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観たかった観せたかった景色を見に行こう〜 vol.9

Le Fils 息子

東京芸術劇場シアターウエスト
4/9 息子初日
4/17 ソワレ
4/18 マチネ
4/30 東京千穐楽
穂の国とよはし芸術劇場PLAT
6/29 息子大千穐楽

舞台が始まる前、圭人くんは初演の時とは違う舞台になる。そう言っていた。
3年の確かな経験を積んだ圭人くんが、あの鮮烈さをどうやって超えるのかな。
そんなことをことを想いながら再演の初日は始まった。

まずはいつもの
♦ニコラ衣装/動きまとめ。
(初演時のメモに足りないところと変更点を足しました。セリフや感想を書いてるのでかなり長いです。)


はじまり
月のような丸い光の前にピエールが立っている

暗転
ピエールの家 玄関
下手 アンヌが訪ねてくる。
ニコラの様子がおかしい。
ニコラに会って欲しい。

暗転
アンヌの家 
下手ソファに座ったニコラ登場
暗い。瞳が黒い。無気力。投げやり。
爪を噛んでいる(爪を噛む音が聞こえる)→ピエール ニコラの横に座り問い詰める→ニコラ 別に。何も。どうでもいい。散歩していた。ノートになにか書いたり。

時々、左手首を触る。
ピエールに手首の傷を見られる。咄嗟に隠す。(左手首に傷→ニコラは右きき)ピエール見ないふりをする…
(ここでニコラに聞く勇気があったら…なにか変わっていたのかな…と今でも思う)

ニコラ立ち上がる→舞台中央

パパと暮らしたい。
ママとはうまくやっていけない。
僕もママも限界なんだ。
それに小さい弟とも暮らしてみたい。(ちょっと笑う)
頭が爆発しそう。
ニコラ泣きだす→ピエールニコラを抱きしめる→俺がいる。大丈夫。

♦黒Tシャツ(白の大きな英字プリント)/モスグリーンパーカー/黒スキニーパンツ/黒コンバースハイカット(チャックテイラー)靴紐→黒


頭が爆発しそう…自分の中で何が起きているのか分からないんだよ…パパ…分からないんだ…


暗転
ピエールの家
舞台中央 ソファ ソフィアとピエール
上手から歩いてニコラ登場→ソファの前を無表情で2人の前をにらみつけながら通る→本棚から本を1冊取り読む→本棚の前にいるソフィアを挑発するように見る→激しく光が点滅、爆音の中、ニコラ 本棚の中の本を全て落とす、ランプを倒す、椅子を倒す→そのまま何も無かったかのようにソファへ…すとんと座る(生きる気配がない)
ピエールは何事もないように座っている→立ち上がり上手へ

ここは多分、現実では起きてないと思う。
ニコラの心の中、この家のバランスが崩れた…象徴なのかなと思った。
ソフィアが本を拾い、棚を直す=バランスを保とうとした…みたいな。

♦白Tシャツ(緑色に黄色の花かな?のスクエアプリント)/グレーパーカー(JIMMY TAVERNITI )/黒スキニー/黒コンバース

舞台中央奥 ピエール キッチンのテーブルで仕事をしている
ニコラが居ることに気づいてびっくりする。
ニコラ→舞台中央前 ソファから立ち上がりピエールへ→サーシャはなんで泣いてたの?
学校のこと、自分はみんなとはちがうこと…ピエールに話すが分かってはもらえない→ニコラ 少し寝る!→ピエール ため息→ニコラ部屋へ入る→すぐ戻ってきて「パパ」→なんだ⁈(ちょっとイラつき気味)

