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北村英治さんの音色が素晴らしく、そしてすごかったという思い出。

HDを整理していて急に出てきた写真だが、忘れないうちに書いておこう。
僕はジャズファンだしトランペットを演奏するが、オールドスタイルの演奏はそれほど好みではない。どちらかというとビバップ以降だったり、フリージャズだったりするし、渋さ知らズには数回入れてもらったぐらいの人間だ。

年に1回開催されるブラスジャンボリーという吹奏楽自由参加のイベントをレポートする仕事を10年ぐらいやっていたことがあるが、毎回ゲストがいて、吹奏楽のスターだったり、サックスが吹けるサカナくんだったり、ラッツ&スターのくわまん(トランペット)だったりするんだが、それが北村英治さんだったことがある。
私は仕事だったのスタンスで参加していたし、あまり期待していなかったのだが、その音を聴いていたら涙が止まらなくなった。

僕はかねてから楽器演奏の命は「音色」だと思っているのだが、北村英治さんの音色は、ほんとうに素晴らしかった。技術は練習でかなり培うことができるが、音色は練習だけでは培えないと思う。練習も大事だが、何を美しいと思うのか、とか、何を聞き手に与えたいと思うのか、とか、もっと大きいことを言えば、自分はどういう人間なのか、あなたをどうおもっているのか、ということにまで通じるのが音色だ。
だから巧いヘタは楽器に精通していないと分からないかもしれないが、いい音がどうかは、誰にでも分かるし、誰にでもその魅力はダイレクトにハートに通じる。これは言語におけるアーティキュレーションや音とも同じだし、話し出すと長いので、この話はまた後日。

それにしても北村英治さんのクラリネットの音色、シングシングのスリリングな演奏とハイトーン、そして東北大震災への被災者への気持ちを込めた、花は咲くのクラリネットの低音の豊か響き、暖かさと味わい、そして慈悲深さは、もう言葉では表すことができない。本当に嗚咽してしまった。

この仕事をさせてくれたYMWの續さんに感謝します。ありがとうございました。

僕が原稿を書いた主催者のヤマハの当該ページはすでになくなっているようです。

こういうイベントがありますという記事が残っていたので挙げておきます。
2011だったようなので、もう10年も前なんですなー。北村英治さん、今も演奏されているようで凄いです。

https://rittor-music.jp/news/2010/12/1552?ch=saxbrass


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