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外国人選手との絆③

3人目は、ジメール・マルチネス選手です。
(通称:ジミー)

ファイナル4プレーヤー加入

 名門ケンタッキー大学出身です!
NCAAトーナメントファイナル4で優勝したデューク大学と大接戦をした時のメンバーです!
しかも、コーチリック・ピティーノ直々の推薦選手でした。

203センチありましたが、シュート、特に3ポイントが得意で、苦しい場面でも飄々とシュートを決める度胸ある選手でした。

日本にシューズがない!

 彼はとにかく手が長く、足がデカい!
足がデカすぎて、階段は足を横向きにしないと登り下りできません。
40センチぐらいあって、日本にはシューズが無い!毎回、アメリカからお取り寄せ、スポーツ店泣かせの選手でした。

ジミーのルーツは少し複雑で、父親がキューバ、母親が確か中東だったと思います。マイアミの貧しい地域で育ち、バスケットボールでアメリカンドリームを掴んだ選手ともいえるでしょう。

奥様は元チアリーダー

 性格は明るく温厚で、チアリーダーだった奥さんと二人で日本にやってきました。

来日した年は、北海道で合宿をしました。

合宿のある日、練習が終わり体育館から移動バスに向かっていました。体育館施設は地域のスポーツセンターのようになっていて、隣がゲートボール場でした。

何気なくゲートボール場を見ると、ナント!
ジミーの奥さんが、地元のお年寄りに交じってゲートボールをしているではありませんか!

さすが、元チアリーダー!持ち前の笑顔で、地元のお年寄りの中ではすでに人気者でした。

そんな明るい2人は、すぐにチームに溶け込み、ジミーも実力を遺憾なく発揮してくれました。

ケンタッキー大が控えに

 ジミー1年目は、外国人選手オンザコート1名に戻った年でした。ジミーは控えでしたが、不平不満は一言も言わず、チームにためにプレーし、ベンチを盛り上げてくれました。

 彼はNCAAの大舞台を経験しているので、いつも冷静です。
ある試合のことです。残り10秒で同点、緊迫した場面でタイムアウトをとりました。最後の作戦を確認し、ハドルがとけたその時です。

私は、慌てていたのか「10 セカンズ!(あと10秒!)」と言わなければいけないところを、「10ミニッツ!(あと10分!)」と叫んでしまったのです。〝?〟一瞬、空気が止まりました。

すると、ジミーが、「ケ〜イタ〜、10セカンズネ!」とにやけながらチッチッチのジェスチャーをしたのです。

緊迫していた空気は一転、皆、クスクス笑い出しました。これでリラックスしたのが良かったのか、無事に勝利を収めることができました。
試合後、チームから思い切り冷やかされました。
勝って嬉しく、そして、恥ずかしい思い出です。

そしてこの年、念願の二冠(天皇杯・日本リーグ制覇)を達成しました。

ジミーのトレードマークは口髭
(写真は創部50周年記念誌より)
 
 ジミーは現在、オハイオ州で奥さんの実家の仕事を手伝っています。

今回も、最後までご拝読ありがとうございました。

#名門ケンタッキー大学出身 #足のサイズが40センチ #手が長いと得 #NCAAファイナル4 #リックピティーノの教え子 #髭がトレードマーク


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