2022/12/1弁護団声明

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Colabo及び仁藤夢乃さんに対する誹謗中傷等について・補足説明
2022 年12月1日

  Colaboの具体的な事業の内容や報告、会計について寄せられた誹謗中傷や疑問などにかか わる論点については、11月29日の記者会見で配布した資料(Colaboホームページ掲載 https://colabo-official.net/wp-content/uploads/2022/11/HP.pdf 以下「11月29日付説明資 料」)で既にご説明していますが、念のためいく つかの主要な点について補足説明致します。

1. 事業の全体的な位置づけ まず全体的な事業の位置づけとしては、これまでご説明したとおり、東京都の若年被害 女性等支援事業は「委託事業」であり、Colaboがこの事業に関して都から受け取っている のは「委託経費」であって、「交付金」や「助成金」ではありません。東京都とColaboの間で 委託契約を締結し、事業に必要な経費の見込みを立てて予算申請し、その結果認められ た予算の範囲内で事業を行うものです。なお、事業実施においては都の委託経費を超え た支出をすることは珍しくありません。その場合、超過額はColaboの自主財源(寄付金や 自主事業の収益、民間団体からの助成金)から支出することとなります。実際に行った事 業の支出が若年女性事業の予算の枠を超えた場合には、事業実施報告書記載の金額 は、予算の合計額と同額を報告しているということになります。

2. 事業ごとの取扱の違い 若年被害女性等支援事業においては、領収証の提出義務はありませんが、保管義務は あり、都からの調査があればいつでも提示し説明することとなっています。 Colaboが関与している都の事業は若年被害女性等支援事業のみではなく、これと別途に DV 等被害者支援事業という事業もあり、これについても11月29日付説明資料において も、2頁、8頁(Q8)で言及しています。このDV等被害者支援事業は、若年被害者等支援 事業と異なり、実績に応じて領収証を都に提出し、それに基づいて「交付金」の支給を受 けるものです。都の規定も事業によって異なります。

3. 委託経費の予算と実際の支出の関係 若年被害女性等支援事業の委託経費の予算は、「車両関係費」「宿泊支援費」などいく つかの大項目に分かれています。ただし実際の事業の遂行の中で、当初の計画とは異 なって、新たな対象に支出する必要性が生じたり、逆に予定していた支出がなくなるなど の変更もありえます。この場合、Colabo としては、項目を越えた調整をすることがありま す。このような、項目を越える支出の調整を禁じる規定はなく、項目を越える調整をおこ なっても問題ありません。 項目を越える支出調整の例としては、大項目となる「車両関連費 予算 1,028,000円」の 限度の中で、当初は駐車場に支出する予定で予算に組み込んでいた額を、車の備品の 購入に充てるなど、実情に応じた調整を行ったことがあります。この例の場合は、「車両関 連費」という大項目の内部における、費目を越えた調整でしたが、大項目を越えた支出調 整も、若年被害女性等委託事業についての都との委託契約において禁じられていませ ん。ただし、Colaboとしては、支出調整をする場合にはなるべく大項目の場合の費目調整 に収まるような処理に努め、大項目を越える費目調整は基本的にしないようにはしていま す。 なお、一般的には、その年度の事業実績の額が予算の上限を上回った場合には、事業 実績の額が予算の上限額と一致するのですが、年度途中で、事業実施の必要性に応じ、 予算が追加されることもあります。そのような場合には、年度当初の予算額に追加された 予算額を上限として、事業実施実績の額が決算として報告され都に承認されるということ になります。 令和2年度は新型コロナの影響がまだ大きく、世の中全体が混乱状態で、自粛が相次ぐ なかでネットカフェやホテルなどから締め出され、「ステイホーム」と言われても家庭にもい られないという状況の若年女性がたくさんいて、Colaboへの相談が激増しました。Colabo は感染予防をしながらバスカフェなどの活動を止めずに動いてきました。 このような状況を受けて、都は、なんとか対応しなくてはならないと認識し、期中に2度予 算を上乗せするということもありました。そのように期中に予算が上乗せされた場合には、 当然のことながら、事業計画書記載の委託経費総額より、事業報告書記載の金額のほう が高くなります。