僕のために色々してくれてありがとう

→上手 ニコラの部屋へ入る


暗転
ソフィア キッチンでコーヒーを淹れている→ニコラを何度も呼んでいる。ニコラ起きてこない。部屋の前へ行きノック→戻りかけると後ろにニコラが靴を持ったまま立って居る→ソファに座り靴を履く→不意に顔を覆って泣き出す→ソフィア こんなふうに泣くことがよくあるの?→ニコラ 泣いてない。生きてる意味が分からない→ソフィア 時にはそういうことをあまり考えない方がいい。部屋、気にいった?→ニコラ笑顔になる→キッチンの方へ行く→コーヒーを飲む(白いマグ)→座ろうとしてソフィアに急かされる→カップを置いて玄関(下手奥)へ→すぐにバッグ(初演時とは違う/黒のワンショルダー)と上着(モスグリーンのパーカー)を持って早足で戻って来る→

 1つ聞いてもいい?最初パパに会った時、パパが結婚してるって知ってました?

どうして思いとどまらなかったの?

ソフィア 私に何を言わせたいの?→さぁ…なんでこんなこと聞いたのかな…→コーヒーごちそうさま→行ってきます→怒りながら(下手)家を出て行く。(すんごい前のめりで歩いてる)


なんでこんなこと聞いたのかな…バカだな…


♦白無地T/水色×茶色のチェックシャツ/黒スキニー/黒靴下/黒コンバース
玄関から戻ってきた時→黒ワンショルダー(初演時からチェンジ)/モスグリーンのパーカーを手に持って居る

暗転するたびその時々にキャラクターの影が浮かびあがるんだけど、これがキャラクターそれぞれの苦しみ辛さ悲しみを浮かび上がらせてより気持ちが伝わってくる。


暗転
アンヌの家
アンヌとピエール
アンヌがまだピエールに想いがあるのが分かる。
ニコラが幼かった頃のアフリカ旅行の写真を持ってくる→
私のちっちゃな太陽。
あの頃、あの子のことをそう呼んでいた。あの頃のように戻って欲しい…


暗転
ピエールの家
舞台中央 ソファ ピエールとソフィア
ニコラ 上手部屋から機嫌よく出てくる→部屋からは爆音の音楽→パパにアドバイスして欲しいことがあるけど後でいいよ。2人の邪魔をしたくない→すぐに部屋へ戻る→あいつは良くなってる→ピエール ニコラの部屋へ「ニコラーーー♪」

ニコラが良くなってる。そう思いたいのは分かるけどピエールの現実を見ていない感じがすごく嫌。そしてソフィアの想いもピエールには届かない。

♦白Tシャツ(ブルーの柄)/モスグリーンパーカー/黒スキニー/黒コンバース


暗転
ピエールの家
セットの移動と一緒に圭人くん移動している→
下手 鏡の前 ニコラ→土曜日のパーティー用にピエールに買ってもらったジャケットを着ている(鏡越しの圭人くん見るのとても好き♡)なんかやだ…この歳でこの柄は無いと思う。→ニコラ ジャケットを広げる(笑いが起こるw)→ニコラすぐに脱ぐ パーティに行くか分かんないし→ソファに座る(右側)→ニコラ 同い年の子とどうやって付き合ったらいいか分からない。18歳になっても何も変わらない。そりゃクラブには行けるよ?でも、クラブなんて本当興味がないしパーティーとかマジでどうでもいい→ピエール じゃあ何に興味があるんだ?何になりたい?

ニコラ(初演時の圭人くんが好きなセリフ)
こんな年にはなりたくなかった。自分には難しすぎる。責任とかプレッシャーとか、子供の頃の方がよかった。あと、ダンスできないし。

ニコラのダンス出来ないしって本音はその前の部分で、ピエールには伝わらないのを理解して分かりやすい理由を言ってるだけなんだろうな…
ニコラの苦しみが失恋からきてるって合理的な理由にしたことと同じ。
ピエールには届かない…どうして…?

今の圭人くんならどのセリフが好きなんだろう?

