「スポーツバー物語」①ー目的なく過ごす日々ー
「マネージャー編」では拙い文章をご拝読いただきありがとうございました。今回からは、「バーテンダー編」です。これから飲食店をはじめる方がいらっしゃったら、心からのエールを送らせていただきます!
目的のない荒んだ毎日
2000年4月、会社から不意にバスケットボールの仕事に終止符を打たれ、所属の職場に専念することとなりました。
しかし、気持ちが中途半端なままでは仕事への新たなモチベーションを見出せる訳もなく、9月、仕事から逃げるように会社を退社しました。
こうして、31歳にして初めて無職となりました。
当てもなく自暴自棄となった私は、スーパーカンガルーズに関するウェアーも処分し、意識的にバスケットボールの知り合いとは距離を取るようになりました。
毎晩、飲み歩くだけの途方に暮れる日々が続きます。
「目的がない生活」がいかに無意味であるのか、バスケットボールで散々学んだはずでしたが、その時の目的は〝ただ飲むだけ〟の荒んだ毎日でした。
「バーテンダーはモテる」神話
そんな時期、トム・クルーズ主演の映画「カクテル」のビデオテープを暇つぶしに観ていました。
頭の中には漠然と「バーテンダーはモテる」という神話が出来上がっていて、邪な考えから喫茶(飲食店経営)専門学校に通ってみることにしました。
バーテンダーの授業では、神戸の有名ホテルから実際のバーテンダーの方が来られて、基礎からいろいろ教えてくれました。
料理の授業もありました。
他にも店舗の作り方や、立地条件の設定、メニューの工夫の仕方などの講習もありました。
そこは〝知らない世界〟であり、大いに興味をそそられました。
何より、「全くジャンルの違う仲間」と出会うことは、人生にハリを与え、「目的」を与えてくれました。
「スポーツバー」って運動しながら飲むん?
その頃から漠然と、「バー(お酒)」プラス「バスケットボール」イコール「スポーツバー」という考えが頭にありました。
アメリカでは、客がビール片手にスポーツを観る光景は日常的でしたし、私自身もそれを体験していました。
さらに、専門学校で、面白いことを発見しました。
飲食店経営を目指す人たちがほとんどでしたが、誰も「スポーツバー」を知らなかったのです。
当時日本では、「スポーツバー」は認知されておらず、〝スポーツバー〟を謳う店舗は大阪でも片手ありませんでした。
中には、「スポーツバーって、運動しながら飲むん?」とか、「私服、革靴で行けるん?」など真剣に聞いてくる人もいました。
なので、私が「スポーツバーをやりたい」というと誰もが「?」となりました。
これは「スポーツバー」を広めるチャンスかも知れない。
そう思った瞬間、一気に風が吹きました。
つづく
最後までご拝読いただきありがとうございます。次回は、「店舗を探す」ところをお伝えします。ぜひ、読んでください!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?