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2019.3.28 山梨県立吉田高校放送部-取材04

吉田高校放送部の取材のつづき。

放送部員)
これはお母さんへの質問になるかと思いますが、障害者の本人の方とか家族の方は、大変に思ってないとか言う方が多いんですけれども、それでもやっぱり大変なことってあると思うので、大変な時にどうやって乗り越えようと言う原動力になったのかなということを聞きたいと思います。

母)体調が悪くなったりすると、もうどうしていいかわからなくて早く元気にしてやりたいなーと思うけど、なかなか思うようにはいかないという時が1番大変な時なんだけれど、でも必ずきっとよくなるということは思いながら、「たとえ今元気がなくても必ずよくなると思っていることが大事だよー、特に身近な人がそういう風に思わないと」って言われた時があって、いつも葛藤なんですけれど、でも必ず良くなる必ず良い方法が見つかるとかきっと発作は必ず止まる、でも発作が止まらなかったらどうしようっていう反対の気持ちもあって、そういう気持ちを持ちつつも、そういう気持ちに流されるのを自分の心の中でストップするしかないな、っていうことの繰り返しですかね。必ず良くなるという方を私は選択しようと思って、思う通りにいかなくても、きっといい方法が見つかる、いい出会いがある、きっと良くなると思いたいなあと思って努力していたっていうことですかね。意識を変える自分とのバトルを毎日しています(笑)

部員)弟2人とも言葉が話せなくて、コミニケーションは取れるけれど直接分からないから、間接的ですけどコミュニケーションが取れているのを見て、私も弟とできたらいいなって希望をもらいました。ありがとうございます。

母)私も浩太朗が2歳位の時に日木流奈くんと言う方の本を読んで脳障害児も言葉を表現できるという事実があることを知ったんですよね。その時に希望の光をもらったんです。で、いつどうなるかわからないけれどもきっと何かあると思ってその時その時にできることしかできないけど、その時にできることをやってこれたのがよかったかなぁって思います。多分皆さん目の前にあることを一生懸命やっていらっしゃるから、それを少しずつやっていって願いをちゃんと自分の中に持って弟さんとコミニケーション取れるようになりたいと思い続けたらきっとできるようになると思います。

小林浩太朗)
僕はいつもベットにいる時間が長くて皆さんの様に自由にどこかに行ったり友達と話したりすることはできないのですが、さっきもそれが辛いかと言われたらそういう事はしてみたかったなぁという風には思うけれども、僕には僕にしかできないことがある、僕だからできること、僕だから感じられること、僕だから表現できるものというのがあるということがわかったので、僕はそのこと自体が辛いことではなくて僕には僕のすべき事をしないとかすべきことがあるのにできないということの方が辛いことなんです。皆さんと比べると僕の生活は辛いとか大変とか言われることが多いけど、僕は比べることはしていないし比べても仕方がないし比べる事はしていなくて、僕の中でやらなきゃいけないことなのに自分がしなかったとかできなかったとかいうことの方が辛いことなので、そういうことがなくなるように、やりたいことができるように、いつでもこういう風に僕の話を聞いてくれるという人が来てくれたときにはいつでも話が出来るように、いつもベッドの上でいつもいつも考えている、そうやって準備をしっかりしておくんだということが、僕にとって一番の生き方、僕なりの生き方なので、さっきも母が言ったように体調がすぐれなくなるとやりたいことができなくなるということはもうはっきりしてしているので、前よりも自分自身でも、といっても何ができるのって言われちゃうかもしれないけれども、でも気持ちとして早く良くなるとかうまく体が辛い時間をやり過ごすとか自分なりに工夫して考えていて、それは前に自分の気持ちを表現できなかった時期よりも今はこういう機会がきっとまたあるだろうからその時に向けて勉強したり考えたりいろいろなことを知ったりするということに忙しい位なんですよ。暇そうに見えるでしょう?一見すると僕はとても暇そうに見られて、「いいねー時間があって」と言われるけど、そうでもないんですよ。僕こう見えて忙しいんです。やることがたくさんあって考えることもたくさんあって知りたいこともたくさんあって、母にも言われるけど、時間が足りないねと思っているんですよ、こう見えて。

放送部顧問)浩太朗さん長い間ありがとうございました。先生もありがとうございました、浩太朗さんの思いを教えてくださって。

浩)こちらこそありがとうございました。またよかったら僕と話をしに来てください。できればさっきも言ったように皆さんがこういう方法を練習したりしてくださるととてもうれしいです。練習にはいつでも付き合いますから。いつでも言ってください。ありがとうございました。

小林浩太朗「目に見えるものだけが本当ではないよ」
(山梨県立吉田高校放送部制作)


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