ピエール ダンスはソフィアに教えてもらえ→ソフィア スマホで音楽🎵Gloria ウンベルト•トッツィをかける→ピエール かの有名な尻ふりダンスを踊る→ニコラ ソファに座って笑顔で音楽に合わせて肩を右左右…肩を揺らしてとても楽しそうにピエールを見ている→ニコラも立ち上がり どうやるの?→ソファ横 ニコラ左/ピエール右 2人並んで尻ふりダンスをする→ニコラ ソファの前をおしりを突き出して踊りながら下手へ移動(ここめちゃくちゃ圭人くんも笑っててはっちゃけててほんとにほんとにかわいい♡)→下手でソフィアも加わり3人で円になって踊る(圭人くんおっきい声で歌ってるのも嬉しい♡)→ニコラ1人上手へぴょんぴょん跳ねて踊りながら移動→下手でピエールがソフィアを抱き上げて踊っている→ニコラ 2人を見て真顔になり走って自分の部屋へ篭る

表裏一体。
幸せ楽しいの後にはいつもそれとは反対のことが起こる。


かの有名な尻ふりダンス


♦白のロンT(ポケットあり/肉厚)/グレーデニム/黒ベルト/黒コンバース
ピエールに買ってもらったジャケット(黒ジャケット/ラペルがサテン/裏地がショッキングピンクと黒のストライプ)


暗転
ピエールの家
舞台中央 ソファでピエールが仕事中→サーシャと散歩へ行こうとするソフィアからニコラの部屋を掃除していてマットレスの下にキッチンナイフが隠してあったことを告げられる
上手(ニコラの部屋)からニコラ登場→手には木の器を持っている→そのままキッチンへ皿を戻しに行く→ピエール、ニコラへナイフのことを聞く→
ニコラ 護身用だよ→ピエール 腕を見せてみろ→ニコラ 嫌だ!→手首を無理矢理見られ激しく咎められる→ピエール なぜそんなことを…→

なぜ…?
 悲しみを流し出す1つの方法

→パパだって銃を持ってる!!ここのピエールの話をうんうん頷いて話を聞いてピエールを論破するニコラの顔が本当に意地悪で…ごまかしが効かない年齢になってることが分かるし、もっと向き合えばよかったのに…と思うシーン→ピエール 自分を傷つけることはパパを傷つけることなんだよ→

ニコラ ママを傷つけることは僕を傷つけることなんだよ!

→上手 ニコラの部屋へ入る

♦白T(白黒グラデーション星条旗ぽいプリント)/赤×黒チェックシャツ(ボタンを閉めている)/グレーデニム/黒コンバース


暗転
ピエールの家
舞台中央ソファ右側 ニコラ 木の器に入ったシリアルを食べながらTVを見て笑っている→ピエール ニコラと並んでシリアルを食べながら笑ってTVを見る→鮮やかなグリーンのドレスのソフィア登場 イヤリングが無い→ピエール探しに行く→ソフィア あなた知らない?最近、私のモノがよく無くなるの→ニコラ テレビを消す。笑顔なし。器を持って立ち上がる→ドレスに着替えたの?すごいキレイ。(無表情)→ソフィア 優しいのね→ニコラ 本気で言ってるよ(無表情)→キッチンの前でおでかけするの?→



ソフィア いいことを教えてあげる。人生を楽しみたかったら子どもは作らないこと

→ニコラはソフィアが自分と住むことを反対しなかったことに感謝してることを伝える→ソフィアの返事が「サーシャのお兄さんだから」だったのは
ニコラを深く傷つけたんだろうな…

ニコラは愛されたい誰かの1番になりたい、自分の居場所をいつでも探していたんだろうな…ソフィアにもそれが叶わなかった…

ピエールリビングへ戻ってくる→ベビーシッターが病気でキャンセルになった→ニコラ 僕が見てるよ→ピエールは喜ぶがソフィアは激しく拒否→
ニコラ 好きにしていいよ。…と後ろ(バスルームの方へ)へはける→ピエールとソフィアが今の出来事で言い争う→ソフィア あの子、おかしいわ。普通じゃない。時々不気味な目をしている。はっきり言って頭がおかしいわ!後ろを向くソフィア→後ろにいたニコラに気づく→ピエール ニコラを気遣う→ニコラ 廊下に落ちてたよ。(怒ってる日、泣いてる日、その日によって受ける印象が違った)イヤリングをソフィアに渡す→走って自分の部屋へ(上手からはける)

