The Winds Of Spring配信ライブあたりから僕のピアノを知ってくれた人へ

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もしかしたら今回僕の音楽、ピアノに意識して触れるのが初めて、、という方もいらっしゃったと思う。。
NAOTOくんはもちろんクラシック音楽をたくさん勉強したそのベースの上に今がある演奏家で、彼を好んで聴いている方々も少しはそういう土壌の上にいらっしゃると想像しているんだけど、、

僕は、クラシック音楽をほとんど通っていなくて、子供の頃からアドリブの仕方などが知りたくて知りたくて。レコードなどでいろんな演奏に触れるたびに、その秘密を解き明かしたいと、沢山考えて、自己流で勉強していました。
そんな人間です。。

今、改めてどんな気持ちでどんな演奏をしているか、書いてみたいと思います。
僕のことを前から知ってくれている人は聞き飽きた話かも知れないけれども。。

自分のこと語るのって、恥ずかしいところありますけどね、でも、知ってもらいたい!って、少しは僕ら思ってもいいんですよね、
違いましたっけ(笑)

今回の一連の流れで言うと、、

まず、作曲します。

作曲するとき、メロディと和声と一緒に浮かびますか?
とか良く聞かれますが、僕は和声を適当に付けながら旋律を作ることが多い。。
でもその和声はあくまで仮、であって、後で推敲しまして、これ!というものを後に決定します。

旋律も確定させるわけでもない。
旋律の大枠だけ。どうお喋りするかは、判断の余地は演奏時のために残しておきます。
いわゆる欧米のポップス、ジャズシンガーたち、歌うたびにフレーズが違いますが、そこと同じ気持ちになるように、常に意識しています。

和声

は一般的にコードネームで書き表すことが多いですが、近年、自分の欲しい和声構造が、必ずしもコードネームで表しきれないことが増えてきて。。
そこまで複雑なことを表現したいって思っているわけじゃないですよ。

書こうと思えば書き方はいくつかあるんですが、コードネームなんていうのは、バンドで演奏時に、分かりやすく、素早く理解するためにあると思っているので

このシステムがあるゆえに、知らない曲でも譜面見てすぐ演奏、伴奏できるわけですね

複雑になったり、説明が必要な書き方なんて、コードネームなどで表記する良さからかけ離れていると思っちゃうんですよね。

なので、自分自身はあくまでコレ、というものがありながら、それは特に記すことはせず(忘れそうならば五線に書くでしょう)、
他のメンバーのために、ある程度簡略化してコードネームを書きます。
メンバーに演奏してもらって、イメージと違えば伝えます。
みんな耳がいいから特に何も言わなくていい事ばかり。
いつも、皆に助けられています。

そして、メロディー、和声、コードは決めたとして、今度は楽曲の構造、

編曲。

ジャズ的セッションの楽しさを曲に残したいので、なるべく決め込まない、、、自由な場所を残すようにします。
自由というのは、

*和声はどこのオクターブで演奏してもよい(しかし、あくまでバンドのサウンドが良くなるように)
*メロディーもフェイクの余地を、特に歌い方などはその時の感情で自由に弾く
*アドリブの箇所は自由にやるけれども、あくまで曲の世界観から外れない
(そういう、よりフリーな音楽もあるけれども、今回やっている音楽はそういうのではない)

といったあたりかな。。

そうやってまず曲の

世界観

を作り込みます。

もちろんその際に、映像的または言語的モチーフとかが影響することもあって、それが曲名に反映したりもします。しなかったりもします。

今回は、故郷の札幌の景色であったりとか、いつも行っていたライブハウスでのセッションの光景であるとか、今この時期だからこその平常時へ戻りたいという渇望であったりとか、

そういえば編曲の話の途中でした、、
メロディを誰がどこを弾くのか。音域がその楽器にとって不自然ならキーもどんどん変える。

僕はここまでの段階で楽曲の調性というものは、その演奏する楽器、歌う人のキーなどに合わせて可変できるものと思っています。楽器はそれは、例えば弦楽器は開放が美しくなるキーであるのがプライオリティ高めだし、それとボーカルがキーが合わない、、のなら、どちらかのクオリティを落とすしかない、、でもどちらもうまくいくケースならば、それは良い結果が待っている、、

そしてピアノはどんなキーでも演奏できる。。でも、メロディーということに関していえば、適した範囲っていうものがあって、それでキーを決めることがあります。例えば5度くらい変わってくるとかなり雰囲気が違いますが、半音だとそこまで変わらない。

よくフラット系のキー(Eflat Minorとか)が好き、とかそういう話もあるけど、
クラシック下の、、ロマン派のピアノ曲などからの、無意識下の絶対音感にしばられた感覚かな、と僕は思っています、、ピアノに関しては。
だってピアニスト以外でその辺のキーが好きっていう話あんまり聞かないからね

リズムアレンジは理にかなっているのか。理にかなっているリズムは演奏しやすいんです。
演奏しにくい、間違えちゃうというのはアレンジが悪いんです。だいたい。
そうならないような、スムーズに演奏できる、優秀なリズムアレンジをいつも考えています。

それが出来たら、いよいよ、

演奏します!

