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保険リスクマネジメントの遂行体制について

今更感はありますが、保険リスクマネジメントの遂行体制について説明します。当社は連結売上約4兆円、従業員数約8万人の企業グループですが、保険リスクマネジメントを主たる業務とする専従者は私を含めて14名になります。この人数には代理店やブローカー等の仲介者を含みません。

恐らく同規模の大企業と比べても人的リソースは多い方ではないかと思いますが、単純計算ですと売上高2,850億円あたり1人、従業員数5,700人あたり1人というサービスリソースです。勿論単純に売上高や従業員数とリニアな関係ではなく、業務量からすれば逓減していくものだと思いますが、おおよそ保険リスクマネジメント専従者を置く企業規模と人数の目安にはなると思います。

当社はフルスペック(と自称している)の保険リスクマネジメント体制と考えており、①基礎数字の収集、取り纏め、内容精査、②ストラクチャーの検討、社内決裁、③保険会社マーケティング、交渉、意思決定、④内部アロケーション、社内展開、照会応答対応、⑤プレースメント、証券発行、保険料支払対応というルーティンに加えて、⑥事故受付、ロスデータ分析、リスクサーベイなどの機能も有しています(勿論一部仲介者のご支援を頂いております)。

上記①〜⑥は全部又は一部を仲介者あるいは同様のサービスを提供する第三者にアウトソースすることで、本体専従者人数を少なくする事も出来ます。むしろ、日本企業の多くは自然と株主損保や企業代理店にアウトソースされており、本体にリスクマネージャーや保険リスクマネジメント部隊を置いていないという見方も出来るかもしれません。

企業の経営戦略は会社毎に様々ですが、保険リスクマネジメントはファイナンスとしてのプロテクションだけでなく、内部統制の観点での活用も可能であり、特に規模の大きな大企業は、保険マーケットのハード化、損保との持ち合い解消、リスクの複雑化やグローバル化を踏まえて、今一度内製化についての検討するタイミングではないかと思います。

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