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私たちは消された展、出展作品についての話。

「消される事に焦点を当てたグループ展」

さて、今度は出展作品についての話を。

恐らくだけれど、殆どの他の出展者に関しては作品の好き嫌いに関わらず「そりゃ消されるわ」と思って見てた方も多いと思う。

ところが私の作品について「エロでもグロでも無いのに何故消されるの?これはちゃんとしたアートなのに。」という質問を実際に何度か頂いた。
その言葉自体は作品を売る作家として参加していた私にとって本当に嬉しい事だった。

が、

ねぇ、私の作品は本当に消されない作品だったろうか?

実はあの作品、場合によっては社会的、物理的に消されるかもしれない可能性を秘めた超危険な作品なのだ。
それは事前に撮影者のMiSaさんに「覚悟はあるか?」と聞いた程。


そういう意味で今回「消される事に焦点を当てた展示」をあの一枚にしたという訳。

会期中、私は殆ど毎日自己紹介を変えていたのだけれどそのうちの1日に

「これは日本、それもこの場所だからこそ安全に展示が出来る作品だと思っている」
と書いた。


恐らく多くは「ヌードだからSNSで削除&BANを喰らう可能性」の話と受け取られただろうけれど、勿論その程度でわざわざ書く訳が無い。


あの作品をSNSに載せたらどうなるか?展示する国が変わったらどうなるか?

もしも少しでも私の作品について興味を持って下さった方がおられたら昨今の日本のSNS事情や世界情勢も踏まえて想像してみて欲しいのである。

「旗の様なものを持っているから、この旗に何か意味があるに違いない」と思って下さった方は多いと思う。

まさにその通りなのだけれど、ところであの旗は何色だったでしょう?

パッと見て「黒」と決めつけやしませんでしたか?
写真に携わっている方ならご存知でしょうが、モノクロって基本的に濃い色なら黒っぽくなってしまうのです。

さて、何色だったか?正確には「パッと見て貴方は何色だと思ったか?」という所が最重要で、今回のあの作品の真の正解なのである。


調べて行くと分かる事なんだけど、何色か?によって旗って色んな意味があるのですよ。


まぁ、物販として置いていた2Lのプリントまで辿り着いて見て下さった方はご存知の通りなのですが、それはあくまで「私側」の答え。


ちなみに今回の作品を撮影して下さったMiSaさんは「旗の色も天気も時間帯も、場所も海って事以外は分からない仕上げにわざとした」と仰ってました。


こちら側の表現を分かりやすく押し付けるのではなく、相手がどう読んだか?に委ね、それを正解とする展示という訳。


なんだかんだ書きつつ、結局今回は最後まであの作品について私たち側の回答は書く気がない。


例年私の作品はパッと見は分かりやすすぎるので、好きじゃないと思えばチラッと見て素通りされる事も多いのだけれど、そういう方と偶々何かのきっかけでお話をして解説をすると相手が急に前のめりになるという現象について思う所があるからだ。


聞けば面白いと取るか
聞かなければ面白味が無いと取るか


この点について私はどうしたいか?というのが次回以降私の課題の一つ。


あーそうそう、2日目に来て下さった方だけご存知なのだけれど、私が個人的に付けてた作品のタイトルは

「tragic beauty」

ですね。


次回、私がどこに振った作品にするか?というのは実は大方脳内では完成しています。
私自身はすげー面白い!!と思うけれど、主催者の評価は果たして…??

結果は消された展出展者発表をもって。

私たちは消された展2023、本当にありがとうございました!!

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