第1回 アカスターターク その1

アカスターターク
Acaster Turk

品種 ターク種
性別 牡
毛色 芦毛
生年 1695? 1700? 1703?
没年 
父 不明
母 不明
FNO 不明
産地  不明
現役時代馬主

所有者
チャールズ・ハワード
カーライル伯爵3世

写真はチャールズ・ハワード

チャールズハワード

別名
カーライルホワイトターク <Carlisle White Turk>
ラトランドグレイターク <Rutland Grey Turk>
ラトランドコニースキンズ <Rutland Coneyskins>
アカスターターク <Akaster Turk>
カーライルターク <carlisle turk>

系統図
Acaster Turk [Carlisle's White Turk] gr c 1695c
 ┣ Chaunter b c 1710
 ┗ Terror br c 1705c
   ┗ Hanniball c 1713

主な産駒
・Chaunter (GB) b c 1710
  母 Cream Cheeks 母父 Leedes Arabian FNO.6-a
・Terror (GB) br c 1705c
  母 Hautboy Mare 母父 Hautboy FNO.53

主なサイアーライン
・Hanniball (GB) b c 1713
  父 Terror 母 Hanniballs Dam 母父 不明 FNO.12-a

母父としての主な産駒
・Batt (GB) b c 1723
  父 Strickland's Turk 母 Sister to Chaunter 母父 Acaster Turk FNO.6-a
・Squirrel (GB) [Howard's] b c 1723
  父 Strickland's Turk 母 Wharton Mare 母父 Acaster Turk(carlisle turk) FNO.17

1721年にチャンピオンサイアーに輝いていますが、残念ながら直系は途絶えています。
しかしながら、マッチェムやエクリプスなどの中に名前が残り初期のサラブレッドの重要なピースだったことがわかります。
また、エクリプス産駒のPot8osの5代母Thwaites Dun Mareの父がAcaster Turkであり、血統表から全く消えてしまうことはないと思います。
そして、Thwaites Dun Mareはファミリーナンバー38の最初の馬でもあるので38号族の馬の血統表のファミリーラインを遡っていくと必ずこの馬に行き着けます。
また、ファミリナンバー6-aを遡るとsister to chaunterという馬にたどり着くことができるのですがこの馬の父もAcaster Turkです。
ファミリナンバー53を遡るとたどり着くTerrorも父がAkaster Turkですが、こちらはAcaster Turkと、同一の馬であるとされています。
同一馬とされるカーライルターク<carlisle turk>はファミリナンバー17のWharton Mareの父馬でこちらも17号族のファミリーラインを遡るとたどり着けます。
と、いうことで、ダーレーアラビアン系の根幹種牡馬のエクリプス、ゴドルフィンアラビアン系の根幹種牡馬のマッチェムの2頭に加え、ファミリナンバー6.17.38.53にも影響を与えている馬です。
そういった意味でもサラブレッドの始祖として、重要で影響力のある1頭と言えるのではないでしょうか?

海外のサイトでこの馬に関する記載があったので、その原文と和訳をのせてみました。

Acaster Turk
C. 1700 (?).
Lord Carlisle was Charles Howard, the 3rd Earl of Carlisle (1669-1738), who was the owner of the Carlisle White Turk (probably known also as the Acaster Turk), and probably the Carlisle Barb (probably a different horse, also known as the Strickland Turk) as well.
He had an estate at Naworth Castle in Cumberland, and a showplace, Castle Howard, near York, designed by Charles Vanbrugh.
His second son, Colonel (Charles) Howard, is listed as breeder of some of the horses mentioned here.
The Carlisle White Turk -- The only place this horse is mentioned in the GSB is as the sire of the Wharton mare (Family 17, "got by his [Carlisle's] Turk," dam of the racehorse the Carlisle Gelding (1713) and of Old Lady (c.1720) and two others (see below)).
However, in Edward Coke's (first recorded owner of the Godolphin Arabian) stud book [C.M. Prior, The Royal Studs] the dam of Coke's mare Roxana (1718, dam of Lath, Roundhead, Cade) was stated to be by "Ld Carlisle's White Turk," as was the dam of "The Bald'd Mare.
The GSB says the sire of the dams of these two mares was the Acaster Turk, which argues for the Carlisle White Turk and the Acaster Turk being one and the same.
Yet another sister, Silverlocks (1725, also in Coke's stud) has the same pedigree as Roxana in the GSB.
So does The Bald Galloway Mare (1719, dam of Cato (1731), Trusty (1735), and a filly by Partner), apparently another sister of Roxana.
According to the GSB, the dam (Acaster Turk mare) of Roxana and her siblings had a brother, the racehorse Chaunter (1710); both Chaunter and his sister were from the Leedes Arabian Mare (sometimes called Cream Cheeks, Family 6).
Another Acaster Turk mare, daughter of a son of Pulleine's Arabian, was the dam of (William's) Squirrel (1719), Molly in the Moss (1721), and the sire Easby Snake (also called Smith's Son of Snake, c. 1720, ancestor of Eclipse).

