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愛してる

2022.06.12
CRYAMY ONEMAN TOUR 2022
「売上総取」Final @東京キネマ倶楽部

CRYAMYを知ったのは2年ほど前。
中学時代の友人から「なんかすごいのいる」
そんな紹介で見たのが月面旅行のMVだ。

曲長すぎ、ギター投げ捨てる、何だそのジャージ。でもなぜか聞き入ってしまった。
他の動画漁ってみたら、血だらけでギター弾いてたり、歌詞がデカすぎて画面からはみ出てたりともうめちゃくちゃである。
それでも段々と惹かれていき、ライブハウスへ。岐阜に住んでた時は池下UPSETによく見に行ってたな。てかCRYAMYそこにしか来ない。
月日流れ大学院の修論が終わり、迎えた建国記念の日。「建国物語・〆『建国』」をわざわざ岐阜から恵比寿へ飛んで友人と見に行った。ボッコボコにやられた。同時に売上総取の発表もあったが、富山就職と日程的にどれも行けるものではなく、大いに悩んだ。考えた結果、ツアーファイナルだけでも見届けようと思って東京キネマ倶楽部のチケットを買い、はるばる富山から鶯谷へ来た。

ツアーファイナルを迎えるまでCRYAMYは一度も見れず、自分の中のCRYAMYは建国記念の日で止まっていた。

迎えた2022.06.12。上野で友人と合流。アイスコーヒーを飲みながら鶯谷まで歩いた。友人は3ヶ所周りツアーファイナルらしい。軽く「ツアーのCRYAMYどうよ」って聞くとどうやらパワーアップしてることは分かった。
アンダーグラウンドな街「鶯谷」。ラブホテルが立ち並び、駅では風俗嬢が待ち合わせしている。とても令和とは思えない雰囲気が漂う。そんな街に東京キネマ倶楽部がある。昭和の雰囲気を醸し出し、とてもライブハウスとは思えなかった。

そして開場。エレベーターで受付行くのなんて初めてだ。着くとそこには映画のようなタイムスリップしたようなフロアが現れた。

定刻過ぎ、メンバーがSEなしで入ってくる。
カワノの「はじめまして。」を皮切りに「マリア」が始まる。
「死ね。死ね。死ね。」
と叫び続ける。会場の雰囲気は完全にCRYAMYだけのもの。誰にも邪魔されない。続く曲は廃盤から「Vinegar」。SoundCloudでしか聞けなかった曲をこんなとこで持ってきた。呆然とする自分に畳み掛けてきた「crybaby」。ノンストップで一瞬で駆け抜けていく。そこから繋いだのは「戦争」。red albumの中で一番好きな曲だから嬉しい。
MCも無しで8曲目のsonic popまで突き進む。曲の繋ぎ、アレンジ、演奏力全てが今までのCRYAMYと違っていた。
ここからは比較的落ち着いた曲が続いた。新譜の「悲しいロック」から「正常位」のギター聞こえてきた時、嘘でしょ!?ってなった。
「E.B.T.R」の重低音のイントロがフロアに響き、「ALISA」の優しいギターが鳴る。新譜の曲達はツアーを通して洗練されてきたのだろう。レア曲「兄弟」、初期曲「物臭」に心の奥底が湧いた。#4の最後の曲「待月」が演奏される。
「優しいあなたを守ってあげる」
CRYAMYは自分達の味方だ。カワノがアウトロで叫び続ける。荒々しいけれどもなぜこんなにも優しい。

ここで初めてのMC。
「ステージに立っている時だけは自分を天使だと思ってる。色んなバンドがステージで『愛してる』って言ってきた。だけど俺は天使だから目の前にいる人を『愛してあげないといけない』」。
こんなにも真っ直ぐに「愛」について語るとは驚いた。一人一人を「愛してあげないといけない」という思いを直接ぶつけてきた。
そして本編最後の曲「WASTER」。
「当たり前に愛してるよ」
「『君のために生きる』と言う」
先程語った「愛」を体現するかのように叫び、歌う。痛いほどに思いが伝わってきた。
轟音鳴り響くまま、本編が終わった。

そしてアンコール。MCをしてくれた。抜粋と記憶だけれどもカワノはこんなことを言っていた。
「ちゃんと目の前にいる人に『愛してる』ってことを伝えていきたいと思ってる。だから俺はこのツアーでは始める前に『はじめまして』って必ず言ってるんだけど、それは今までに会ってきた、見てきた俺とは違うからそう言ってる。」
最初に「はじめまして」って言った意味がやっと分かった。アンコールでは3曲「まほろば」「鼻で笑うぜ」「普通」を連続して演奏した。
「鼻で笑うぜ」の
「でもね、君がそばに居て良かったって思うよ」
「でもね、君が生きていて良かったって思うよ」
のフレーズがより一層優しく聞こえた気がした。

アンコールが終わっても拍手が鳴り止まない。そしてドラムのオオモリさんだけが出てきた。なんだろう?と思ったらドラムソロで叩き始める。そこからベースのタカハシさん、ギターのレイさんが現れ、そこに合わせていく。最後にカワノが出てきて始まったのは「テリトリアル」。
意味わからんくらいカッコいい始まり方と演奏で完全に持っていかれた。

最後の最後に「世界」。
これで終わるのがCRYAMYだと思う。
「誰にも愛されなくたって あなたが生きててほしい あなたが」
「あなた」をひたすらに叫び続けるカワノ。一人一人に叫んでいるのが伝わってくる。こちらも全力で受け止めている。間奏では聞いたことのないアレンジも入り、今までの「世界」で一番だった。

2時間じっくりとCRYAMYと向き合った。建国記念の日のCRYAMYとは比べ物にならないくらい進化していた。完全にCRYAMY第二章が始まっていた。ここからCRYAMYはどうなってしまうんだ?と思うくらいにこてんぱんにされた。今回の「テリトリアル」と「世界」があまりにもヤバすぎて今後これを超えられるのか?と思った。終演後、ツアー回ってきた友人と話して泣いた。「な?来て良かっただろ?」と言われ、全くその通りだった。自分が富山から鶯谷まで来てしまうバカで本当に良かった。

セットリスト
1.マリア
2. Vinegar
3. crybaby
4.戦争
5. Pink
6.スカマ
7.変身
8. sonic pop
9. HAVEN
10.ディレイ
11.くらし
12.悲しいロック
13.正常位
14.ギロチン
15.E.B.T.R
16. ALISA
17.兄弟
18.物臭
19.待月
20. WASTAR
アンコール
21.まほろば
22.鼻で笑うぜ
23.普通
ダブルアンコール
24.テリトリアル
25.世界







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