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「いまはもう、人生を語ろう」#06 高校になったらバンドをやると決めていてエレキを買ったのだった。

中学では吹奏楽部のトランペットとヤマキのD18のコピーのアコースティック楽器を弾いていた。当初はフォークが好きであまりエレキを弾く気にはなっていなかった。
思い出すのは当時中学の友人で二人ぐらい、エレキを買ったヤツがいた。二人ともそれほど親しいわけではないが、エレキがあるなら弾かせてくれ、おお、弾きに来てくれ、と音楽という共通項があると(当時それはマイナーだった)それだけで、仲間に慣れる感じだった。
一人の友人は今思うとヤマハの最初期のSGを買っていた。あまり音は覚えていない。当時はアンプもあったかどうか。彼はチューリップが好きで、ライブ・アクト・チューリップというベスト盤を彼の家で聴かせてもらってかっこいい、と思ったものだった。名前は失念したが、家の場所は今でも覚えている、本間君だったかなぁ。

もう一人は、多分父親がローランドの社長だったのではないかと思える。梯君という名前だったし、エレキそのものは覚えていないが、エフェクターがごろごろあった。ジェットトーンとか、フランジャーのすげーの、みたいなものを持っていて、とにかく、おとがぐわんぐわんするので、スゲースゲーと言っていた気がする。

中学でフォークを歌っていたが、中学中盤からはまりにはまったのがビートルズだ。当時はもう解散していた。でも中学の放送部で(放送部をやっていたのだ)かけていいのがビートルズで、赤盤、青盤をとっかえひっかえ流していた。自分でもLET IT BEを買っては、家のステレオで部屋を暗くして、LET IT BEのポスターを見ながら聴いていた。

いまはLET IT BEは自分から意識的に聴かないようにしている。何かの拍子で耳にしたとき、拝聴しながら、その中学の時と、今までが直線でつながるような気になる、それをアクシデンタルに楽しむのが好きだから。

ほかにも竹田和夫とかチャーとか、かっこいいギター弾きはいたし、Playerという雑誌を読むようになり(すでに吾妻光良さんの連載はあった)エレキに憧れるようになって、結局高校に入ってもまもなく、どうやってお金を貯めたのかは覚えていないが、カタログを舐めるようにみて、買うと決めたのがレスポールのストップテールピースがついたフェルナンデスの竹田和夫モデルだった。あわせてZOOMというフェルナンデスブランドのアンプも買ったのだった。

そして進学した浜松湖東高校でバンドを組むべく仲間を探した。ボーカルの青柳は高校一年生の時のれいめいかんという合宿所で、音楽の話題で意気投合して歌を歌わせたら驚くほど上手かったので誘った。
中学高校と同じだった吹奏楽部のトロンボーンの花島は、俺よりロックが好きでレコードもたくさん持っていて、彼にギターを誘った。ヤツはストラトを買った。ドラムも高校の同じクラスになって意気投合した垣野内、彼は吹奏楽部でフルートだったが、面白そうだからやる、という感じだったのでお願いした。垣野内はドラムもぽんと買ってもらっていたので金持ちだったのだと思う。当時ドラムは盛っていないと叩けないし、金持ちも息子の楽器だったのだ。ベースはホルンを吹いていた松下に頼んだ。松下はリッケンバッカーのコピーのベースを弾いていたように思う。松下にはけっこうむりに頼んだような気がする。リッケンのベースもひょっとしたら青柳のものだったのかもしれない。

というわけでバンドメンバーを募り、花島の家のガンレージでドラムをバカバカ叩いて気が狂ったような音量で練習とも言えない大騒ぎをぶちかまし、警察を呼ばれて注意される、という事件を起こしつつバンドは始動した。ZOOというバンドだった。

まるで青春デンデケだ。今思えばこの初期衝動のまま、近隣の人に警察を呼ばれるほどの大音量で馬鹿下手な演奏をぶちかましていた快感が、その後の人生を決定づけたように思う。
なんと、ここで警察を呼ばれるまで、練習スタジオという存在があることを知らなかったのだ。(当時辛うじて浜松に2つか3つあった。その1つがアオイ楽器の練習スタジオだが、店の下の道路から今日はどのバンドが練習しているか分かるぐらい音が漏れていたのだった)

つづきます。

https://youtu.be/8G2ADqYL_kM

Spinning Toe-Hold/CREATION スピニング・トー・ホールド/クリエイション TV-LIVE Fernandes竹田和夫モデル

こちらが竹田和夫。この曲がメチャクチャかっこいい。
いま聴いてもかっこいい。ギターは竹田和夫モデルと書いてあるが、僕が買ったのはこれではなく形状はレスポースそのものだった。あのギターは誰にあげたのか、たしか東京に来た後、高校時代の高崎君という友人に譲った気がする。
どうしてギターってあげたり、もらったりするんだろう……。

https://www.youtube.com/watch?v=pPPY-xGd9tc

https://www.youtube.com/watch?v=THC0GzwOGNA

そしてこちらが、私のアコースティックギターの最終到達点であった、マーティンのD-35。いいギターです。最近全然弾く機会がなくなってしまって、倉庫に入っていたのでもったいないと思い、友人の中古ギターショップに委託販売品としておいてもらっている。売れたら嬉しいが、売れなかったら一緒に燃やしてもらうか。いや、もったいないので、誰かに弾いてもらいたい。響がギターを弾ければ喜んで譲るんだが。

ギターショップ浜松ビレッジにある俺のマーティン D-35







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