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Bidirectional EV On-Board Charger Featuring Multiphase Operation


論文タイトル

Design and Experimental Verification of a Bidirectional EV On-Board Charger Featuring Multiphase Operation in Full Power/Voltage Ranges

雑誌名

IEEE Open Journal of Industrial Electronics, 2024年6月, Vol. 5, pp. 450-467

著者

  • Héctor Sarnago, Óscar Lucía

Universidad de Zaragoza, Spain

論文概要

本論文は、全電力・電圧範囲において多相運転が可能な双方向EVオンボード充電器(OBC)の設計と実験的検証を行う。この新しいOBC回路方式は、追加素子を必要とせず、性能を低下させることなく、三相および単相構成の両方で動作可能である。11 kW、800 Vバッテリー電圧の試作回路を設計・構築し、三相 400 V電源に接続して実験を行う。

研究対象

  1. 回路方式

  2. 応用技術, 電気自動車

論文の主張点

本論文は、単相および三相構成の両方で動作可能な新しいOBCアーキテクチャを提案し、パワーデバイスの追加なしに全出力電力範囲での動作を可能にする。

背景

電気自動車(EV)は、電力利用の重要な役割を担い、脱炭素化に貢献する。EVのバッテリー充電システムは、広範な動作条件下で高効率かつ低コストの実装が求められる。これには、単相および三相構成の両方で動作するOBCが必要であり、また、高電圧バッテリーにも対応する必要がある。

研究の手法

提案されたOBCアーキテクチャは、双方向単相/三相AC-DC整流回路と絶縁形 DC-DC(DAB)コンバータの2段階構成を採用している。AC-DC整流回路では、差動整流器を使用して、三相および単相の両方で同等の電圧および電流を実現する。DAB コンバータは、高周波トランスを介して絶縁を確立し、バッテリー電圧の変動に対応する。

実験またはシミュレーション結果

11 kW双方向プロトタイプを設計し、85-265 入力電圧範囲で動作する三相/単相構成を実装した。DAB コンバータは、550-850 Vの範囲で動作する800 V高電圧バッテリーに電力を供給するよう設計された。プロトタイプは、Infineon製の1200 Vおよび750 VトレンチMOSFETデバイスを使用している。

結論

提案されたOBCアーキテクチャは、三相および単相の両方で追加の要素なしに全出力電力範囲での動作を可能にし、コストと性能のバランスが取れた実装を提供する。11 kW双方向プロトタイプを通じて、その実現可能性と高効率な動作を検証した。

論文の位置づけ

本論文は、EV充電システムの高効率化と多相運転の重要性を強調し、今後のEVシステム設計における新しい方向性を示すものである。提案されたOBCアーキテクチャは、従来の制限を克服し、単相および三相の両方での運転を可能にする点で、大きな進展を示している。

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