中小企業診断士試験合格後の歩き方


1.はじめに

この記事は #診断士アドカレ の7日目です。(今日は12日ですがアドカレに空きがあるので)https://adventar.org/calendars/9275

皆様いかがお過ごしでしょうか。
中小企業診断士試験2次筆記試験が終わりはや1か月以上経過しました。合格発表もちょうどあと1か月ほどとなります。皆様少なからず不安な気持ちを持って1月11日を待っていることでしょう。
このnoteでは試験合格後に何をしなければならず、あるいは何ができるようになるのかについてご案内します。
合格が決まったわけでもないのに合格後のことをあれこれ考えるのは、それこそ来年の事を言えば鬼が笑うとでも言われるかもしれません。それでも合格後には様々な道がある中小企業診断士ですし、合格した後にやるべきこともたくさんありますからイメージトレーニングや自身のキャリアを考える機会だと思ってお付き合いください。

ちょっと自己紹介

HN:きら
年齢:30歳
職業:税理士法人(税理士補助)⇒M&A仲介会社(管理部門)⇒プライベートエクイティファンド(管理部門)
中小企業診断士試験の戦績:R4ストレート合格
勉強時間:1次試験…100時間 2次試験…120時間
一言:資格取得が生きがいです。

2.2次試験合格後にやるべきこと

(以下日付は令和5年度のものとします。)
さて、1月11日あなたは晴れて2次試験の筆記試験に合格したとしましょう。
ご存じの通り2次試験には口述試験があります。
口述試験はほぼ全員が合格する試験ですのでここでの試験制度の説明は割愛しますが、その間にもう一つ大事なイベントがあります。
それは、実務補習の争奪戦です。

前提として、中小企業診断士になるには2次試験に合格するルートの場合実務補習または実務従事により15ポイント(15日分)の実務をこなす必要があります。近頃は実務従事をあっせんしてくれる企業も増えてきていますが、やはり実務補習を受けてポイントを獲得し中小企業診断士として登録される方が多数派といえるでしょう。なお、実務補習はかなり大変ですが、得られるものも多く1回は受けておいた方が良いと思います。
実は年明け早々1月9日から、2月から始まる実務補習の申込受付がスタートしていまして、令和5年度の合格者の方は筆記試験合格(1月11日から 1~2日後からかもしれません)のタイミングからこの実務補習に申し込むことができます。
2月からの実務補習は前年度以前の合格者の方も申し込んでくる上に、当年度合格者の方の申込が殺到することで知られており、枠を確保することが意外と大変です。中にはわざわざ有休を取ってパソコンの前に張り付き申込をしたという方もいらっしゃいます。
ほぼ受かるとは言っても口述試験の準備もあるのに、実務補習の申込なんてする気になれない!と思われるかもしれませんが、そもそも実務補習の受付期間は1月9日~1月16日で、口述試験の結果発表日である1月21日には既に受付が終了しているのです。

というわけで、筆記試験の合格を確認したら一番最初にするべきことは、実務補習の申込です。
ただし、登録を急がない方や実務従事で済ませられるという方はじっくり口述試験対策に取り組まれてもよいかと思います。

ちなみに、口述試験対策については各予備校や受験生支援団体が模擬試験を実施していますので、不安な方は是非参加してみてください。私が所属するタキプロでも開催予定です。

3.資格の活かし方

話は飛びまして、無事実務ポイントを15ポイント獲得できましたらいよいよ中小企業診断士として登録することができます。
憧れの中小企業診断士としていよいよ活動をスタートすることができますが、具体的にどのように活動していけば良いのでしょうか。「名称独占資格」ですから、何でもできる資格である一方で中小企業診断士だけができる業務というものはほぼなく、資格を取ったはいいものの何をすればいいか分からないという方は一定数いらっしゃいます。
ここでは、私がタキプロのメンバーの方々を通じて見聞きした活動をいくつかご紹介します。

①企業内診断士として副業を開始

副業が解禁された今、中小企業診断士を活かして副業をされる方はそこそこいるように思います。
具体的には、補助金申請・執筆活動・副業コンサルが中小企業診断士を活かした副業として多い印象です。
特に最近は補助金バブルと言われるだけあって事業再構築補助金・ものづくり補助金・IT導入補助金等々活躍の場は相応にあります。
副業される方はゆくゆく独立を考えているという方もいらっしゃいますが、まずは中小企業診断士としての経験を積むというのが主目的なのではないかと思います。

