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「1番サポートに向いていない人間が、4年間サポートをやりきったお話。」(長谷部真希 トレーナー)

こんばんは、トレーナー4年の長谷部真希です。

引退ブログという大層な仕事を与えられ、色々ありすぎた4年間をどうまとめようかと、これを執筆している今も模索中ですが、なんとか皆さんのいい暇つぶしに付き合えるよう尽力いたします。

私ってこんな人間

さていきなりですが、タイトルにもある通り、私は多分1番サポートに向いていないタイプの人間です。

・基本的に他人に興味がない。自分に関わること以外は全部他人事。
・でも承認欲求はめちゃくちゃ強い。人に褒められたり認められるの大好き。
・あとあまり目立とうとはしないけど実は目立ちたがり屋で、裏方とかはあまり好きではないです。
・加えてコミュ障。人間関係は基本、狭く深くタイプです。

実に面倒くさい女です。

こんな人間にサポートされてきたのか💢と思った選手の皆さん、すみません。

もちろん、この4年間で成長した部分もあると思います。
ただ、根っこの部分は変わらずこんな人間なんです、私。

ではそんな私が、なぜ大学でサポートという利他精神の塊みたいな仕事をやろうと思ったのか。

なぜ、途中で辞めずに最後までやってこれたのか。

そんなお話と、この経験を通して皆さんに伝えたいことを、このnoteでは書き綴ろうと思います。

なんだか長くなりそうですが、どうかお付き合いください。

乗りかかった船

きっかけは、中学からの先輩の勧誘でした。

すでにこの部活でトレーナーをやっていたその先輩に誘われて、練習を見学しにきた時、純粋にこう思いました。

トレーナーって、なんてかっこいいんだろう!!!🤩

先述のとおり、私は承認欲求つよつよなので、選手に走りの相談を受けているトレーナーの先輩の姿を見て、かっこいい!羨ましい!!私もああいう風に人に頼られたい!!!と思いました。

初めて見学した瞬間に多分もう、私はここでトレーナーをやる、と心の中で決めていました。

そうして、私のトレーナー生活は「自らの承認欲求を満たすため」という極めて不純な動機から始まりました。

そんなこんなで無事にトレーナーとして入部し、活動していくうちに、あれ?という感じになります。


サポートきつくね???


まあもう乗りかかった船ですよね。一度自分で始めたことは最後までやりきりたいタイプなので、退部とかいう選択肢はありませんでした。
ただ、トレーナーまたはサポートとは、とってもきついお仕事だということを段々と、ひしひしと、感じていきました。

何度も言いますが、私は基本的に他人に興味がありません。
他人のことなど所詮他人事。自分のことしか気にしていなかったのです。
そんな私が、他人=選手のためだけに努力をするサポートという立場になり、上手くやっていけるわけがありませんでした。

選手が結果を出すのは嬉しいけれど、どこか他人事に感じてしまう。
選手の目標を、自分の目標として考えられない。

今こうして文面にしてみると、すんごいひどいこと言ってるなあと思います。でも、当時のひよっこトレーナーの私は本当にこんな感じでした。

真のサポートってなんだろう

そんな私が変わることが出来たのは、ある恩師の方からの言葉がきっかけでした。

「トレーナーは選手と同じくらいかそれ以上の努力をしなければならない。トレーナーの方から選手に対して学びに行こうとしなさい」

ハッとさせられました。

プロじゃない。資格も持っていない。たった4年間しかトレーナー活動はできない。
そんな中でも、いや、そんな限られた時間の中だからこそ、常に選手の声と向き合い、学ぶ姿勢を忘れるなと。

それまで私が感じていた「自分はサポートに向いていない」というのは、目の前のきついことから逃げるための、ただの言い訳であることに気付かされました。

変わろうとする努力さえ自ら放棄していたのです。


向いてる向いてないとかじゃなく、

やるか、やらないか。


自分に向いてないからとくよくよしている時間があるなら、自分から行動を起こしにいく。

いつまでも受け身のままじゃ、何も変わらないんだなと、この時感じました。

選手の皆は優しいから、どんな受け身のサポートでも「ありがとう」と感謝してくれます。でもそれは、ただの見かけだけのサポートであり、本質的なものではありません。
それはサポートとは言えず、お世話係の仕事と言えます。

真のサポートとは、「選手の隣で、同じ熱量を持って同じ方向を向き、一緒に努力を続けること」なのではないでしょうか。


そのことに気付かされた1年生の私は、やっとそこから少しずつ、慶大競走部の学生トレーナーとして歩み始めました。

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大尊敬するトレーナーの先輩たち!

