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ENHYPENの光と影

Given-Taken Japanese ver.のMV

「黒、陰、影(Shadow)」

」の語源は「」(Wikipediaより)。



そして、SHIBUYA109とのコラボの方は

「白、陽、光」そして「宇宙」


ユングのいう、人間の二面性「光と影」。

善悪、陰陽、光と影、どちらも持ち合わせているのが人間。

ペルソナ(仮面)=光は、周りの人に見せる自分。社会的、倫理的に正しい自分。

シャドー=影は、普段は抑え込んでいる自分。自分の中の嫌な部分。ペルソナとは正反対の自分。


こういった対極性はBORDERシリーズのtrailerからずっと示されている。


HYBEの先輩、BTSの『MAP OF THE SOUL』は、ユングの『心の地図』をコンセプトに制作されていて、それはそれはいろいろな方がいろいろな考察、説明をされている。

今年1月にイギリスのキングストン大学で開かれたBTS学会で発表されてるほど!

ユング研究の専門家である 入江良平氏が解説している記事を見つけたので置いておきます(🔗前編🔗後編)


この記事の中で、ENHYPENにも関係してくるのではないかと思うのは、ヘッセやユングの引用で説明されている部分。




キーワードは、祝祭=カーニバル、陶酔、黒(錬金術)

ざっくりまとめると…

祝祭(カーニバル)での陶酔

対極性の結合

「死」「停滞」
錬金術でいう「黒化」



ここで、なぜいきなり錬金術が出てくるのか??



実は、HYBEと錬金術は親和性が高いのです。

TXTは、バラエティー番組「TO DO」の中でも錬金術

青いサイコロと赤いサイコロをふって出た目の合計分ボーリングのピンを倒すという術。
まさに、青い世界と赤い世界という対極性の結合


BTSでは、HYBE INSIGHTに飾られているジョングクを描いた絵の中に錬金術で作られる「賢者の石」が。

作者のJames Jean氏によると、うさぎと少年の周りにある赤い物体が「賢者の石」だとか。


また、シュガさんはお勧めの本として、パウロ・コエーリョの「アルケミスト 夢を旅した少年」をあげている。
(アルケミストとは錬金術師のこと)
この本はikonのジュネも先日インスタに写真載せてました。


ENHYPENでもわりとちょこちょこ『ハリーポッターと賢者の石』の話題は出てくる。

↑関係ないけど、このVlive、関西弁でファン字幕つけて下さってる方がいらっしゃってすごく好きです。何回も見ちゃう。



では、「錬金術」が意味するものとは何なのか?

ここでようやくユングに戻ります。


ユングは錬金術を

「心の変容ないし成長を象徴するもの」

と考え、「錬金術と無意識の心理学」という本を書いている。

オカルト的、神秘的なものでもなく、鉛を金に変えるという科学的なものでもなく、心理学の側面から捉え直しているのである。


錬金術の流れを説明すると…

錬金術師はまず不完全な物質を「哲学の卵」と呼ばれる容器に入れる。

その後いろいろな過程を経て、物質は光と闇、太陽と月のように対極性をもつものにわかれる。

錬金術では、その対極を統合させて新たな誕生を目指す。
古代の書物では、その統合よってできた物質を「太陽の王と月の王妃の合体によって生まれた子供」と呼ぶ。

錬金術師はその物質から「賢者の石」を作る。

賢者の石ができるまでの流れは

① 物質の死=黒化

プリズムのような虹が表れ魂だけ抽出

③ 純粋な形への再生=白化

④ それを赤くなるまで繰り返す=赤化

賢者の石はあらゆる物質を金に変えることができたり、癒すことのできない傷や病を治すことのできる物質と考えられていた。



賢者の石を作る過程では、必ず「黒化→白化→赤化」が起こります。

この黒化は「死」、白化は「再生、復活」、赤化は「完全」を象徴します。
そして白化の前に現れるのはプリズムのような虹。

この色はBORDER:Carnivalのコンセプトカラーでもあります。


私は、Drunk-Dazedでは、パンデミックに陥った世界を救うための手段として錬金術を使っているというストーリーだと考えている。
(キーマンはソヌとジェイなのだけど…また今度きちんとまとめます)

先ほどの記事にもあった通りの流れをそのまま辿っていることになる。

祝祭(カーニバル)での陶酔

対極性の結合

「死」「停滞」
錬金術でいう「黒化」


Given-Takenから通して、世界を救うヒーローの物語。
つまり、「白」「善」の物語。

でも、誰かが悪役に見えたり、どこかに黒幕がいるのではないかという「黒」「悪」のストーリーに見える人もいる。

Given-TakenもDrunk-Dazedも、どちらも「白黒」「善悪」の対極性をもったストーリーだと思うのだ。



つまり、これをユング心理学から解釈するとすれば。


BORDERシリーズは、少年たちが自分を見つめ直し、自分の中の二面性を認めて統合して、心の成長をしていくという象徴が描かれた物語。

もっとHYBE的に言うと

LOVE MYSELFしよう!!!という物語。


その物語に、ギリシャ神話やヴァンパイア、シェイクスピアに加えて、パンデミック、生命科学、宇宙論などなど、「今」の時代しか描けないストーリーをいろいろ重ねてある複雑な世界観だと思うのです。


物語は「黒化=死」で終わらずに、「白化=再生」まで示されています。



今回のMVの中にも、ちらほらと再生迷宮(タイムループ)を抜けることを示すシンボル(きのこ出口)も。



死や再生については、これ以外にもいろいろな場面で示唆されていて、これまでにも考察に書いているので、ぜひ読んでいただけたらうれしいです。


と、うまくまとめたつもりだったのに!!!


また黒&悪いプンくるみたいですね!!!

まぁ、それはそれで楽しみだから全然OKです。


【ここから追記】
さっそく公開されてた悪いプン!と思ったら…

生き残った7人、仲間を守るっていう設定だった!!!!

ゾンビアポカリプス=ゾンビによる世界の終末

全然涼しい夏っていうファッションではないけども…


ただ、この終末感あふれる中にも救いの言葉が!!!

ジェイクの後ろの木箱に書かれている言葉。

REGENI=再生する、生まれ変わるという意味。

実はジェイクは再生のシンボルなのでは、と今までにも考察してきている。


まず1つあげるとすれば。
今回のGiven-Taken 日本語版の中では「きのこ」のステッカーと一緒に映っている。
(もう1つのシンボル「虹」については、長くなるのでまたの機会に…)

きのこは生態系の中で、動物の死がいを分解→新しい命への循環を促す役割を持っている。

つまり、きのこ=死→再生

上にも出てきたJames Jean氏の描いたジミンは「きのこの妖精」として描かれている。

また、7月9日にリリースされる『BUTTER』のコンセプト写真にも「きのこのマグカップ」が。


エド・シーランとのコラボ曲である「Permission to dance」のteaserでは、シュガが持っている雑誌に

「紫の風船はコロナ終息のシグナル」
「2022 新しい時代の始まり」

との見出しがあり、ここでも終わりと始まりのテーマになっているのではないかと思われる。

BUTTERのコンセプト写真でも、HARIBOグミやチュッパチャプスなど同じようなモチーフが使われていることから、HYBE全体で共通のテーマをもって作品を作り上げているのではないかという気がする。

コロナ終息への願いはもちろん、今年新しい社名、新しい社屋として生まれ変わったHYBEとして、「再生」や「終わりと始まり」。
これほどぴったりなテーマはないのではないだろうか?


ここまで読んでいただけてありがとうございます。

スキ❤を押していただけたら、個人的に好きなEN'OCLOCKの字幕シリーズ出てきます!

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