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KEITAの論文備忘録~第2章~監査論

それではダイジェストを始めて行きたいと思います。

成績(模試)
模試① 第1問  B  第2問  B  →総合 C
模試② 第1問  A  第2問  D  →総合  C

初めて答練を解いたときの印象

結論から言いますと、「論文の勉強しなくても、短答の知識でなんとなくでも書けるな。」という印象です。
しかし、後々この印象が最初にして最大の落とし穴になるんですけどね。(笑)
本試験もそうだったんですけど、「当たり前のこと」が問われてる問題もあります。今回の本試験の第1問の問題2とかは監査論の枠組みをそこそこ理解していればそういうことだよねってなります。その意味でこのような印象になりました。

勉強の流れ


1月〜3月:論文補完講義と論対レジュメの加工 
4月〜8月:論対レジュメの暗記

最初は論文補完講義といって、短答対策講義を受講していた人用の計5回のアウトプット講義を受けました。この講義では過去問をいくつかピックアップして、本試験の問題を解く上で必要な視点や考え方を学ぶというものです。その後は短答対策レジュメを引き続き使いながら、各々で勉強していこうねという方針です。

この講義を受講した後に感じたのは、「短答対策レジュメをそのまま使うと、短答用の細かい論点に目が行って効率が悪い。」ということです。したがって、僕は論文対策レジュメを1から加工していく作業を1月から3月にかけて行いました。

この際に論文対策講義(論文過年度生用のインプットとアウトプットを並行して行う講義)の受講を考えたのですが、その当時はバイトをしていたために時間的な制約から受講しないという選択をしました。
4月から本番までは、加工した論文対策レジュメの回転(暗記)に努めました。

本試験の手応え

まあ一言で言うと、「最悪」ですね。(笑)
第2問の難易度から言って、今年の肝は第1問にあると思いますが、その第1問すらまともに書くことが出来ませんでした。(笑)

しかも、今回の第1問は典型度の高い問題が多く、「取るべき問題」は非常に多かったと言えます。その中で3問ほど盛大に論ずれをしていたり、監基報を2行ほどそのまま写すだけの問題を間違えたりしてしまいました。

監査論は第1問が理論問題、第2問が事例問題という構成になっています。第1問は模試や答練の結果をみてわかる通り、比較的安定していて僕の中で監査論の命綱とも言えるものです。

結果的に合格で、足切ってなかったみたいで本当にホッとしております。しかしこの反省は是非、後世にお伝えしたいです。

本試験の出来を左右した勉強

では勉強のやり方の中で、何が悪かったのかについて書きます。
それは論文対策講義等を受講して理解の強化をしていないことにあると思います。

今年の論文本試験の問題とそれに対する2つの解答を用いて、少し詳しく説明させてください。

問題:監査人は財務諸表全体レベル及びアサーションレベルで重要な虚偽表示を識別し評価することが求められている。財務諸表全体レベルで重要な虚偽表示リスクを識別し評価することが求められている理由を説明しなさい。
(令和4年公認会計士論文式試験 監査論 第1問 問題1 問1)

解答①
監査人の意見は通常、財務諸表全体に及ぶものである。また、虚偽表示にはアサーションレベルでは重要ではないと判断されても、財務諸表全体レベルにおいては重要であると判断されるものがあり、そういった虚偽表示を看過しないようにするために財務諸表全体レベルで重要な虚偽表示リスクを識別し評価することが求められる。

解答②
監査人は、自らの関心を特定の財務諸表項目に狭めることなく、財務諸表に重要な虚偽表示をもたらす要因の検討を十分に行えるようにするために、財務諸表全体レベルの重要な虚偽表示リスクのような、虚偽表示が発生する可能性を特定のアサーションに関連付けられないリスクを識別し評価することが求められる。


いま、ここに本試験の問題と2つの解答を用意しました。ちなみに2つの解答のうち1つは『0点』の解答です。


もし2つの解答を読んでみて、どっちかの解答のどこがおかしいかを指摘できた方は先ほど申し上げた理解については問題なく、「全体像と各論の繋がりを正確に抑えること」が出来ている方なので、これ以降は読まなくても大丈夫かと思います。


少し考えてみてもらえますか。。。


少し解説しますと、問題文から書くべきことは『財務諸表全体レベルで重要な虚偽表示リスクを「識別し評価」することが求められている理由』です。「識別し評価する」と書いてあるので、『リスク評価』の論点なんですよね。


