医師になろうと思った理由

今回はただの自分語りです。
ザ・ノンフィクションとか好きな人には面白いかもしれません。

これは再受験あるあるだと思うんですが良い歳して卒業に6年もかかる大学に入り直すのにかっこいい理由なんて普通はないと思うんですよ
たまにはラグビー日本代表からの再受験生みたいな人もいますが、再受験生というのは基本的に人生何かしらミスった人たちばかりです。

東大出てようが最初に入る会社をミスれば人生簡単に詰みます。
難関の司法試験クリアして弁護士になっても今どき営業力がなければなかなか高給取りにはなれないと聞きました。

そんな中、医師免許ってのはほんと強い。
どこでもいいから医学部に入ることさえできればほぼ年収1000万確定。その気になれば死ぬまで稼げます。
そんなゴールデンチケット、医学部以外ないですよね。
※大学によっては進級・卒業が難しいなんて話もありますが

私の医学部に入ろうと思った理由の大半はそういう打算的なものでした。

時はリーマンショック後の大不況、激務の営業に耐えきれず退職した後、キャバクラのボーイで食いつなぎながら転職活動をしていました。

退社前の有休期間で受けたMRの会社で最終までいけたのもあってなんとかなる気がしてたのですが、まあ結局なんともならずに転職活動が段々面倒になりズルズルとキャバクラボーイ(というかキャッチ)にはまっていきました。

普通に楽しくなっちゃったんですよね。
気づけば同僚だった20そこそこのノリの良いイケメンたちとクラブにナンパしにいったり合法な薬草で楽しんだりの日々。
まあ更正目的で自衛隊入るくらいに私のベースの人格はダメ人間なわけです。
退職のタイミングで7年間付き合って結婚も考えていた彼女に振られたのもあってもう何も失うもんなんかねーやという自暴自棄な感じもありましたかね。
三十路目前にして現実から逃げまくっていました。

キャバクラっていろんな客が来るんですがザックリいって、疑似合コン目的の酔っぱらいサラリーマン集団、ガチ恋系サラリーマン、金払いは良いけどめんどくさい輩系、社長・弁護士・医者などの成金系といったところがボリューム層ですかね。

その中でも一番の上客扱いなのが医者でした。まあ今思えば医者というよりは開業医だったからなんでしょうけどもまあ羽振りが良く見えました。
それでいて輩系や社長と比べてオラついてないですからね。
それをみて医者ってええなあと思ってました。

そのキャバクラの近所のバーによくいってたんですがそのお医者さんも常連だったんですよね。
それで仲良くなっていろいろ聞いて。
学費も国立だったらそうかからない、とか普通の大学と違って再受験生もいっぱいいるよ、とか

そのときはへえ~くらいの感じでした。
だってそれまで真面目に勉強もしたことのない自分とは別世界だと思ってましたからね。

そんなある日事件が起こりました。
常連の反社会的勢力の方にボコボコにされて鼻折られて病院送りになったんですよね。
きっかけはくだらないです。混んでる日にその人が来店、入り口にいた私が「ただいま満席でして少々お待ち下さい」的なことを言ったら
「ごちゃごちゃ言ってねえで通せボケ!」+顔面パンチ。
さすがに理不尽過ぎなので言葉失って。まあ怒りの表情になってたんでしょうね。
それをみた輩が「お前なんか文句あんのか?◯すぞコラ!」みたいな感じでヒートアップ、ボコボコにされたというわけです。

まあそうやって一週間くらい入院することになって現実に叩き戻されたわけです。
俺、良い歳して何やってんだろうな感がすごくて入院したことを誰にも言えなかったです。
だから病室で一人悶々と考え続けて。

そこでふと医学部のことが頭によぎって調べ始めました。

国立だったら学費安いんだっけ?へえ~年50万くらいなんだ。それなら確かにいけそうだな。偏差値は琉球大学だと62?え、前の大学(成蹊大学経済学部、私立文系で偏差値57。)と大差ないやん(実際には私立文系と国立理系では10~15の偏差値格差がある)。就活がんばってもろくなとこ入れないしなー。医者になるまで10年収入がなくても、じいさんになるまで働いたら余裕でお釣りかえってくるな。奨学金も借りればいいんじゃないの?将来の医者なら借りられるよなきっと。てか沖縄ライフめっちゃ楽しそうじゃん。
え?これもしかしてめっちゃ良くないか!?
よし!やろう!
医学生に俺はなる!

こうしてKJは再受験を決意したわけですね。

プラスアルファで言うと退職きっかけで別れた元彼女が大病院の歯医者の御曹司と付き合って六本木タワマン暮らしの近況報告をしてきたことなんかもあって男の意地を見せたるわ!みたいな気持ちもありました。

こうして振り返ると何から何までほんとしょうもないですね。
最初の理由はこんなんですが、結果、今は天職に出会ったと思っているので人生ってわからないものです。

終わり



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