製造業の財務改善について

以前勤務していた金属系および合成樹脂のメーカーでの経験を踏まえて、財務の改善について述べて見たいと思います。
製造業の場合は、やはり「在庫」のコントロールが一番重要なポイントになるかと思います。そのためには毎日のライン別の工程管理、不良率の管理をきっちりとすることで材料の無駄を無くすことに繋がるかと思います。
可能な限り、製品別の損益計算を出すべきだと思います。月次で推移を見ると数値が異常かどうかがすぐにわかります。

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あとコストの面で大きな比重を占めるのはやはり、電力費と運送費、意外に大きいのが火災保険料であるかと思います。電力費は費用もさることながら、毎月のデマンドの推移をしっかりと把握する必要があります。統計を取ることによって、電力会社に対して最適な契約見直しを要求することが可能になるからです。


運送費も定期的に相見積もりをとって費用を抑える必要があります。
火災保険料は工場が複数ある場合は包括契約にするとか、防災設備、防災に対する施策を行っていることによって保険料が大幅に下がるケースがあります。保障内容をいたずらに削るのは論外ですが、不要なものはカットすることで費用を抑えることが可能です。


後は、税額控除の適用が出来るか?を検討する必要があります。製造業の場合は、「試験研究費」を計上することで税額控除の適用を受けられるケースがあります。
試験研究費とは、製品の製造又は技術の改 良、考案若しくは発明に係る試験研究のため に要する費用で次に掲げる費用をいいます (措法 42 の 4⑫一、措令 27 の 4⑥)。 ①その試験研究を行うために要する原材料 費、 人件費(専門的知識をもつて当該試験研 究の業務に専ら従事する者に係るものに限 る。)及び経費
税額控除を受けられる金額=試験研究費の額×12%
人件費が該当しますので、該当する部門を作る、そして毎月別に計上することで適用を受けることが可能です。
例えば、技術部門のスタッフが部長、課長、スタッフ2名で報酬がそれぞれ、1000万、800万、600万、400万とすると報酬が年間で2800万円となります。
その場合、2800万円×12%=336万円 が最大で税額から控除可能です。これは使わない手はないと思います。
他にもございますが、また書いてみたいと思います。


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