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マネージャーの4つの気づき(前編)

 毎日の生活の中でふと「◯◯って大事だな」と思ったことありませんか?私はこの気づきをとても大切にしています。なぜなら、それこそが、教室では教えてくれない自身の経験・体験から気づいたことだからです。

経験から得た4つの気づき



 実業団のマネージャーを経験して、気づいたことが4つありますのでまずはご紹介します。

・向上心を持つ
・共感の気持ちを持つ
・人間力を高める
・感性を磨く

の4つです。

それぞれを、エピソードに沿って説明させていただきます。

「向上心を持つ」


 これはある社外スタッフの〝思い〟に基づいています。

スーパーカンガルーズには、ウエイトトレーニングを指導していただく専門のトレーナーさんがいました。

その方は、バスケットボールの経験はなく、ボディービルダーです。

ある日、その方が私に「鈴木さん、私の夢は日本代表全員をスーパーカンガルーズで占めることなんです。」とお話しされました。

私は正直、(代表全員が同じチームから⁉︎何を言っているんだろう)と思っていました。

しかし、考えるとトレーニングの目的の一つは、自分の身体と心持ちを変えることです。

それぐらいの高い目標を持ち、自分を変えるために、発想を変えたり、時間を工夫したり、食事に気を使ったり、効率的なトレーニング方法を構築したりと常に向上心を持って取り組むことで現状を打破し、進化できるのです。

そして、自分を変えることにより自信が生まれ、チームも変わります

私は、このトレーナーさんの〝向上心〟に感心し、(何を言っているんだ、無理だよ)と思うのではなく、目標を高く持ってチャレンジしてみることにしました。

ここに、気づいた時、向上心を持つことは大事だなあと感じたのでした。

余談ですが、マネージャーの私自身が体を鍛えることに興味を持ったのも、このトレーナーさんの一言です。

「鈴木さんも鍛えましょう!選手をスカウトする時にそんな細い腕では、選手を引っ張ってこれませんよ!

冗談半分でしたが、トレーニングを始めてみると、確かに身体以外にも変化が生じました。

仕事にも積極的になれて、いい成果が出せました。

トレーニングする時間を工夫する効率的な時間の管理もできるようになりました。

トレーニングの最大の効果はこの、結果につながるまでの工程の部分、すなわち〝飽くなき向上心を持つこと〟だと体感しました。

「共感の気持ちを持つ」


 スーパーカンガルーズにも、苦しいシーズンがありました。

ある試合に負け、試合後のロッカーも重苦しい雰囲気でした。

連敗が続き、試合に出ない選手には少し諦めムードがあり、どこか冷めた空気が入り混じったロッカールームでした。

すると、普段は明るくムードメーカーの外国籍選手のJ選手が、突然立ち上がって、涙を流しながらスピーチを始めたのです。

もちろん英語なので、ほとんどの選手は何を言っているのかわからず、キョトンとしていましたが、その選手はお構いなしに、自分の思いをなりふり構わずチームに訴えました。

その内容は、〝オレは悔しい、チームは悔しくないのか!このままでいいのか!〟という内容だったと思います。

その瞬間、皆何か打たれたような気づきがあり、チームの雰囲気は一変しました。

スピーチの内容はわからなくても、その人の思いが伝わったのです。

勇気を出してスピーチした選手の思いが、チームの共感を呼んだのです。

その日からチームは、目の色が変わったように練習に取り組み、リーグ終盤、脅威的な追い上げを見せました。

優勝はできませんでしたが、あのスピーチが無かったら、対戦相手にもファンにも思いの伝わらない、無意味なシーズンで終わってしまっていたと思います。

共感の気持ちの大切さを知ったシーズンでした。

その経験から、いろいろな場面、特に意見が対立する場面でも、〝共感してみよう〟と相手の立場を考えることができるようになりました。

そこから建設的なアイディアが生まれたり、理解してもらったりすることが増えました。

〝共感〟の気持ちを持つことは、頑固で生意気な私にとってはすごく大事なことと気づくことができました。

前編は以上です。後編では、「人間力を高める」と「感性を磨く」についてお伝えします。

皆さんに読んでいただいているこのnote〝マネージャー編〟もいよいよ終盤に近づいてきました。最初は、「マネージャーの仕事、存在を理解して欲しい」という思いからでしたが、振り返ると自分の失敗から得たものや他人から学んだこと、〝ライフスキル〟になっていました。ということは、マネージャーという肩書きはあるものの、経験の差はあれど、人は皆、自分の人生をマネジメントするマネージャーだということでしょうか。

次回も最後までご拝読いただけると有り難いです。


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