見出し画像

同期のさくら

 前回は夏合宿について書きました。今回は多くの同級生の中から、主将と副主将としてチームを支えてくれた二人を紹介したいと思います。

同じ釜の飯を食べる

 「同じ釜の飯を食べる」と言います。私は苦楽を共にした仲間は、大切な宝だと思っています。その理由は、多くの困難を乗り越える過程や、目標を達成したよろこびを共有することは、その後の生きる糧になっているからです。
 
 N体大バスケ部は1軍と学生スタッフが寮生活を送っていて、まさに全員で同じ大釜の飯を食べていました。50名ほどが狭い空間で生活するため、それは毎日いろいろあります。悔し涙を流した夜もあります。自信をなくして、逃げ出したくなったこともあります。そんな時に励ましてくれたり、叱ってくれたりしたのは、同じ釜の飯を食べた同級生でした。

〝強気なリーダー“三宅キャプテン

 主将(キャプテン)の三宅学君は、中学時代から全国を制したスーパースター。高校は、神奈川県の強豪校、あの「スラムダンク」のモデル校と噂されるS工大附属高校(現在はS南工科大附属)です。ポジションはポイントガードで、卒業後はN本鋼管(現在はNKK)の主力として活躍しました。日本代表にも選ばれ、数々の国際大会にも出場しています。所属していた実業団が廃部の時には、M下電器に移籍、共に日本リーグを戦ったこともあります。

 彼はとにかくリーダーシップがあり、思ったことを口にできる強い意思を持っています。練習にも黙々と取り組み、「俺たちは、どの大学よりも練習している。負けるわけにはいかない。」とチームを鼓舞してくれました。最終的には、無敗で優勝し、MVPに輝くんですが、まるで自分のことのように嬉しかったのを覚えています。
 私が下級生の時、情けないことに「合宿所の生活に耐えられない、辞めたい」と弱音を吐いたことがあります。そんな時に彼は、「辛いのは今だけだ、我慢しよう」と励ましてくれました。あの一言がなかったら、大学から逃げ出していたかも知れません。

〝不屈の男”永野副キャプテン

 副主将(副キャプテン)は、北海道出身の永野達矢君です。「北海道で永野」といえば、名門T海第四高校(現在はT海大札幌)の永野元監督を指しますが、その永野監督の息子さんです。彼が高校時代は「父子鷹」として専門誌に大きく取り上げられました。(私の高校恩師と永野監督も、N体大同級生という不思議な縁でもあります。)親子二代でN体大というのも凄いことですが、この春、永野君の息子さんもN体大に入学し、三代に渡ってN体大!しかしながら、彼の凄いところは、あのN体大の猛練習を4年間、一度も休まなかったことです。恐らく長い歴史の中でも、彼だけだと思います。
 彼とは冗談もいっぱい言い合いましたが、助けられたこともたくさんあります。先輩とトラブルを起こしてしまい、塞ぎ込んでいる時には、「大丈夫か?」と声をかけてくれました。私は悔しかったので見栄を張って背中を向けましたが、実は涙を見せたくなかったのが本当の理由です。

 2人とも、今は指導者として頑張っています。三宅君は、地元神奈川県の私学高校でバスケットボールを指導し、全国大会まであと一歩というところまで来ました。永野君は、札幌Yの手高校など私学が優勢な北海道の女子バスケ界で公立高校を指導し、すでに全国大会に出場しています。

全国で活躍する仲間たち

 もちろん、同期はこの2人だけではありません。バスケ部を指導し、全国大会に出場している仲間もいます。中学校を指導し、選抜チームの監督をしている仲間もいます。大学を指導したり、県の体育連盟の要職についている仲間もいます。みんな個性的で素晴らしい仲間です。私は本当に仲間に恵まれました。そして、仲間が頑張ることで、自分も頑張ることができます。このようにお互いを高め合う仲間はまさに宝です。
 いくらITが発展しようと、このような人と人の繋がりは、ロボットにはわかんねえだろうなぁというのが、今回の強引なまとめです。

 今回も最後までお付き合いいただきありがとうございます。今回は三宅君と永野君の了承を得て、実名で紹介させていただきました。
 全国の同級生に、この場をお借りして一言「みんなコロナ禍大変だけど、頑張ろう!落ち着いたら思い出話をアテにお酒飲もう!」

 次回からは、実業団時代をお伝えしたいと思います。どれだけ深くお伝えできるかわかりませんが、ぜひ、お付き合いいただければ幸いです。

#同期のさくら #同じ釜の飯を食べた仲間 #仲間の頑張りが励み #苦楽を共に

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?