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A magnifying glass!!   難しいからできない はウソ?

「難しいのはムリだわ、簡単なやつならできるけど。」

これが覆った瞬間がありました。小学校低学年クラスの単語で。

流れはこんな感じ。
①レッスンで単語を導入
②一週間かけて自宅で練習
③次のレッスンで一人ずつその単語を言っていく。

まず①でのこと。
私「今回の単語の中に、a magnifying glass があるね。これは難しい(言いにくいし覚えにくい)から、無理しなくていいよ。他の単語をしっかり覚えてこようね。」
みんな「OK!」

そして翌週、③での事。
生徒1  "a magnifying glass!"
生徒2  "a magnifying glass!"
生徒3  "a magnifying glass!"
生徒4  "a magnifying glass!"
生徒5  "a magnifying glass!" 
生徒6、7、8、9、10………
全員 "a magnifying glass!"

もう、目がキラキラ輝いて、普段の2倍くらいの声量で、中には立ち上がっちゃって、胸を張って、全員が完璧に叫び散らかしてくれました(笑)。

「これは難しいから、やらなくていいよ。」と言うとバチンとスイッチが入る。もちろん『好きなことに関しては』という条件がつく子もいるけれど。

いや〜お見事でした。あのキラキラしたおめめ、保護者の皆さんに見せたかった〜。私だけ堪能しちゃって申し訳ない気持ちになるくらい、眩しい瞬間でした。

私が中学生の時、社会の授業で先生がこんな課題を出しました。
【日本国憲法の前文を3日で覚えてきなさい。3日後に真っ白な紙を配りますので、その紙に前文を書くように。】

社会の教科書にバッチリ載っている日本国憲法前文を、3日で覚えて書けるようにする……?

クラス全員が「ちょっと何言ってるかわかんない」状態でした。そして休み時間、何人か友達がやるかやらないかを確認し始めました。そして「いや、やらないでしょ、あんなの3日じゃ無理だよ。先生もやってくると思ってないよ。」という声を聞いて安心している様子でした。

今でもハッキリ覚えています。あの時、バチンと入ったスイッチの音。
大嫌いな社会の課題。「このくらい覚えてきなさいよ」と言われても覚えられなかった社会の内容。
なのに、何故だろう。突然、バチンってスイッチが入りました。3日間、とにかく読んで書いて読んで書いて………。絶対やってやる、先生をびっくりさせてやる、見てろよ~っ!!

そして3日後、白い紙にガリガリと日本国憲法前文を書く私。
残念ながら、少し間違えてしまいました。言葉の順番を間違えて書いたのと、単語を抜かして書いたことが悔しかった。

返却日。
先生が言いました。「私は不可能な課題は出しません。なぜ勝手に不可能だと決めつけたのですか?」
そして私の所にきて、頑張って書いたノートを見せてほしいと言ってきました。ぐちゃぐちゃに書いたノートが恥ずかしくて、自宅に置いてきたと言ってしまいましたが、先生は私の努力を認め、思い切り褒めてくれました。
社会がとても苦手だった私。なぜあの時スイッチが入ったのか、未だに謎。
でも、あの経験がずーっと私を支えています。
「そんなの無理じゃない?」「やる人いるの?」って聞くと、今でもスイッチが入る。

あのa magnifying glass!!もきっとそうだったんだと思います。絶対やってやる!! 見てろよ、かよこ〜!!

覚えててね。あなたたちはできたのよ。

これにはオチがありまして……
あんなに言いにくいmagnifying  glassが言えたのに、他のシンプルな単語がイマイチでした……。
なんでやねん(笑)。

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