どうでしょうか。。。



答えは、、、


解答①は、僕の解答で、『重要性の判断』の論点を書いているため論ズレで『0点』です。
解答②は、CPAの解答速報から引用したもので、『リスク評価』の論点で書いています。改定前文の文言を用いて書いています。

ちなみに解答①は嘘を書いているわけではないです、しかし、論点ズレのため『0点』なんですよね。

そして、一見、問いに対する答えになっているようにも見えます。

僕がこの解答を書くまでに至った経緯は、
 『これ改定前文を書けば良いやつじゃ、、、』
⇒『待て。簡単すぎないか。。。』
⇒『そうだ!そんな簡単なわけない!』
⇒『レジュメの言葉を組み合わせて。。。』
⇒『「監査人の意見は、、、」』
というような流れです。


もう、何も理解できてないことが本試験で証明されてしまいましたね。。。

監査についての理解を深めて、全体像と各論の繋がりをしっかり抑えていれば、問題文から問われている論点を明確にして正確に論証を脳内検索でき、レジュメの言葉を組み合わせて書こうにも、不要な文言はブロックできるため、この論ズレを防ぐことが出来たと思います。

僕が思ったのは、監査論は『監査』という大きな枠組み中で各論があるため、理解の弱さに基づく論ズレは起きやすいです。

一方で、財務理論などの理論科目は、大きな枠組みの中でも小さな枠組み(税効果、退職給付、リース、、、)の中で各論があるため、監査論よりも相対的に論ズレが起きにくいと言えます。なので財務理論は論証ガチ暗記で良いという人も中にはいます。めちゃくちゃ極端な例ですが、退職給付の問題で税効果の論証を吐き出す人いません。その意味で論ズレは起きにくいですよね。

故に、監査論は他の科目よりもとりわけ『正確な理解』がめちゃくちゃ重要だなと思いました。そのため、論文対策講義等で理解の強化というのは、とても大事だなと考えました。

おまけ1:暗記による負のスパイラル

僕はインプットの講義を受け直さずに4月から論証の暗記をしましたが、その結果、理解の弱さを補強することができなかったです。

それは、暗記によって点数が地味に上がっていたことも1つ原因だったのかなとも思います。

『暗記する⇒キーワードがそこそこ書ける⇒そこに点が付く⇒第一問の判定が良くなる⇒監査伸びてきた?⇒勉強の仕方間違っていないな。。。⇒暗記を継続』

まさしく、題名にある通り、負のスパイラルでしたね。笑

データとして直答①から③を見てもらえるとわかると思います。第1問の判定が良くなってますよね。

もし、これを読まれている方がいれば、反面教師にして欲しいです。絶対にこのスパイラルにはまらないで欲しいと思います!

念のため、負のスパイラルにハマっていないかをチェックする方法を自分なりに考えたので、「自分がそうなってないか不安だな」という方は参考にしてみてください。

その方法は、『事例問題の成績を見る。』ということです。
僕の答練の成績を見るとわかるんですけど、「事例ポンコツ」なんですよね。事例はやっぱり監査論の理解度が反映されやすいので、もし気になる方は事例問題の判定を見て判断するのが良いかなと思いました。

おまけ2:論文監査の点数が高い人の共通点

以前、監査論の点数が安定しない際に、ツイ校合格者の中で監査論の点数(論文本試験の偏差値)が高かった人に「コツ」を聞いて回っていました。その際に気づいたある共通点があったので、紹介させてください。

その共通点は、「できるだけ監基報の言葉を使って解答する。」ということです。

しかしながら、実際に本試験を受けてみて思ったのは、本試験1発目の監査論で監基報を使って解答するのはかなり大変だと思いました。監基報を上手く使うぞとは思っていたもの、緊張感からなかなか上手く監基報を引くことができなかったです。

したがって、かなり訓練しておく必要があると感じました。
「監基報を引いて必要な文言を探すのにどれくらいの時間を充てると、書く時間や情報整理の時間を含めて時間内に収まるのか。」ということや、「監基報の位置付けの把握しておく。(よく使う表現は場所を覚えておく。)」というのを自分の中の感覚として身につけて磨いておくと、最高だったのかなと思いました。
そのために、普段レジュメやテキストを回転する際には、監基報を引く癖を付けておく必要があるなと思いました。また、答練でも積極的に引きに行く練習をするのがオススメです。







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