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ジェフ・ベックとエレキギターと私

ジェフ・ベックが死んだ衝撃は結構大きい。日に日に、どっしりと響いてくる。

俺も末席ながらギター道を歩むものの一人だが、ジェフ・ベックはギター道の最先端、マラソンでいえば先頭集団にいる名人中の名人だ、
以前ヤマハの小型のギターアンプの取材でCharにインタビューした時、取材の合間にCharがジェフの家に遊びにいった話となったが

「ジェフは目の前で見ていても、どうやって弾いているのか分からない」とCharにして言わしめた。

俺も数年前? 10年ぐらい前かな、東京国際フォーラムでジェフベックを見たが、目で見ている指板のフィンガリング出てくる音が違っていて(ハーモニクスなあれやこれやを使っていたのだろう)全く意味が分からないぐらいすごかった。そして音のニュアンスの素晴らしさ、複雑さ、タッチのすごさ。ちなみに今時チューナーを使わずにステージ上で耳でチューニングをあわせるのがめっちゃかっこよかった。

ジェフとの遭遇はジェフベックグループあたりで、高校時代に衝撃を受けた。ロッド・スチュアートがボーカルでベースがロニーウッドのやつだと思う。Beck Olaだったか。今聞くと高校時代こういうギター弾いていた気がする。
(でも一番好きだったのはエリック・クラプトンでそれは今も変わらない)


またヤンハマーとやっている一連のものは、
高校生当時からすごいと思っていたが、あのときはその演奏の本当のすごさが分からなかった。

https://www.youtube.com/watch?v=l2qSODdEZks

今なら分かる。もの凄い。めちゃくちゃかっこいい。後にクロスオーバーと呼ばれ、フュージョンと呼ばれ、骨抜きになったあの手の音楽とは比べものにならない。

だか一番衝撃を受けたのは、実はわりと最近の2000年代以降の、デジタルロック化したあたりから。ベースにタル・ウィンケルが入って以降。

ジミー・ペイジがすっかり日本人の老人化し、クラプトンがあまり弾かない偉人化した中、rage against the machineばりのデジロックでガンガン最先端の音楽でギターをかましていたのがジェフだ。

エレキギターの隅から隅まで知り尽くし、弦が動いて音が鳴って切れるまでの間、ずっとその音に全神経を込めている。その間ピッチもトーンも変わり続けている。(だから指弾きで、片時もアームを離さないんだろう)
それがすごい。

ジェフは死して名演を死ぬほど残しているので、これからもじっくり何度も味わいたいと思う。

ありがとう。

タルと、とっても楽しそうな永遠のギター少年。


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