♦白T(グレーグラデ)/赤×白チェックシャツ/グレーデニム/黒コンバース

暗転
アンヌの家
外は雨。
下手からソファに座ってノートに何かを書いている→上手奥(アンヌの玄関)から帰宅→ニコラ ソファの下に隠れる(胸の前でバッグとノートをぎゅっと掴んで丸くなっている…かわいい♡)→アンヌに見つかる(バッグの中にノートをしまう)→2人でソファに座る(ニコラ左側/アンヌ右側)→アンヌ 会いたかった→ニコラ 僕もだよ→2人ぎゅっと抱き合う→ニコラ ママは僕がここに戻ってきてもいい? 自分が2人の邪魔をしていること、ピエールがプレッシャーをかけてくること、ニコラ自身が法律の勉強をしたり弁護士になったりすることに全く興味が無いことを伝える→アンヌ キッチンへ移動→アンヌ わかってる。あなたの少し前までの夢は小説家になること。まだ書いてるの?→この時、ニコラが嬉しそうに少し微笑んでるのすごくグッとくる→ニコラ ソファから立ち上がり舞台中央にいる→アンヌの弟もニコラと同じ芸術肌で小説を書いていて似てると言われる→

ニコラ おじさんって保険のセールスマンでしょ?似てるって言ってくれてありがと。

ここ好き。こういう些細なことでも気遣うことが出来るニコラは本当に繊細で優しい子だと分かる…
だからこそ気づいて欲しい。

→アンヌからピエールはピエールなりに頑張っていることを分かってあげて欲しいと言われる。
ニコラの落ち込んでる理由が女の子と別れたからと聞いたと言う→ニコラ ピエールがなんで苦しんでいるのかを理解が出来ない。合理的な説明が必要だったから言った。その女の子とは付き合ったことなんでないよ

僕は普通の人とは違う。
頑張ってはいるよ。
毎日。
精一杯。
僕にはできない。
時々、生きてることに向いてない気がする。
苦しい。
それに苦しむことに疲れちゃった…
もう…終わりにしたい


僕にはできない…


アンヌ 駆け寄り口をふさぐ
そんなこと言わないで…かわいい子…
私のちっちゃな太陽…
そんなこと言わないで…
ニコラをぎゅっと抱きしめる→ニコラ 上手(玄関)からはける

もし
もし、この時、もう少しだけニコラへ寄り添ってたら、ニコラの希望を聞いていたら…
とは思わずにはいられない。
みんなニコラを愛してるのは確かなのに…

♦白T/ZARAネイビーのジップアップ/グレーデニム/黒ワンショルダーバッグ(小さめ)/黒コンバース

暗転
ピエールの家
下手からピエール怒りながら登場 ニコラの部屋のドアを叩く→ニコラ 部屋から出てくる→ソファへ座る→ニコラへソフィアが昼間の公園でニコラを見かけて学校へ行ってないことを叱る→ニコラ 具合が悪かった…受験のプレッシャーもあった…ごめんなさい…(泣いている)→ピエール 学校から初日以降、一度も学校へ行ってないこと、ピエールのサインの入った元の学校へ戻る旨の手紙をもらったと言われたと言い、ニコラがピエールに嘘をついたことを責められる。

好きなことだけやって生きていけるとでも思っているのか?

行きたかろうがなかろうが学校には行くんだ→ニコラ 嫌だ!→ニコラソファから立ち上がり上手へ移動→

無理なんだよ!
生きること!
生きることができない。
こうなったのパパのせい!
僕がこうなったの全部パパのせい!

ママと僕を捨てたでしょ?
まるで何も無かったかのように。
ムカつくんだよ…
人生がどうとか、勉強がどうとか、偉そうに言うけど
パパは昔っからクソ野郎だった!


