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円安とドラッグストア 関係ある?

今年に入って為替はどんどん円安が進みました。果たしてドラッグストアで働く皆さんにとってなにか関係があるのでしょうか。

ま、10月以降もかなりの商品が値上げとなり、ニュースでもたくさん取り上げられていますのでみなさんご存じでしょう。売価変更作業が大変だったと思います。(大変でしたよほんとに)ものによっては考えられないくらい上がりました。日清キャノーラ油なんて今までの感覚からすると倍ってかんじですよね。

さてこれらの値上げについて、円安がとりざたされることも増えましたね。たしかに今年の為替は変動が大きいので特に悪目立ちしてますし、円安が様々な商品の値上げに影響しているのでこちらもメディアでよく取り上げられています。

円安・円高って?

で、念のため為替について復習しておきましょう。ここまで円安という言葉でひとまとめにしてきましけど、基本相手はドルだということを理解してください。世界中にはたくさんの通貨がありますが、ほとんどの場合お金のやり取りはアメリカドルで行われます。米ドルが基軸通貨といわれるのはこのためです。ですので、円が高いか安いかを論じるときは100%相手は米ドルです。ほかの通貨との比較をいうときは「円はユーロに対して」とか前置きがつきます。前置きがないときは米ドルです。こんな感じです。


円高と円安がいまいちピンとこない方もいらっしゃいますかね。これも復習しておきましょう。
1ドル100円だったとしますよ。このときアメリカロサンゼルスに旅行に行くので10万円分ドルに両替して持っていくことにします。で、銀行に10万円もっていって、ドルに換えてくれと言います。手数料は今は省きますね。
交換してもらったら1000ドルです。これでロサンゼルスで1000ドル分遊んだり食事したりできます。1ドル100円のレートと言われます。

ところが急激に為替が変動して1ドル200円になっちゃったらどうなるか。10万円分を銀行にもっていってドルに換えても500ドルにしかなりません。楽しみも半減です。

このとき円はドルに対して・・・

安くなっています。円安ですよ

海外でお金使うとき損するのが円安くらいに覚えてしまってもいいかもしれません。理屈としては、円の価値が下がったからということになります。1ドル買うのに100円で買えたのに、200円出さないと買えなくなったということは、円の価値が下がったということです。逆にいうと、ドルの価値が上がったのです。ドルが貴重で高価なものに変わってしまったから、円の立場の人はたくさん円を払わないとドルを買えないことになってしまったのです。価値が下がったほうが安いと言われるのです。

値上げとの関係

これがなんで値上げと関係あるのかというと、日本が資源を輸入しているからですね。石油を含め資源を国内に持たないので、これらは輸入するしかありません。そして、その対価は先ほど述べたようにドルで決済されます。ドルは価値が上がってたくさんの円を払わないとドルに交換してもらえません。何かを作ったりするときの原材料を高く買うしかないのです。

費用が高くついてしまったのでお値段を上げないと企業はつぶれてしまいます。今ここです。

最近ならどこのDgsでも売ってるカップ麺。容器は石油から作られていますし、シュリンクしている包装ももとの材料は石油ですね。中身の麺は小麦で作らていて、小麦はほとんどが輸入品です。カップ麺を作るためにはたくさんの輸入した材料が必要なのです。その費用が上がっているのでお値段を上げざるを得ない状況です。インフレです。

これからどうなるの?

さて今後の見通しですが、こればっかりは神様以外わかりません。というと身もふたもないのでちょっと自分なりの予想もいれときますね。少しむずかしいかもしれません。

世界中のほとんどの国が金利を上げました。難しいのでそういうもんなんだなくらいに聞いてください。

世界中でインフレになっていますが、これは経済が過熱している状態といわれます。商品の値段をどんどん上げてもどんどん売れていく状態だと思ってください。そのうちに、買いたいのに給料が安くて買えないじゃないか!もっと給料よこせ!という状態になり、企業としたら辞められても困るので賃金アップします。するとまた買える状態になったので値段が上がってもどんどん買います。こうしてどんどん物価が上がっていくのです。

金利を上げるとこの状態を冷やすことができるのです。詳しいメカニズムはここでは省略しますが、「金利を上げると景気を冷やす」ことはどこの国の経済でも同じと考えられています。今ガンガン金利を上げて加熱した経済を冷やそうとしているのです。

しかしながら、冷やしすぎてしまうと今度は不景気になるので、そこらへんのかじ取りはかなり難しいとされています。今ここです。

日本でも物価が上がり始めましたね。たくさんの商品の売価を変更したと思います。すると買いづらくなった国民は給料上げろ!と言い出します。給料上がらないと困りますもんね。ほかの国よりもかなりサイクルが遅れていますが日本もインフレです。で、ほかの国は一巡して景気が悪くなるころまで日本はインフレが続いているだろうとわたしは考えています。

いかがでしたか?来年には値上げラッシュは収まるだろうと楽観的に見る方も多いようですが、不確実が多い現代においてリスクに備えることは大切です。

企業によって値上げの対応はいろいろです。値上げしません!という企業もありますね。わたしはこれにはあまり賛同できません。仕入れ値は上がっているはずです。もし上がっていなくても、それは仕入れ先に負担をかけているだけであって、幸せにならない人がいる状態ですよね。それには賛同できません。

値上げしないというコストに見合うだけの客数増ってありえますかね?値上げしない店舗にお客さんが殺到するんでしょうか?安売りでやってくるお客さんは安さで移られていくんじゃないですかね。

値上げしてもそれをネタにお客様とコミュニケーションがとれるようなお店のほうがわたしは好きです。

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