そうしてまともなサポート精神を持ち始めた私は、トレーナーとして本格始動していくのですが、その後たくさんの壁にぶち当たることになります。

2個上の先輩の引退や、研太朗と2人きりでの選手対応やチーム運営、自らの力不足による怪我の再発、後輩の退部、そして、トレーナーチーム体制の一新。

まあー、きつかった。本当に。

何度も本気で部活を辞めてやろうと思いました。

部活から帰ってきて毎晩家で泣いている時期もありました。

自分たちがやってきたことは、全て間違いだったのかもしれないと、自暴自棄になることもありました。


高校まではのほほんと生きてこれた私でしたが、この部活に入ってからは苦しいことばかりでした。

ここにいる理由

そんな日々を乗り越えて(乗り越えられたのかは微妙ですが)、今でもこの場所に居続ける理由は、

「選手に信頼される存在でありたいから」です。

言葉にすると安直に聞こえてしまいますが、やっぱりこれに尽きるのです。

私の入部理由は、先にも述べた通り、「自らの承認欲求を満たすため」でした。
でも、それは正しいサポート精神とは程遠いもので、利他的なサポートという役割にはそぐわないものでした。
しかし、実際に私がどんなに苦しい時でも、毎日重い腰を持ち上げ部活に行って、トレーナー活動ができたのは、間違いなく選手のみんながいたからでした。

自分を信じて頼ってくれる選手がいる。

そのことだけで、踏ん張ろうと思えました。

そしてこれからも信じて頼られる存在であろうと、努力し続けられる原動力でもありました。


もしかしたらこれも承認欲求の一つかもしれません。

自己満足かもしれません。

でも、これが原動力となり、結果的にチームのため・選手のためになっているのなら、そんなサポートでもいいと私は思います。

選手のみんなは私たちサポートに「ありがとう」といってくれるけど、本当に感謝しなければならないのは、私たちの方です。

皆がいてくれたからここまで来ることが出来ました。

本当に、ありがとう。

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わちゃわちゃ

伝えたいこと

自分語りが長くなってしまいました。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。

最後に皆さんへ、4年間の私の経験を踏まえて伝えたいことがあります。


まずは選手の皆さんへ。

「いつでも自分を信じて応援してくれる存在はいる」ということを忘れないでください。

私たちサポートは、どんな状況でも、選手の可能性を最後の最後まで信じ続けています。

どんなに天気が悪くても、どんなに身体が痛くても、どんなに気持ちが乗らなくても、どんなにスランプでも。

私たちはいつだって皆のことを信じています。
いつだって皆のそばにいます。

そのことを、決して忘れないでいてほしいです。


そして、サポートの皆さんへ。

継続して初めて見えてくる景色もある、ということを頭の片隅に置いておいてほしいです。

サポートって、きついこと99%、楽しいこと1%くらいの仕事だと思います。
自分の目指すべき方向を、見失ってしまうこともあると思います。

でも、それでも踏ん張って踏ん張って、踏ん張り続けた先に、見えてくる新しい景色は必ずあります。

私も、4年生になって初めて学ぶことがたくさんありました。私が1番成長できたのは4年生の1年間だった、とも思います。

だから皆も、辛いことはたくさんあるだろうけれど、絶対に最後まで走り続けてほしいです。


きっとそれが、今後の皆にとっての大きな財産になるはずだから。


そして最後に、サポートの同期へ。

君たちだったから、一緒に頑張れました。君たちだったから、どんなに苦しくても、最後まで一緒に活動したいと思ってここまで来れました。

研太朗、りりちゃん、あっちゃん、田村、岩浅ちゃんの全員に、毎日たくさんの刺激をもらい、活力をもらいました。

感謝してもしきれないくらいです。

本当に、本当にありがとう。

あと予選会と最後まで、よろしくね。

エピローグ

この4年間で、私は大分マシな人間になれました。

高校生までは経験したことのなかった感情を、挫折を、たくさん経験しました。
そして、興味のなかった「他人」に興味を持ち、一緒に歩めるようになりました。

ほんっとうにたくさんのことを、この競走部で教えてもらいました。
この4年間は間違いなく、今後の私の人生において大変価値のある財産であり、一生忘れることはないであろう宝物のような時間でした。


2年前くらいからずっと「早く引退したい」とぼやき続けてきて、いざ本当に引退の時が近づいてくると、ちょっと寂しくなるものですね。なんででしょうか。

ずっと他人のことを考え続けた4年間だったから、これからは自分のことだけを考える人生になることが不思議でもあります。

未来に不安はあるけれど、
この競走部で過ごした時間や空間を忘れない限り、今後何があっても頑張れそうな気がします。

では、あとちょっとだけ、サポートさせてください。

予選会、頑張りましょうね。

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