パパは昔っからクソ野郎だった!!


ピエール 撤回しろ
ニコラ ………クソ野郎!!

ピエール ニコラに掴みかかる→ソファの前でニコラ倒れる(この時、一瞬ソファに圭人くん手をついてたの見えてちょっと安心した。ステージの幅が狭いから毎回怪我しないかってすごくドキドキする)→ピエール ニコラの上に馬乗り激しく揺さぶる→

俺がお前の母親と一緒にいてやったんだ。
何年も面倒を見て。俺の何がくそ野郎なんだ。
他の女を好きになったことか?
それがお前になんの関係がある。
俺の人生だ!何が悪い。
やり直す権利がある!


俺の人生だ!
何が悪い!

最悪すぎる…
1番嫌いなセリフ。
圭人くんは初演時ここのセリフが刺さったって言ってたな。

→ニコラ怯えて泣く→泣いてかなり嗚咽しながら狼狽えてよろけて走って自分の部屋へ戻る

♦白T(モノクロフォトプリント?)/グレーパーカー(JIMMY TAVERNITI)/グレーデニム/黒ベルト/黒コンバース

とてもとても辛いシーン。
圭人くんのあてがきじゃ…?って思うくらいのこの戯曲を圭人くん自身が「自分の物語だと思った」のも圭人くんが役に入り込みすぎて「これはパパの話だよ!」って言い放ったのもすごくわかる。(これほどまで役に入っていたのは当時分からなかったからとても衝撃的だった)
そして、圭人くんが再演前に言ったように、「親子だからこそ安心して本気でぶつかり合える」って言ったのも、すごく納得した…と言うのも初演時より激しさが増しているから。
本当に人の家の喧嘩をのぞいているような錯覚をするような…ニコラとピエールを超えてる。
だからと言って岡本圭人と岡本健一でもなくて…
でも確かに圭人くんを感じるのがわかる。
ニコラの身体を借りて、いつかの圭人くんを救っているんだと思った。
そして
今だからこそ安心して出来ているんだな…と激しくやり合えば合うほど感じた。
圭人くんの方が身体も大きいし若い分、本気でぶつかられて吹っ飛ばされるピエールを「怪我しないで〜」っていつもハラハラしてる。
初演時は「圭人くん怪我しないで〜」だったのに笑
圭人くん心身共に本当にたくましくなったね。


暗転
病院
ベンチにピエールが力なく座っている→アンヌ入ってくる→ピエールがアンヌへニコラがバスルームでカミソリを使って左手首を切り、救急搬送されたこと、見つけたのはソフィア。事が起こってからすぐ見つけたし救急車もすぐに来た。
今朝も激しく怒ってケンカをした。

アイツは幸せになる全てを持ってるのにどうして…

ニコラのお家はブルジョワで、親も立派な職業につき何一つ不自由なく育ったはず。ピエールが不思議に思うのも理解はする…
けど
幸せかどうかは待ってるモノで決まるわけではない…んだよね…

→舞台下手寄り奥の扉からラメス医師登場→ニコラが病院にいることに苛立っていて自傷行為を軽視している傾向があることを伝えられる→看護師のバンサンに呼ばれて2人共退場→3階の精神科へ行ってラメス医師の助手から説明を受けるように言われる→舞台中央奥の扉からアンヌに手を引かれながら2人ではける(下手側へ歩いていく)


暗転
ピエールの家
ソフィアがイタリア旅行へ行く
ピエール 昨日のケンカを詫びる。


暗転
病院の面会室
舞台中央 オレンジの椅子が4脚並んでいる
その前にアンヌとピエール→後ろからバンサン登場→下手奥からニコラ登場→ママ!会いたかった!→アンヌと抱き合う→ピエールと抱き合う→バンサン ニコラ、君に頼まれたから僕は2分だけ席を外すね→バンサン一度行きかけて3人の元に戻ってきて すぐ来ますからね〜(ここのバンサンのなんとも言えない感…笑)
ニコラ バンサンが出て行ったのを確認すると(廊下を覗き込む仕草、リアルでとてもいい。かわいい♡)さいっあくだよ!! ここから出たいことを熱心にお願いする→ラメス医師とバンサンが戻って来る→ニコラとアンヌ、手を繋いでいる。隣りに座ろうとしてラメスに「ニコラ、君はこっちだよ」とバンサンの隣りに促される

