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なぜ弾き語りを続けるのか

2022年秋の弾き語りツアーが終了しました。今回は10周年と、12月にリリースになる新しいアルバムと、両方を自分の中で感じながらのツアー。全国15本、来てくれたみんな、各会場、手伝ってくれた友人、そして一緒にやってくれたみなさん、ありがとうございました。

今までの繋がりと、新しい出会いと、ツアーがやめられない理由がやっぱりあって、10年どころかRiddim Saunter時代から約20年続けていることなんで、もはやこれは僕の人生なんだなと、ツアー中に40歳を迎えたせいもあってか、そんなことを今思うのです。ケーキで祝ってくれた会場や友人、一声かけてくれたみんな、メッセージも、本当にありがとう!

で、さらに言うと、なぜ作っている音楽は弾き語りではないのに、こうして弾き語りのツアーを続けるのか、そのことも強烈に感じたツアーとなりました。それは紛れもなく、人と人との繋がりをより感じられるからなんだろうなと。僕と聴いてくれてる人ひとり。僕と会場の人ひとり。僕と手伝ってくれる友人ひとり。そして、一緒に旅をしてくれたミュージシャンひとり。そのひとりとの繋がりをより濃く感じられるのが弾き語りを続ける理由です。

バンド編成でのツアーは、それはそれではやめられない理由がしっかりあるんだけど、その話はまた別のときに。リリースパーティーの後にでも。

今は今回の弾き語りツアーの余韻がまだあるから。ちょっとビールを飲みながら、一緒にライブをした人のことなど書いてみようかなと。最初に言っておきますが、失礼があったらすいません。

ツアースタートの滋賀近江八幡と富山射水へは、1st EPをリリースしたばかりの村松拓さんと。何度も観てる拓ちゃんの弾き語りが少しいつもと違うように感じられて、リリースをしてツアーをするってやっぱりそういうことだよなと、まだレコーディング中だった僕はさらにスイッチを入れることができたのでした。正直で、ちょっと危なっかしくて、でもあの声があれば安心できて、同い年にこんな刺激的な男がいることを嬉しく思います。ちなみに、拓ちゃんが作詞作曲してくれた「青のサーカス」もニューアルバム『Chase After』に収録されています。お楽しみに。

少し空いて、レコーディングを終えたあとに福岡と長崎佐世保に行きました。ここでの相方は荒井岳史さん。年に一度は近況報告も兼ねて音楽旅をしたい先輩。しっかり笑わせてもらったあとの新曲が優しい曲で、頭がバグりそうになってるんだけど、心にはしっかり届くという貴重な経験ができるのが荒井さんのライブ。よく連絡もとるし、一緒にキャンプも行くんですが、やっぱりときどきは音楽旅をお願いしようかなと。もうすでにそう思っているのです。

広島と山口下松へはカジヒデキさんと。ライブでも言いましたが、「カジヒデキとリディムサウンター」での経験がもしなかったとしたら、僕のソロの始まりはもっと遅れていたことは間違いないです。そしてソロミュージシャンとしてはもちろん、音楽やカルチャーと向き合う姿勢も含めて本当に尊敬する先輩のひとりです。カジさんといつ一緒にやっても恥ずかしくないように、これからも精進します。

岡山倉敷はワンマンショー。誘ってもらったライブということもあり、会場のキャパなども考えて、ここはひとりでバシッとやるかと決めたのでした。そのおかげでやれた新曲や、自由な雰囲気があったと思うし、今年は少なかった弾き語りワンマンを、またやっても良いかなと思えた1日でもありました。こんな感じで、気軽に店に誘ってもらえるのも弾き語りの良いところ。全国からのライブオファ、お待ちしています。

島根松江と兵庫豊岡へはホリエアツシさんと行ってきました。日本海側は日本酒が美味しいイメージがあるし、せっかくならホリエさんが最近行けてないところに誘いたいなと。その直感は当たったように思います。ライブは共に重要文化財。僕らもお客さんも旅を楽しみながら、その中に音楽がある感じ。ホリエさんの良いライブに引っ張られ、僕も良いライブができた気がするし、結局その相乗効果がないとやる意味ないよなと。良いライブができてはじめて旅が楽しくなるのが音楽旅。最後に蟹食べて、温泉入って、この2泊3日は完全にそれでした。

今年の夏に一緒にツアーをしたRopesとは、今度は東京のど真ん中、六本木で。先のツアー中に「久々にバンドではなくアコースティックもやりたいね」という話になり、すぐに実行に移したのでした。12月のリリースツアーもあるし、当初はこのタイミングで東京でやる意味を見つけられずにいたけど、Ropesとやれたことで観てくれた人にはその意味も伝わったんじゃないかなと。この10年のなかで僕にとって重要なバンドはたくさんいるけど、間違いなくRopesはそのひとつ。活動のペースも、スタイルも違うけど、とにかくこれからも会いたい2人。

山梨甲府と静岡浜松。富士山の表と表の2つの街にTGMXさんと行ってきました。ソロになり、特に最初の頃は「TWIN SONGS」が、僕にとっての重要な表現の場になっていました。田上さんと共同主催で全国を回って、お互いが弾き語りに慣れていく様は、もう2度とない本当に貴重な経験だったなと。でも何かを始めるという意味では、その繰り返し。「TWIN SONGS」とは別の場所でそれを続けているんだな改めて思ったのでした。高校生時代の憧れの人と、また時が来たら、きっと一緒に音楽旅を。

この弾き語りシリーズ、最後は三重四日市、京都、和歌山へ、松田岳二 a.k.a チャーべさんと。弾き語りでは曲や歌詞の他に、声と、あとは人間力がとても大切だと思っています。おしゃべりな人はしゃべれば良いし、無口な人はボソボソとしゃべるのがまた良いじゃないかと。で、チャーべさんの弾き語りはチャーべさんがモロに出ていて、そこにグッとくるのです。その人にしかできないスタイル、そして優しさと強さ。20年以上一緒にいてもまだ知りたいことがあるので、「L/R」というイベントもまた動かしていきたいと思ってます。

以上、こんな短い文章では紹介しきれないけど、僕から見えたみなさんを共有させてもらいました。僕の「ROOMS」だけではないですが、改めて一緒にやってくれてありがとうございます。引き続き、よろしくお願いします!

最後にひとつ、来てくれたお客さんへはもちろん、この共演者に向けても、僕がまだまだ追い続けていることを伝えられたような気がしていて、この旅を通してそれがしたかったのかなとも思いました。『Chase After』の意味を歌いながら、話しながら伝えていく時間。ここから半年くらいは続けていこうかなと思ってます。

次は12月のリリースツアーで会いましょう!

Big Love


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