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自分に力をくれる経験。それが旅。

  私は、"旅”というものを、日常とは違うどこか離れた場所にいくことだと定義している。

 初めて海外に行ったのは中学2年生の修学旅行。田舎町からでたことがない、それこそ電車の乗り方も知らなかった私は、NY・タイムズスクエアで、世界の大きさに目を見張った。目に写るものすべてが異次元で、今まで当たり前だった前提がすべて覆されるような、そんな感覚を味わった。
 出発前日にお台場観光をした際には、自由の女神とか観覧車とか、珍しくて写真撮りまくったにも関わらず、帰りはもう誰も見向きもしなかったのは当然かもしれない。笑

 それから私は、海外に夢中になった。
 高校2年の時に、アメリカ・カリフォルニア州のロスバノスという小さな田舎町にホームステイ。メキシコに近いその場所は、雲ひとつない真っ青な空と、黄金色のすすきが揺れる丘が連立したそれはそれはきれいな町だった。ホストファミリーと車の窓を全開にして、大声で歌いながらブリトーを食べまくった1ヶ月間、帰ってきて体重が5キロ増えていたのを知ったときの驚愕は今でも忘れられない。
 ホストファミリーとはあれからも結婚式に呼んでもらったり、お互いの誕生日を祝ったり、実の家族のように仲良くしている。今年は会いに行けるといいな。

 一方で、私が海外に夢中になったのには、現実逃避の側面があったように、今振り返ると思う。
 医者である父の姿に憧れ、中高一貫の進学校に進学した私は、当時は医学部進学を目指し、朝から晩まで、勉強づけの毎日を送っていた。勉強は楽しかった。ただ、周りが当たり前に夢を追いかけ続けている中で、本当に自分は医者になりたいのか、本当は何がしたいのか、わからなくなってしまった。わからなくなると、走れなくなった。
 そんな時に救いを求めたのが海外だったように思う。行けば何かが変わるような、修学旅行のときのようになにか目からウロコが落ちるような経験を期待して、大学受験真っ只中に休学をしてのホームステイだった。
 結果、あの時の決断は良かったとおもう。大学では国際関係学を専攻した。

 大学3年目に私はあることを決める。それは、何か挑戦の年にすること。やりたいと思ったことをやりきること。そして、私が選んだのはまたまた海外だった。
 ベトナム・ホイアンでの2週間のインターンシップ。自分のできなさに涙した2週間。チームメイトと本気でぶつかった2週間。もっと自分を成長させたいと、エンジンが始動した瞬間だった。
 その後、半年間資金をため、再び単身ベトナムへ。1年間のインターンシップを通して、多くのことを学び、たくさんの人とふれあい、たくさんの場所にいって、心が震えるような経験をたくさんした。(ちなみに、7万円を騙し取られて、文字通り震えたこともあった。)
 就職は日本ですると決めていたことから一度日本へもどり、就活が終わればまた海外へ。フィリピン・セブ島で3ヶ月の留学。そこから、ラオス、カンボジア、タイを回った。

 振り返ってみると、私の人生は、旅によって救われ、旅を通して前向きになり、旅があったからこそ自分と向き合えたのだとわかる。何があるかわからない。正解か不正解かはわからないけど、全力でやってみたあとに何かしらの答えをくれるのが旅。だから私はこれからも旅する。


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