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大舞台を夢見る狐の挑戦 その頂に何を見る【Σリーグ参加者トーナメント・決勝卓観戦記】 

Σリーグ。
麻雀・配信レベルとも高く、ネット麻雀のチーム戦において最高峰の私設リーグだと思う。応募者も毎期150人を優に超え、鉄強の実力者から人気配信者、はたまた将来有望な育成枠とバラエティに富む。ドラフト会議を経て作られた12チームはそれぞれの色が出てエンタメとしてもとても面白く、個人的に記者として活動できることはとても光栄である。 

3期目の開催となるΣリーグ、選手ドラフトは5/5(日)に開催される。リーグにかつて在籍していた選手はもちろん、新規の選手にも門戸は開かれている。しかしながら約半年間一緒にチームメイトとして戦っていくにあたり、特に新規応募選手は人柄・麻雀とも積極的に露出してリーダーに知ってもらう機会は限られている。

今回非公式大会「Σリーグ参加者トーナメント」という形でその舞台を用意してくれたのは、第2期Σリーグ“てんぱねすくりゅ〜”に所属し、第3期Σリーグにも応募中の実力・人気を兼ね備えたVTuber・獅子ヶ谷フレアさん。
52名の応募のうち、抽選を乗り越えた以下の32名(敬称略)によるトーナメントで自分の麻雀を遺憾無く見せつけていただこう。

決勝卓は以下の4選手による戦いとなった。

東家 雀豪2 toto831選手
南家 雀豪1 shall1選手
西家 魂天Lv.3 もろみ〜選手
北家 雀傑3 ソムノ選手 

なお本大会は持ち時間以外は段位戦ルール準拠(飛びあり、和了やめあり、切り上げ満貫なしなど)となっている。


東1局

親のtoto831選手がドラ白・中トイツに発1枚と三元役がはっきり見える配牌をもらう。中から仕掛けて発を切っても満貫のイーシャンテン。

夢がある配牌

対抗は赤赤のshall1選手。手なりに進めて4枚目の6sも組み込み、先制リーチに辿り着く! 

イーシャンテン止まりのtoto831選手を尻目に、そのまま一発ツモ!

shall1選手のマンガンツモで幕を開ける。


東2局

ソムノ選手の配牌に煌めく3枚のドラ発。チャンス手だ! 

絶対に和了したい!

2巡目に1mをポンしてターツ選択。

トイトイ残すかマンガン効率MAXか…

ソムノ選手は打4sを選択。
3s受け入れを犠牲にする代わりに、4s先切りによる78pを鳴いた時の2sによるトイトイ和了率を上げた選択だ。
すでに満貫が確定しているため最終形必ず両面待ちとなる打7p、トイトイや3s受け入れをすべて残す打5sなどが考えられるが、トイトイ効率を優先し最高打点で決めたいという意思が見える。 

記者も考えはするが打てなさそう。

直後に8pが鳴けて、盲点の2s待ちが残った! 

これで2sロンできたら2巡目に4sを切った甲斐があるというもの。

ポン2組に両面落としとあって迫力ある仕掛け。
親のshall1選手、もろみ〜選手は対応を余儀なくされる。 

toto831選手に終盤メンホンチートイの聴牌が入るが、勝ったのはソムノ選手。
山に2枚残っていた7pをツモ!
トップ目のshall1選手に親被りをさせ、トップ目に立つ。 

▲もろみ〜選手のチートイツ粘り手順、shall1選手のドラ発を抱えた押し引き手順にも注目!


東3局

この局はもろみ〜選手がスキのない手組みを見せる。
リーチは打てそうだがドラがないため、孤立牌比較で1pを残し、三色をギリギリまで追う。 

1pにくっつけば6p5sと落としつつ自然に三色が見える。
やや苦しいものの自然に追える範囲では逃さない。

対抗はshall1選手、発を仕掛けて受け被りながら1シャンテン。ドラドラ入れば7700まで見込める。 

8p待ちはよく見えるが最大7700見える手順を放棄するには割に合わず、記者も7p切りそう。

しかしツモが伸びたのはもろみ〜選手、14m待ちの平和・ドラ1で9巡目に先制リーチ!

