一日一知

ウォレット
「暗号通貨ウォレット」も参照
ビットコインにおけるウォレット(口座/保管場所)とは、秘密鍵を持つビットコインアドレス (address/口座番号) をまとめたものであり、機能として秘密鍵や公開鍵の作成やビットコインの送受信等である。

ウォレットの作成方法として、以下のようにランダムウォレットとHDウォレットがある。

ランダムウォレット
ランダムウォレット(非決定性ウォレット)とは、秘密鍵と公開鍵のペアを個別に管理するものである。秘密鍵は似乱数生成器を用いてランダムに作成され、次に秘密鍵とsecp256k1と呼ばれる楕円曲線に基づいたECDSAアルゴリズムを用いて「公開鍵」が作られ、その公開鍵を暗号学的ハッシュ関数SHA256に通した後にRIPEMD160を通すことで「公開鍵ハッシュ」が作られ、最後に公開鍵ハッシュをBase58Checkに通すことで「ビットコインアドレス」が作られる。

実数の代数的な場である{\displaystyle R^{2}}R^{2}上のsecp256k1という楕円曲線のグラフ。ビットコインで使われるsecp256k1曲線の方程式は {\displaystyle y}y2={\displaystyle x}x3+7である
HDウォレット
HDウォレット(階層的決定性ウォレット)とは、1つのシードから多数の秘密鍵を作成したウォレットであり、シードをバックアップすると、すべての鍵ペアを復元できる。また、シードはBIP39で定義されているニーモニックコードと呼ばれる単語の列に変換することで、バックアップを用意にすることができる。シードは乱数生成器から作成され、シードを暗号学的ハッシュ関数HMAC-SHA-512に通すことでマスター鍵となる秘密鍵が作られる。その秘密鍵を拡張秘密鍵といい、暗号学的ハッシュ関数HMAC-SHA-512と一緒に用いる事で子となる拡張秘密鍵が作られる[38]。
また、ウォレットの種類として以下のようにホットウォレットとコールドウォレットがある。

ホットウォレット
ホットウォレットとはウォレットの秘密鍵がインターネットに接続されている状態にあるウォレットである。代表的に、以下の3つがある。
ウェブウォレット
モバイルウォレット
デスクトップウォレット
ウェブウォレットとは、利用者に代わってウォレットを管理するウェブサービスのウォレットのことである。端末の種類にかかわらず利用できるので利便性は高いが、セキュリティ面はサービス提供機関に任せることになる。

また、Windows、MacOS、iOS、Androidなどのオペレーティングシステム上で動作するソフトウェアのウォレットをソフトウェアウォレット(クライアントウォレット)という。デスクトップPCにソフトウェアをインストールする場合はデスクトップウォレットといい、モバイル端末にインストールする場合はモバイルウォレットという。

コールドウォレット
コールドウォレットとはウォレットの秘密鍵がインターネットから隔離されているウォレットである。
ペーパーウォレット ハードウェアウォレット
ハードウェアウォレットとは、専用のハードウェアを使ったウォレットのことである。ハードウェアウォレットは、取引ネットワーク(イーサネット)に接続された外部のマシン(パーソナルコンピュータなど)に接続して利用する。ハードウェアウォレットの内部には秘密鍵が保存されているが、ウォレットは署名だけを行って接続先のマシンに送信するので、秘密鍵の漏洩の可能性はソフトウェアウォレットにくらべて低い。
ペーパーウォレットとは、紙にビットコインアドレスと秘密鍵(プライベートキー/暗号コード)を印刷したものである。クラッキングなどで秘密鍵が漏洩する危険性がないので、最も安全である。ただし、インクや紙の劣化、盗難に注意が必要となる。

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