見出し画像

HELLO CYCLINGの長距離ライダーは意外と多いらしいという話

 しばらく更新をすっぽかしているうちに大晦日になってしまいました。決してサボっていたわけではなく、同人誌の制作に追われていたのです。

 シェアサイクルでの旅模様を綴った紀行文集、その名も『シェアサイクル紀行』。シェアサイクル旅といっても観光地を周遊するというよりは、シェアサイクルの“乗り捨てできる”という特徴を生かし、山口→福岡など長距離走ってみたものをメインに収録しています。

 メロンブックスまたはBOOTHで販売していますので、気になった方はぜひ手に入れてみてください。先日制作した『シェアサイクル紀行2021』を含め、現在全4作を刊行しています。


シェアサイクルの経県値…?

 さて、そんな同人誌をなんとか書き上げ、年越しまでダラダラしていたところ、次の記事が公開されました。

 記事中でも触れられていますが、経県値というのは宿泊や訪問といった経験の度合いを県別に点数化したもの。おおむね都市ごとに展開されるシェアサイクルではサービスが展開されている都道府県=利用された都道府県であるはずで、経県値というのはちょっと不思議な話です。

 なんとこの記事は、サービスが展開されていない都道府県にもシェアサイクルの通過記録があることを示した記事なのです。それもシェアサイクル事業者公式の。

HELLO CYCLINGエリア跨ぎ利用の実態

 記事によれば、群馬・山梨・三重・滋賀・奈良・山口の6県で複数の車両流入がみられたそうです。このうちたとえば山口県は北九州市(小倉)を起終点に関門トンネルを越えて下関を訪れてみたという感じでギリギリ観光周遊の範疇に入ると思いますが、三重県などは「東海道沿いに愛知県~関西を結ぶ利用が複数みられました。」とハッキリ書いてあります。
 最初に紹介した『シェアサイクル紀行』で取り上げているような越境利用が複数回実行されているということです。実は東海道沿いのポートを眺めていると他エリアの自転車が流入していることがちょくちょくあるのですが、今回こうした越境利用が改めて明らかにされました。

岡崎エリアの自転車と関宿(三重県亀山市)

 私も以前、愛知県~関西(岡崎~京都)の利用で三重県と滋賀県を通過したことがあるのですが、その距離はおよそ170キロもあり、他にもこのような利用をした方がいるとはなかなか実感が湧きませんでした。きっと他の方々も「こんなことやれるのオレくらいだろ?」とか思って挑戦しているのだと思います。でも現実にはそのような方が年に複数人現れていたのです。
 しれっと書いてある長野県~首都圏だって最短(松本~八王子)でも180キロはあり、途中には笹子峠をはじめ厳しい山越えがありますから、山梨県の通過実績が複数あるのは正直信じられません。

シェアサイクル経県値の限界

 今回こうしてシェアサイクル(HELLO CYCLING)の越境利用が可視化されたことは極めて画期的なことですが、少々至らぬ点というか不満もあります。

 というのも、先述したようにシェアサイクルは基本的に都市ごとに展開されるものだからです。
 たとえば、石川県は「ステーション存在」として塗られていますが、実態は能登半島の先端の珠洲に2ポートがあっただけ。金沢あるいはさらに南の加賀温泉の方まで車両の流入があったとは考えにくく、県全体が塗られているのは納得のいかないところがあります。
 「車両複数通過」となっている山口県だって、北九州市からの利用なら訪れたのは下関市だけで、東側の岩国市などに通過実績はないでしょう。

 また、私は今年HELLO CYCLINGで徳島県や愛媛県、広島県を通過しているのですが、他に通過者がいなかったようでマップ上には示されませんでした。

涼宮ハルヒのラッピング自転車を聖地・西宮まで拉致した際に徳島を経由しました

 市町村ごとの塗分けとし、通過回数で数段階に分けて表示されると、より越境利用の実態が見えてくるのではないかと思います。手放しで推奨できるものでもなく公式で扱うのは慎重にならざるを得ないのでしょうが、もしまたこのような企画をやることがあれば、ぜひ上のようなスタイルに変更してほしいところです。


 さて、HELLO CYCLINGの公式が越境利用を認めたことですし、来年も越境利用を楽しんでいきたいと思います。次はどこに向かいましょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?