②企業内診断士として本業にまい進

副業が許可されているかどうかにかかわらず、勤務先で中小企業診断士を活かして異動や新規プロジェクトへの参画といった形で活躍されるかたもいらっしゃいます。
副業はやはりそこそこ時間を取られてしまいますし、体力的に厳しい部分もあります。社内で新たな経験を積んだりパフォーマンスを発揮できるように活動したりするというのも、自らのキャリアとしてとても魅力的だと思います。

③思い切って転職

中小企業診断士になったものの現職ではどうにも活かせる場がなさそうだ…ということで転職される方もいらっしゃいます。
ただし、中小企業診断士が転職市場でどれだけ有利に働くかと言われると、ないよりはもちろんいいのですが非常に有利ということはありません。資格と自分のこれまでのキャリアを掛け合わせてどのように会社や顧客に貢献できるかというストーリーが重要になってきます。
コンサル業界への転職であれば資格の認知度も高い方ですので他業種に比べれば有利の度合いは大きいかもしれません。

④さらに思い切って独立診断士へ

現状に非常に不満があったり、雇われの身に嫌気がさしていきなり独立されるかたもいらっしゃいます。
もちろん最初から順風満帆とは行かないのがほとんどですが、独立する行動力のある方は中小企業診断協会や研究会を通じた人脈づくりによって仕事を獲得し成長していく方が多いように見受けられます。また、自分の行動次第でいくらでも稼ぐチャンスがありますし、試験を通じて得た知識をフル回転して顧客へ提供できるというのも独立の醍醐味と言えるでしょう。
とはいえ養う家族がいたり自分自身が若く社会経験が少ないとここまでのリスクはなかなか取りにくいものです。独立は計画的に行いましょう。

⑤受験生支援団体で活動

これは私ですが、①~④のどれにも食指が伸びないという方は是非受験生支援団体に入り人脈づくりや知識の補充(診断士の知識以外にも、タキプロに入って初めてzoomをホストで使って習得できました!なんて方もいらっしゃいます)をされることをお勧めします。試験に合格しても何もしなければ記憶は薄れますし、ましてビジネスの世界では常に情報はアップデートされますから知識の補充も必須です。
とりあえず今はやるべきことが分からなくても、中小企業診断士との関わりは維持できるようにしておくことが将来に向けて大切です。

⑥何もしない or 登録休止

前者はまた私で、後者は実務補習時に同じ班だった方がおっしゃっていたことです。
私はタキプロでこの1年活動してきましたが、その先のプランは特に決まっていません。家庭の都合で中小企業診断協会に入って研究会活動をすることも難しく、現職にも不満がない(ただし診断士を活用した業務は特にない)ので、まあ現状維持でいいかといったところです。また、私自身中小企業診断士を渇望していたというわけではなく、勉強時間が確保できる具合と仕事の忙しさを考えて時期的にちょうどいい資格が中小企業診断士だったということもあります。加えて資格取得自体が趣味になっていてそこまで活動に熱意がないという事情もあります。これに関連して、ソースは誰かから伝え聞いたレベルですが、残念なことに苦労して登録した中小企業診断士を一度も更新せずに失効させてしまう方も一定数いるとのことです。自発的に活用方法を探していかないと宝の持ち腐れになってしまうのが中小企業診断士の特徴だと思います。

後者については、登録して即登録休止(登録期間内に休止の届出をすることで資格を維持したまま最長15年間登録を休止できます。その間中小企業診断士と名乗ることもできます。)し、キャリアを積んでから資格を再開して活かしていきたい、と話していました。この方は27,8歳と若かったので自身のキャリアが定まっていないという方は計画的に登録休止をされるのも一つの手だと思います。

4.おわりに

雑多な記述となりましたが、試験合格から登録後までの歩き方をご案内しました。
皆さんのキャリアのイメージに合う道はありましたでしょうか?
まずは試験合格しているかどうかが気になりますが、今更終わった試験のことを考えても結果は変わりませんので是非未来に目を向けてご自身の生き方を考えてみてください。では。

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