バンサン→ニコラ→ラメス→アンヌ→ピエールの順で座る。

医師にニコラには入院が必要なこと、ここにいれば必ず元の生活に戻れるようになることを言われる→
ニコラ 僕のため?僕より病気の人たちの中で!ふぅーーー…(かなり気持ちを落ち着かせるようにしっかりと息を吐く…ゆっくりと)僕より、病気の人たちの中でどうやって良くなるって言うの?
この何もしない1週間考えてた。
そしたら変われた。

色々なことが分かったし、絶対にやってはいけないことも分かった。

学校にも戻れる気がする。
暗いトンネルに光が差したんだ。ここにいたらまた真っ暗なとこに戻っちゃう。
ほんとにもう無理なんだよ…パパ…
見捨てないで…

医師からニコラは未成年だから親の同意があれば退院は可能なことを伝えられる。
が、免責の同意書を書いてもらわないといけないこと、責任は親が負うこと、そして父親の立場で言わせてもらえば自分なら決して引き受けないリスクだと言われる(東京楽のラメス医師のこの言葉が本当に重かった…ニコラを救うという使命をすごく感じて心動かされた…2人に届いて欲しいと心から願った…)

愛情の問題ではない。

→ニコラ 家に帰りたいだけなんだよ…→ピエール 入院にサインをする→ニコラ パパ…ダメだよ!!パパがそれをしちゃダメ…僕がパパたちに何をしたの?→医師がニコラとバンサンに食堂へ行って昼食を取るように言う→ニコラ椅子を蹴飛ばす…暴れる→バンサンとラメスが無理矢理ニコラを連れて行く→パパーーーー!!!!→下手奥へはける



♦グレーの病院着/白のスリッポン/左手首に包帯


暗転
うなだれて歩くピエール下手奥→上手奥
うなだれて歩くアンヌ上手手前→下手手前

ピエールの家
キッチンからカチャカチャ音がする
舞台中央 ソファ ピエール(左)アンヌ(右)が座っている

2人は結局、同意書にサインをしてニコラを連れて帰って来た

キッチン(右)からニコラ登場→トレーに紅茶を入れて持って来る→ニコラ ママにはマドレーヌもあります♪(ここかわいい♡)→アンヌ どうしてか昔から好きなのよね笑→紅茶を置こうとしてよろめく→病院で色んなものを飲まされてふらふらする→(紅茶に)お砂糖は?→アンヌ、ピエール2人共断る→アンヌ あなたは?→ニコラ 僕はコーヒーがある→アンヌ (ピエールに)処方箋をちょうだい→ニコラの顔から笑顔が消える→アンヌ ニコラを映画に誘う→ニコラ その前にシャワー浴びてもいい?あそこのシャワー最悪なんだ。この1週間シャワーを浴びるのが夢だったよ→ピエール それがいい笑→ニコラ え?臭い?パパ?臭い?(自分で匂いを嗅いでピエールにも嗅がせる→アンヌにも嗅がせるせる→アンヌ 私にほんとのこと言わせるの?笑→笑い合う3人→

久しぶりに3人で話せて嬉しい。昔に戻ったみたい。

→ニコラ立ち上がり上手へ→

この何ヶ月か苦しい想いをさせてごめんなさい。
そんな想いをさせたく無かった。
あと、何より言いたかったのは…

愛してるってこと。

(東京楽。今までと全然違ってた…想いがあってこれから起きることを想像できるくらい気持ち入ってた…苦しかった…ニコラを止めて!!心から願った…)
ニコラ シャワーを浴びに行く→下手奥へ

