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「スポーツバー物語」⑤ー3大スポーツー

前回までのお話と今回の内容

 無事にオープンしたにもかかわらず、苦悩の日々が続いたことを前回お伝えしました。

「バーの情報交換のための近所のバーテンダーさん」「スポーツバーって何?的な興味本位のみでくるお客様」ばかりです。

最初に結論を言ってしまうと、この状態を打破できたトリガーとなる3つのスポーツがありました。

アメリカではよく、野球・バスケ・アメフト・ホッケーが〝4大スポーツ〟と言われます。

さて、皆さんに問題です。ケイタズバーを救った〝3大スポーツ〟とは何でしょう。

3大スポーツその1.「サッカー」

 ケイタズバー3大スポーツの筆頭はやはり「サッカー」(日本代表戦)です。

お店をオープンさせたまさにその年、サッカーW杯、しかも日韓共催ということで、日本中が空前のサッカーブームにわきました。

そのブームの波にケイタズバーはどっぷり巻き込まれることになります。

このサッカーW杯についてのエピソードは事尽きないので、後述させていただきますが、サッカーがいかにワールドスポーツなのかを身をもって実感しました。

逆にJリーグの試合はお客様は来ませんでした。

サッカーのサポーターはテレビで観るのではなく、「スタジアムに足を運ぶ」ことが新しいスタイルなのではないでしょうか。

3大スポーツその2.「プロ野球」

 サッカーときたらその双璧、野球です。

ここでは「プロ野球」と書きましたが、実質「阪神タイガース」です。

幸か不幸か、ケイタズバーを運営している期間、阪神タイガースは2度リーグ優勝を果たしてくれました。

プロ野球は、サッカー日本代表戦と違って毎日試合があるので、優勝が近づくにつれお客様の数は増えていきました。

しかもサッカーサポーターと比べて皆さんよく飲んでくれます。

ホームランで1杯、ピンチを脱するゲッツーで1杯、シーズン終盤にはジェット風船まで飛び交いました。

3大スポーツその3.「格闘技」

 3大スポーツの最後の一つは、バスケットボールでも、アメフトでもなく「格闘技」です。

この時代、格闘技全盛期と言っても過言では無いほど、盛り上がっていました。

特に人気があったのは、高田総長が率いる〝PRIDE〟シリーズ。

アントニオ猪木さんが率いる猪木ボンバイエもPRIDEと並んで人気がありました。

格闘技のお客さまの特徴は、全員男性である事です。

試合が白熱するたび、選手が出血すればするほどビールが売れました。

ペイパービューで約3時間以上行いますが、あっという間でした。

選手入場の盛り上がりや、試合が動く瞬間など、サッカーや野球にはない殺気だった緊迫感はまさに一体感を生む瞬間でした。

 以上が、ケイタズバーでの3大スポーツになります。

細かなエピソードは後述するとして、それぞれ客層や観戦の姿勢に特徴があり、見ていて大変興味深かったです。

最後になりますが、時代を盛り上げていただいた阪神タイガース元監督の星野仙一さん、ありがとうございました。

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