一日一知 人格④

作業検査法

内田クレペリン検査

内田クレペリン検査は、クレペリン,E.の精神作業研究をもとに、内田勇三郎が開発した検査です。

一桁の数の単純加算作業を、1行1分とし、5分の休憩を挟んで前半・後半15分ずつ行ってもらいます。


分析・評価は、誤答数をチェックした上で、前半と後半それぞれ各列の作業終了点を線で結び、その形について基準となる定型曲線からのズレの程度との組み合わせによる曲線類型判定と、個別の特徴を分析する個別診断的判定を行います。

定型曲線は、前後半とも最初の列の作業量が最多となり、休憩前の前半より休憩後の後半の作業量の方が多く、前半がU字型もしくはV字型の作業曲線を、後半が右下がりの作業曲線を示します。

作業曲線に影響を及ぼす精神機能の働きとしては、意志緊張・興奮・慣熟・練習効果・疲労の5因子が考えられています。


技術系の就職試験や公務員試験において適性検査として用いられることが多く、また、特に、鉄道や自動車、航空機などの運転操縦への適性が曲線型とよく関連するともされ広く用いられています。

その反面、同じ個人であっても、その時の状況や体調によって統計学的に無視できない大きな誤差が作業曲線に表れることから、同検査には、ほとんど意味がないと述べている研究者もいます。


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