE CEREMONY-櫻井敦司へ-への参列の日がきた。
僕は夜勤明けで、速攻で家に帰ってシャワーを浴び、洗濯をして、昼ごはんを食べてから会場のZepphanedaまで行った。
その間、ドイツ人の友人のため、18時の紙のチケットを譲ってくれる人とコンタクトを取り、18時に天空橋で受け渡しをすることにした。
facebookのグループで、渡すものがある人がいたので、14時入り。
僕のセレモニーは18時から20時まで。
待ち時間が長いので、手頃なお店でドイツ人の友人と語り合った。
彼女は僕ら日本人以上にあっちゃんを愛していた。

僕はどうしてもあっちゃんが亡くなってしまったことを受け入れられない状態で、セレモニーに来てしまった。
BUCK-TICKとの出会いは衝撃的で、最初はTVのCMだった。
その後、『TABOO』を借りて聴いたのが始まりだった。
それから、からなり浮気して洋楽に走り、また『darker than darkness-style93- 』出戻ってきて、また時間が過ぎて『十三階は月光』でまた戻り、しばらく追ってた。
付かず離れずって感じだった。
一番好きなメンバーだったあっちゃん。
それは中2から変わらなかった。
だから、急に亡くなるなんて思わないし、信じられない。
しかも亡くなったのが、近所の病院だと思われる。
3曲歌って終演になったライブ会場も近所。
要素が多過ぎて理解できない。
僕はバカになったんだ。

出たら入ったりしていたFCにもまた今更入り、あっちゃんの痕跡を少しでも残そうと思った。
FC会員限定発売のカレンダーやTシャツ、ツアーのパンフレットなどを購入した。
カレンダーは5人で撮り終えていた最後のもの。
飾ると辛いから飾らないで保存しておく。

セレモニー

いよいよ、セレモニーに参列。
電子チケットを用意して整列し、順番を待つ。
最初にチケットを確認されてから、会場に入るまでの列に並ぶ。
会場入り口で、電子スタンプを押してもらい、会場入り。
献花のカーネーションを受け取り、祭壇のある中へ。各地で書かれた寄せ書きが貼られ、3枚の大きなあっちゃんの写真が飾らせていた。ステージ衣装やマイク、タンバリン、拡声器など愛用の品々が並べられていた。
僕は献花の1、2回目はセンターから全体を見渡せる場所になり、3回目は向かって右側の端だったので、展示されている物をゆっくり鑑賞できた。
会場の出口で、メモリアルフォトをもらった。
僕は3枚ある。
1枚は台紙ごとアクリル製のフォトスタンドに入れて飾っている。

みんな泣いているのに泣けない

参列した人たちはみな一様に泣いていた。
でも、僕はみんなが泣いていると逆に泣けなかった。
悲しい気持ちはわかる。
でも、僕はあまりにも多くの人たちの生き死にに遭ってきている。
死が日常茶飯事になっている。
確かに34年、神様のような存在で、あまりに神々しくて近寄れず、ライブにもいけなかった人が亡くなったら、涙の一雫出れば良かったんだろうけど、僕は泣けなかった。

訃報を聞いたときは、人生でも屈指のショックだった。バス停で1人バスを待っているときに知り、その場に膝から崩れ落ちた。
あまりのショックで、その後何をしたかわからない。
なのに泣けなかった。

あっちゃん、またね

『音楽と人』の金光さんの追悼文に書かれていた、「あっちゃん、またね」をさよならの代わりに伝えてきた。
僕はまだ受け入れるのに時間がかかりそうだ。
セレモニーに参列しても、まだ信じられない。優しい笑顔、謙虚で柔らかい物腰。
あっちゃんのこと、死ぬまで忘れないよ。

何よりもファンを大切にしてくれたバンカーのスタッフのみなさん。
ありがとうございました。

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