2023/1/1弁護団声明

【弁護団声明】Colaboの生活保護関係等の業務について

2023年1月1日

Colaboの生活保護関係等の業務について

一般社団法人Colabo及び同代表理事仁藤夢乃代理人弁護団

「Colaboは、未成年女子の生活保護の申請にあたって、健康であっても『疾患により就労不能』という虚偽の説明を役所に対して行わせて、不正に受給させているのではないか?」
「生活保護を受給している未成年に、週2回、バスカフェでティッシュ配りのアルバイトをさせて賃金を支払っているのでは?」
などという疑義を述べる声が見られましたので、この点について念のためご説明します。

1 まず当然のことながら、Colaboのスタッフが未成年者の生活保護の申請に同行して支援する業務は現実に行われています。

2 虐待されて親から逃れてきた未成年者については、現に金銭も職業もなく、親族の扶養も受けられず、生活が困難な状況であれば、健康であっても生活保護を申請して受給が認められるのが一般的です。健康な未成年者がわざわざ疾病があるかのように作り話をして申請する意味などありませんし、そもそもそのような不正行為をColaboが行わせることなどありません。

3 このような未成年者が就労を目指すことはもちろん望ましいことであり、Colaboとしても積極的に支援や助言をしています。就労して一定以上の収入が得られるようになれば、支給される生活保護費が減額または停止されることは、言うまでもありません。

4 ちなみに生活保護利用の有無にかかわらず、様々な若年女性の中長期の居住のためにシェアハウスを確保していることは従来から活動報告書などでご紹介してきたところですが、このシェアハウスは、例えば3LDKの物件の場合、その3LDKの物件の中に3名が居住(3LDKの中の各部屋に1人ずつ居住)するというような運用です。(3LDKの中の各部屋に3名ずつ居住して合計9名や10名の大人数が同居生活しているわけではありません。)

5 これまでにも説明してきた通り、Colaboが支えている若年女性には、生活保護利用者もそうでない人もいます。受給要件を満たす人が生活保護を利用することは何ら非難されることではありませんが、Colaboのシェアハウスを利用する若年女性の中に、生活保護利用者は多くありません。なぜなら、Colaboのシェアハウスで支援対象とする若年女性は、基本的にはむしろ公的扶助を利用することができない状況におかれた女性たちだからです(2022年11月29日Colabo及び仁藤夢乃さんに対する誹謗中傷等について)。
シェアハウスの利用者が生活保護を申請した場合は、調査の段階で自治体担当者が家庭訪問し、女性が暮らす部屋や、物件の間取りや広さを確認しています。生活保護受給決定後は、規定に沿って保護費が本人に支給されています。本人が役所から家賃として受給している生活保護費以上の家賃やその他の利用料をColaboが本人に請求することはありません。

6 Colaboが生活保護利用者の受給した保護費を取り上げて管理するということはありません。

なお付言すると、仁藤が委員を務める厚労省の「困難な問題を抱える女性への支援に係る基本方針等に関する有識者会議」で検討されている政省令案において、女性に対する給付金を施設が預かることが前提になっていると読める箇所がありましたが、これはColaboの原則的な考え方とは異なるものです。
そこで仁藤は、2022年12月12日付で同会議に提出した資料において、
「民間団体では本人の権利で、本人が受け取るお金の場合は基本的には本人が管理することになっていることが多いと思うが、これは、本人と話し合って預かったりすることもあるということか。預かる前提で書いてあることに違和感があるため、必要に応じて金銭管理を手伝うこともできるという書き方にしてはどうか」
と指摘しています(困難な問題を抱える女性への支援に係る基本方針等に関する有識者会議(第3回)仁藤提出資料)。
ここで直接議論されているのは生活保護費のことではありませんが、前述のとおりColaboでは、名目の如何を問わず、本人が受け取るお金の場合には、基本的にColaboではなく本人が管理することとしています。

7 バスカフェで「ティッシュ配りのアルバイト」というものを行ったことはありません。ティッシュペーパーを配ったこともありません。但し、アウトリーチ活動に参加した若年女性に数千円程度を交付することはあります。これは活動に参加するためにかかる交通費等を援助するものです。もちろん生活保護との関係で申告しないように勧めることはありません。
なおバスカフェは週2回もの頻度では開催しておらず、年間を通じておおむね30数回程度であることは公表しているとおりです。

以上

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