作った時にこう演奏する、と決め込むことはほぼ無い。
演奏時には、作った時の気持ちを一旦忘れ、時間も置き、意識を切り離して演奏に向かうことが多いです。

演奏時には、その都度周りの音を聞いて、例えばギターのオクターブと一緒にならないようにする、とか、他のリズムセクションとの関係の中でより気持ちいいリズムを作り出す、とか、

要はアドリブとか以外でも、演奏の方向性を事前に決め込んでおくとろくな事がないので、いつもニュートラルに、まっさらな気持ちで良い音楽になるように、それだけを考えて、その時の音に反応して、演奏して時を進めていく。

他の演奏家も、優秀な人はみんなフレキシブル。お互いに気を使い合い、そしてその中で出るところは出る。社会の中での振る舞いと一緒です。。だからこそ楽しい。

なので、もちろん同じ譜面でも二度と同じ演奏になる事がない。常に最高を更新するつもりで演奏する。

アドリブのパートには和声の流れがコードネームで書いてある、当たり前のことだけど、それに沿った音を選んでアドリブをする。
この時に考えていることは、もちろん自分はピアニストなんだけど、あまり器楽的になり過ぎないように、歌を忘れないようにしている。
現代的なジャズの難しいフレージング、なども興味が無いわけではない。
だけど、僕はジャズのフレージングからどんどん、ポップスでいうところの歌に向かっていっている気がする。

脱線。。。
ところで、、最近ジャズのアンサンブルに入る時もそんな気持ちになってしまう。。
僕が今から典型的な定型ジャズフレーズばかり弾くプレイヤーになることなんて、誰も望んでないだろうし、
ジャズって恐ろしく大きくて、どんな演奏家もさらっと取り込まれてしまうような存在なんだけど、
僕は、ジャズミュージシャンとして音楽を拡大していくよりは、ジャズに限らないミュージシャンとして表現を拡大したいので、
ジャズの語法に頼らずにジャズのような音楽をクリエイトしていきたいな、と思っている。
なぜならば、子供の頃からジャズに親しんで育ったわけではないから。あくまで成長過程に出会った一つの大きな影響の源にすぎない。アメリカ人じゃない。あくまで札幌で育った日本人だから。
ここで自分の音楽=ジャズだ、となると沢山の過去を否定することにもなるし、ジャズの影響が薄い音楽をやりにくくなる。

僕の参加しているアンサンブルは、まぁだいたいある程度上手なプレイヤーの集団だとは思うんだけど(笑)、
決して、テクニック志向、速いフレーズを弾くことが目的にならないようにしている。

これはずっと思っていることで、、どうもインスト音楽をやっていると、聞き応えがある=テクニック、になりがちなのに昔から抵抗があって。。
もっとこういうのから解き放たれた音楽やりたいな、と思い続けているけど、
最近、ちょっと実現出来ているかなと、、
そう、2013年にアルバム、Fearlessを作った頃から、変な話もう別にこれ以上、上手にならなくても良いかも、と思った。

いや、でも今はそれともまた違って、
自粛期間に入ってから、今、すごく練習している。

なぜならば、音を良くしたいから。

指を、もっと意識と近づけたい(発音の良さ、というのもあるけど、思いついたメロディーやハーモニーがすぐ出るように)。
なので練習あるのみ、といった感じ。楽器ともっと仲良くなりたい。

でもさっきと重なるけど、アドリブの練習などは、基本、する意味が無いかなと思っている。
難しいジャズのフレーズを、弾けるようになると表現の幅は広がるかもしれない。でも、音楽することによって、伝えたいことって、そんな事じゃない。
そんな複雑な事じゃなくて、もっとシンプルな事だなって、、本当に強く思うんですよね。

長々と語りました、また思いついたら書きます。

僕の作品、そして僕のピアノ演奏、2020年の8月の末日においては、ひとまずはこんなところですね。

これからも僕の音楽、聴いてくださいね!
長々とありがとうございました。

自粛による仕事のペース、少し戻ってきましたが未だ例年の1/3程度です。
国が準備してくれた助成金などで、一応平常運行出来ていますが、もちろん蓄え(そんなにあるわけでもない)を食いつぶしています。
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こちらのnoteへのお捻りでも良いですし、
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