4. 宿泊支援費についての補足 令和3年度の宿泊支援費 300万円と若年被害女性等支援事業における宿泊支援の関 係についても補足説明します。宿泊支援の対象となったのは232泊分であり、これは Colaboの事業報告書と都への報告とで一致しています。さらに、11月29日付説明資料の Q16(19頁以下)でも説明した通り、女性の状況によってはその女性に付き添うスタッフの 宿泊なども発生するので、若年被害女性等支援事業全体で 「宿泊」に実際に使用した金 額は300 万円を超過し、予算上限の300万円がそのまま実績 となりました。 この予算300万円を作成した時には、1泊1万円を目安として延べ 300 泊分として、総額 で上限300万円の予算申請が認められたわけです。ただし実際の宿泊は、1泊ごとに1万 円が限度と決められているわけではなく、1泊1万円を超過する場合もあり、また前述のよう に対象女性以外のスタッフの宿泊なども発生したので、結果的には宿泊に要した費用が 全体で予算上限の300万円を超え、300万円の予算の上限がそのまま実績となったという わけです。 ここで、 「1泊1万円が上限であり、232泊なら 232万円以下のはずだ。300万円も使うわけ がない」という主張がSNSでは見受けられますが、これはいくつもの誤解か曲解が重なった ものです。 Colaboは、令和2年12月から令和3年3月まで、東京都の緊急の支援事業「緊急自殺予 防対策」として、 1泊あたり1万円で女性たちにホテル宿泊支援を提供したことがあります が、これは令和2年度の若年被害女性等支援事業に、年度途中で、当初の委託経費と別 途に緊急の対策として追加されたものです。これについては東京都との取り決めにおい て、1泊あたり1万円ということが明記されていました。SNSにはこの緊急自殺予防対策事業 に関する都の規定を引用して、令和3年度の若年被害女性等支援事業の宿泊支援につ いても「1泊1万円が上限であったはずだ」とする指摘が散見されますが、両者は別次元の ものです。 令和3年度の若年被害女性等支援事業においてはあくまで委託経費の予算「総額」が 300万円とされたのであって、「1泊1万円」という上限はありませんでした。この点が令和2 年度途中で追加された「緊急自殺予防対策」と異なります。そのため若年被害女性等支 援事業についての都への報告でも、232泊分という報告内容に関して特段問題を指摘さ れていないということになります。

5. 予算の上限を超えて支出した場合の扱い また、事業計画書(予算)記載の各項目の委託経費の上限を超えた支出をした場合の、 事業実施報告書(決算)記載についてご説明します。これは、11月29日付説明資料の Q10(28頁)に記載したことについての補足です。 例えば事業計画書作成段階で、「消耗品費 125,000円」と記載し、実際に支出した金 額がこの上限を超えた「253,537円」であった場合、都に報告義務があるのは委託経費の 上限の範囲である「125,000円」です。それを超過した金額は委託経費からは支出せず Colaboが自主財源から支出しているためです。従って、委託経費の上限を超えた支出を した場合、事業実施報告書には、委託経費の上限額(端数の無い金額)を記載してもよい し、現実に支出した金額(委託経費及び自主財源からの支出額の合計)を1円単位で記載 しても、どちらでも構わないということになります。年度によってどちらの記載方法もあります が、何か問題があることではありません。

6. その他(車両関係費の補足) 若年被害女性等支援事業において支出した車両関係費の中には「ユニクロ」などから購 入したものがあるようだが何か、という意見をいただきましたが、これはバスカフェの実施の ためにバスに常備する防寒具等の購入です。また、バスに常備する消毒スプレー等も、バ スカフェによるアウトリーチ事業に必要なものとして「車両関係費」の中に入れています。こ れらについても領収証は全て整理・保存してあり、都からの要望があれば都に対し開示し 説明する用意があります。

以上

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