リーチに至るまでの手順は基本に忠実な手組みであり、お手本のような手順である。

shall1選手も1sをチーして無筋5pを勝負し、ドラ4s待ちの3900点の聴牌を入れる。 

良い押し返し。 

この局は3番目に一盃口で聴牌して親リーチの現物7s待ちでダマテンを入れていたtoto831選手が粘って1mを勝負しもろみ〜選手の和了。裏が1枚乗って11600点の大きな加点となった。 

裏1大きい!


東3局1本場

上位3選手が接戦となる中、toto831選手の持ち点が6400点となった。3着目のshall1選手も8000点以上をtoto831選手に直撃したらその場でトップ終了である。終了条件を少し意識するか。

この局仕掛けたのは親のもろみ〜選手。愚形だらけで間に合わないとみて2巡目の2mポンから発進する。 

声が出ない人も多そう。記者は自信がない。
ドラ使えれば5800であり、門前では間に合わない判断。 

一方トップ目のソムノ選手の手は愚形が多いもののタンヤオによる満貫がくっきり見える手。
6巡目で2sか4pを切ればイーシャンテンだが、打8mとして取らず、より好形を求めていく。

2sは4sのフォロー、2344pの形は4pくっつきにも亜両面にも使える。
焦っておらず、とても良いシャンテン戻しに思える。

この手組みにツモが応え、すぐに4枚目のドラ5sを引き、選択がばっちりハマる。

123456p23456s引きでより良いイーシャンテンにすぐ戻れるのが打8mとしたときのメリット。
47mを引いても広いイーシャンテンに戻せる。

9巡目に切られた6sをチーして47m待ちのタンヤオ・ドラ5聴牌を入れる。
この辺は間違えない。 

細かいが赤を晒さず大物手を隠した引き出しにも注目したい!
(※麻雀好きはそういうとこ見てます) 

この危険極まりない12000に飛び込んだのはtoto831選手!
1副露では止まらないか。 

優勝を決める12000

これでtoto831選手の飛び終了となった。
実に4局しかないスピードバトルを制したのはソムノ(其夢乃コト)選手!
運にも恵まれたが、超高打点を見た手組みはΣリーグドラフトに大きなアピールとなったか。
決勝自体は短かったが、2回戦では配信卓で取り上げられており、解説にも玄人感たっぷりと褒められている。そちらもチェックだ。


試合後インタビューコメント(優勝者のみ)

ー優勝おめでとうございます。大会の感想を教えてください。
其夢乃コトです。
これまであまりこういった催しに参加してこなかったこともあり、多くの方ははじめましてかと思います。
初戦、良い麻雀を打とうとする意識が緊張になっていたのか、どうにもふるわず敗色濃厚のままラス親を迎えました。 私は見ている方の印象に残したものがあっただろうか。なかったはずだ。このままでは何も残せずに終わってしまう。せっかくの機会にそれはあまりにも寂しい……手遅れかもしれないけれど、せめてここからでも自分らしく打とうと覚悟を決めました。
そこからは幸運にも恵まれ、結果にまで結びついたことに喜びと驚きで胸がいっぱいです。ありがとうございました!

ードラフトに向けての意気込みを教えてください。
近年、受け入れ効率やシャンテン数を重視したデジタルな打ち方が主流となっているのは存じています。 私もそうあろうと勉強していますが、今大会の私の戦い方は……おそらくそれに反するものだったことと思います。
ときどき無茶な夢を追ってみたり、こうしたら/こうなったら 嬉しい!/面白い! と楽しさを求める麻雀。 そしてその夢が叶うこともあります。 デジタルとアナログ、排他ではなく使い分けることができる引き出しにできればいいなと思っています。
まだまだ勉強中の身ではありますが、そんな夢を見る狐はいかがでしょうか?

この試合の牌譜URLはこちら!


あとがき

この試合は決勝戦以外にも多々見所があり、優勝したソムノ選手をはじめ多数の選手が1回戦から随所に素晴らしいプレーを見せてくれた。
ぜひ下記のアーカイブで試合を振り返ってみてはいかがだろうか。
特にリーダーの皆様においては、これまで知らなかった人を知るきっかけになるかもしれない。 

この試合の本配信はこちら!
(決勝卓は2:21:00ごろ〜) 

主催の獅子ヶ谷フレアさん、解説のうめちゃんさん、出場選手の皆様に多大なる感謝と多いなる敬意を込めて、本観戦記を締めさせていただく。
(記・keitaさん)

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