フィボナッチラインにおけるBTC市場の考察

フィボナッチラインとしても知られているフィボナッチリトレースメントは、最も一般的なテクニカル分析の1つであり、さまざまな適用方法があります。
 この分析方法は、株式およびコモディティ取引市場ならびに外国為替市場で成功を収めて適用されてきました。
 広く知られていて人気があるこのツールは、トレーダーやアナリストの間で認知されており、過去数十年の間に交換市場の取引や技術分析への応用をテーマにした書籍や研究論文が発表されています。
 フィボナッチリトレースメントは常にトレンドの転換点に)に基づいて描画されます。
 すべての市場で有効な単一のモデルを発見することはできませんが、ある一定の法則性・またそれを見つけ出す具体的な方法など、内部パターン識別を求めることはフィボナクレタリング(フィボナッチリトレースメントを利用しての分析法の呼び名)の1つになる可能性があります。
 フィボナッチパターンに基づいて取引の基礎を築いた最初の研究者はH.M.Gartleyでした。Gartleyは彼の著書であるProfit In the Stock Marketの中で、5つのベースポイントからなるパターンについて説明しました。翌年、他の研究者によりこの5つのパターンは2つへと集約されます。
 つまり、現在、ガートレットパターンと呼ばれる物の原型がここから始まることになります。

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 また、このパターンの進化系としてViktor Pershikov著 『ハーモニックトレーディング』の中で、スコットカーニーは理想ガートリーパターンの強気と弱気のモデルを提供している。

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 フィボナッチラインの数値は定型化されていますが、その内部でのレート推移はトレーダにより常に意識され、矯正されてトレードに利用する必要性があります。これはフィボナッチライン内部での値動きは常に市場情勢によって変動し、それを予測することは不可能だからです。
 ただし、正確な予測は不可能ですがある一定の内部パターンを把握することにより、それ以前の値動きなどを参考にすることで精度を高めた売買(逆指値、約定価格、利益確定指値)を行うことは可能です。

 基本的なフィボナッチレベルの23.6%、38.2%、50%、および61.8%に加えて、9%と14.6%です。
 それらは23.6%レベルに基づいて特定されています。
 

 23.6%= 61.8% - 38.2%
 14.6%= 38.2% - 23.6%
   9%= 23.6% - 14.6%

 フィボナッチラインの最初の内部パターンは、23.6%と9%の間の価格変動で作られます。
 また、23.6%に上昇するにつれ、50%-61.8%内での変動となりそれ以降は78.6%までの上昇率を見込む内容になります。
 逆に下落に際しては78.6%-50%での変動が(上昇起点から最高値までの半値戻しとしての大衆意識の流れから)重視されます。
 50%より更に下落する率が見込まれる場合、38.2%-9%の内部での変動が大きく意識される内容となり、9%-14.6%。もしくは50%-23.6%-9%の三段階の下落がパターンとして見込まれる。
 前回に紹介したディンジャーポイントラインを起点として考えた場合の、フィボナッチラインを表示してみました。

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 この中には上昇起点としての
   0-9%-14.6%
 38.2%-50%-100%
 下落起点としての
 100%-38.2%-61.8%-23.6%
 
 などの複数のパターンが含まれており、サンプルとして非常に参考になる内容となっています。
 また61.8%-23.6%-85.5%
 この新たなパターンは為替市場のみならず、BTC市場でも多く見ることのできる内部パターンとして採用することができると思われます。

 次に現在のドル円日足チャートでの、ディンジャーポイントラインの上下を利用したチャート見てみましょう。

USD_JPY (標準) _20191114_19.20

 この場合、底値を目指したドル円は三段階に分けられます。(左下緑BOX部分、中央最底値部分、現在直近最底値部分)
 さて、最底値部分からの上昇を果たしたドル円ですが、チャート際左上高値部分を超えきれず、しかしこの高値から底値(赤チャネル内ディンジャーポイントラインを下方に下ヒゲをつけて底値は更新したものの、最底値部分までは到達できない状態からの上昇へと転化)を更新しています。
 では、現在レートにかかる緑トレンドラインを試しながらドル円は上昇を続けている訳ですが、この上昇終着地点をどこに仮定するか。
 これを考える必要があります。
 この時に参考になるのが赤チャネル底値部分から上昇に転化し、一時的にですが上昇の到達点となったチャート図上でのFibo100%ラインと仮想して良いかと思います。
 この理論を利用してBTC市場を考えて場合、次の様な仮説を立てることが出来ます。

まず全体像としてのディンジャーポイントラインを利用したBTCチャート図

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 次にこれを2時間足に縮小して現在のレートと比較してみます。

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 現在のBTC市場は上記で示した85.5%-23.6%と推移し、50%を目指して上昇トレンドを形成したものの、到達できず38.2%-146%-9%という下降トレンドのパターン移行を形成、しかし、9%-61.8%という大きな上昇パターンは成功しましたが、78.6%に至らず50%から61.8%への上昇トレンドへの回帰を図ります。
 これは成功せず38.2%という地点でレートは一旦の動きを停止しています。
 下降チャネル内ではまだ下降の値動きが強い現在レートですが、底値9%-70.7%で形作った上昇トレンドチャネル下限でその値動きを押しとどめられると仮想できます。
 ここから仮想できるパターンとしては78.6%への上昇トレンドの開始地点。もしくは、38.2%-14.6%への短期下降トレンドの終了。
 この2点を視野に入れてのトレードとなりますので、上昇もしくは下降。
 どちらに際してもこの38.2%の価格レートがストップ指値を置くラインになります。また、50%までの上昇トレンドへは回帰したがそこで、下降トレンドへと戻る可能性もありますので、38.2%-50%。
 この価格帯が大きな値動きを左右すると見て、売買を行うことで損小利大のトレードを心掛けれると思います。
 また、上昇・下降チャネルの交差するレートである赤ライン8370$付近にも注視し、この価格帯で下降から上昇へ転じた場合は38.2%-50%のうち、50%までへの上昇を仮想してロングポジションを構築していければ、良いのではないかと思われます。

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