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虚無から始まるリズムに合わせて

 昨日、一つの時代が終わった。
10年店を盛り上げてきたベテランのキャストさんが引退したのだ。
 最後の2週間はたくさんのお客様が押し寄せて、普段より特別なシャンパンを開けていく。

 白服はシャンパンを開ける時、『おめでとうございます!』と言ってコルク栓を抜く。夜のラウンジにとってシャンパンは、祝う心の象徴なのだ。
 けれど彼女は、祝われるのを拒否していた。
「おめでとう、じゃないな。お疲れ様だね!」と言って。

 身体がついてこない。それが引退の理由だった。
 どれだけ続けたいと願っていたとしても、それを全うできる『時間』は、本当は最初から決まっているのかもしれない。


というわけで虚無

 2週間、お疲れ様でした!
私は今こっそりと、そして盛大に、自分に対して『お疲れ様パーティー』を開いている。
 激務でしたのよ。キャストさん達もいつもよりアルコールの摂取量が増えて大変そうだったし、事情が事情だから、いらして頂いたお客様を全員通せるわけじゃない・・・とか、お客様がいつも以上に出たり入ったり・・・とか、ねぇなんで見送り呼ばないの!?とか、諸々あって黒服サイドも若干荒れていたのよ。
 まぁ私もだいぶ学習してきたので、イライラしそうになったら、一旦休憩するようになりました。
 言うて私自身も細々やらかしているので、ここは魔法の言葉『お互い様』を発動しよう。

 その裏で淡々と短編小説冊子の4冊目を書いていたわけで。
 全て終わった今、『虚無』以外の感情が、完全に抜け落ちている。

 全部終わったら見よう、読もう、やろう、と思っていた事全て、気力不足で手が出せない。
 というわけで、やりたかった事、色々と記録しておこうと思う。気力が戻ったら、そのうちやるでしょうから。

【やりたかった事リスト】
○ 村上春樹の1973年のピンボールを「じっくりと(ココ大事) 」読む。
 ↑この後の『ノルウェーの森』まで読み終わったら、カフェの本好きなマスターが考察をお話してくれる予定なのだが、まだそこまで辿り着けていない。はやく聞きたい!

○ 友達からの手紙のお返事を書く。
 ↑ハニワ柄のおもしろい便箋で、お手紙が届いた。誰かが書いた手書きの字って、味があって好き。私に届けたくて書いてくれたんだって思うと、めっちゃジーンときてしまう。

○ パーフェクトデイズの映画を見る。
 ↑せっかくなので、ホットドックとオレンジジュースを用意して見たい。

○ 友達から借りた十二国記をゆっくり読む。
 ↑本を借りたのは1年くらい前だったりする。よっぽど短い関係性の方じゃない限り、30代の人間の時間感覚は、こうなっていくんですね・・・。そして時折やってしまう、打ち合わせ30分、脱線話2時間みたいなヤツ。。。楽しい時間が、あっという間すぎるんだ!

○ お布団新しくする。
 ↑寝床が『せんべい化』していて、もうちょっと優しくしてあげようって思う今日この頃。


 終わっていない仕事とか、身の回りのそろそろやったほうがいい事とか、まぁまぁいろんな事が溜まっている。
 とりあえず虚無明けてからでいいや、と思いながら、今はまず休憩しよう。

 

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