残されたピエールとアンヌ昔話をしている。


銃声…


♦黒T(多分最初と違うプリント)/グレーパーカー(前に着てたものと違う)/黒スキニー/黒コンバース


暗転
ピエールの家
キッチンでソフィアがお友達を招いてのディナーの準備をしている
ピエール ソファで読書→ソフィア サーシャをお風呂に入れに行く→ピエール 音楽をかける→チャイムが鳴る→ニコラが訪ねて来る→今は調子がいい、ベルリンに住んでいる、サーシャにすごく会いたかった、エロディと住むことになりそう、エロディをパパに紹介できて嬉しい、エロディは母親のところに行っているから先に来た、サーシャにプレゼントがある、エロディが選んだから彼女から渡すね、パパにもプレゼントがある→ニコラ プレゼントを取りに玄関へ行く→戻って来ると手には包み紙を持っている→建築の勉強をしながら小説を書いた、初めて書いた、誰よりも先にパパに渡したかった→ニコラ ピエールに本を渡す→「死は待ってくれる」→ソファに座る ニコラ(左側)/ピエール(右側)→

お前がこんなふうになるなんて…だけどお前を疑ってことは一度も無かったんだよ。


お前は俺の誇りだよ。素晴らしい息子。俺の誇りだよ。


→2人抱き合う→ピエール お前が有名人になるとはな→ニコラ 立ち上がる「サーシャにキ…」→もう一度ピエールがニコラを抱きしめる→ニコラ サーシャにキスして来るよ→ニコラ 微笑んで上手へ歩く→ソフィア 誰と話しているの?→歩いているニコラの顔から笑顔が消える…そのまま上手から退場→ピエール 泣き出す 

ニコラの可能性を考えていた。
ニコラには才能があった。
頭もよかった。
もっと俺に出来ることがあった。
どうしてあんな同意書にサインなんか…!

→ソフィア あの子は病気だった。あの子が選んだこと…出来ることは全部やった…どんなに辛くても人生は続くの…→ピエール (激しく動揺)生きていられない→ソフィア そんなこと言わないで。愛しい人。私がいる。サーシャもいる。大丈夫!私を信じて!→ピエール 泣き崩れる…

暗転

はじまりと同じ
丸い光の中にピエールが立ち尽くしている…

おわり

☆写真は圭人くんのインスタから


再演初日は、初演の圭人くんのニコラを思い出して目の前のニコラと何度も重なった。
初演の時はニコラ目線でしか観ることが出来なかったのが、ニコラ以外のキャラクターの気持ちが見えるようになったのは私も少しは成長したかな?笑
(暗転する時の照明に浮かびあがる影がその人の心象をあらわしているようですごくよかった…)
17日18日と続けて観た時は再演初日とは違う景色だった。
ニコラが今日のニコラを生きているのが分かった。
同じセリフなのに全く違う。
セリフというより、今、目の前にいる人と会話してるニコラがそこにいるから言葉が真っ直ぐに届いた。
あぁ圭人くんは一回きりのニコラの人生を命をかけて
命を描いてるんだと思った。
(アフロさんも来てらしたみたいだね。嬉しいね圭人くん)
そして東京千穐楽。
すごかった…
すごかった…

ニコラの言葉が、高校生だった頃の自分が何者なのかも分からずなにかに悩んでた頃の私の気持ちを思い出させて同調して…ニコラの苦しさ怖さ…を肌で感じて苦しかった。シンクロした。
ぜレールさんとのインタビューで圭人くんが終演のときは毎日違う境地にいると話してたのをすごく納得した。
私も再演で観る度に違うニコラに出会うから。
圭人くんは今日のニコラを生きてるんだと思った。
今、想うのは
言葉が足りなかったかな?って観終わってすぐに家族に連絡したあの衝動みたいに動かされた気持ちをこれかも持ち続けたいなと思う。
圭人くんのニコラ大好きだよ!!
沢山の方に届けてね。
ニコラ、忘れないよ。

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