カーライルの馬主はカーライル伯爵3世(1669-1738)で、カーライルホワイトターク(別名アカスターターク)やカーライルバルブ(おそらく別の馬、別名ストリックランドターク)も所有していました。
彼はカンバーランドのナスワース城に不動産を持ち、チャールズ・ヴァンブラーが設計したヨーク近郊のハワード城の庭園を所有していました。
彼の次男の(チャールズ)ハワード大佐はここに記載されている馬のブリーダーとしてリストされています。
カーライルホワイトタークがGSB(ジェネラススタッドブック)で言及されている唯一の場所は、ウォートンメア(Wharton mare)「彼の[カーライルズ]タークで得られた」、競走馬カーライルゲルディング<Carlisle Gelding>(1713)と、オールドレディ<Old Lady>(c.1720)とその他2頭(以下参照)
しかし、エドワードコークの(ゴドルフィンアラビアンの最初の所有者)スタッドブック(それ以前はザロイヤルスタッド)のコークスの牝ロクサナ<Roxana>(1718)の母(ラスの母、ラウンドヘッド、ケード)は、「カーライルズホワイトタークLd」、「ボールドメアの母」と言われていました。
これら2頭の牝馬の種牡馬はアカスターターク(Acaster Turk)であり、カーライルホワイトタークと、アカスタータークは同一であると主張しています。
さらに別の姉妹シルバーロックス<Silverlocks>(1725)は、ジェネラルスタッドブック(コークススタッドにも)にのっているロクサーナ<Roxana>と同じ血統です。
ザヴァルドギャロウェイメア<The Bald Galloway Mare>(1719)[※1]、(ケイト<Cato>(1731)、トラスティ<Trusty>(1735)の母)も、明らかにRoxanaの姉妹です。
ジェネラルスタッドブックによると、ロクサーナ<Roxana>と、その兄弟の母アーカスタータークメア<Acaster Turk mare>(1710)には競走馬のチャンター<Chaunter>という兄弟がいました。
アカスタータークメア<Acaster Turk mare>は、ウイリアムズスクワール<(William's) Squirrel>、モリーインザモス<Molly in the Moss>、種牡馬イーズビースネーク<Easby Snake>(1720[※2])(別名スミスズサンオブスネーク<Smith's Son of Snake>)の母で、エクリプス<Eclipse>の祖先です。

※1自分が使っているデータベースではsister to roxanaと記載してありました。
※2自分が使っているデータベースでは1721年生まれと記載がありました。諸説あるのかもしれません。

ではエクリプスで確認してみましょうか。

絵の馬がエクリプスです。

画像5

では血統表で確認してみましょうか。

ネット競馬

エクリプス2

・・・
空白です・・・。

JBIS

エクリプス-1

ネット競馬より少し増えましたね。
でも、アカスタータークの名前はありません。
しかし、その産駒であるアカスタータークメアの名前は出てきましたね。
青で囲んだ部分です。

では個人的に使っている海外のデータベースです。

エクリプス1-1

これだとアカスタータークがあるのが分かっていただけると思います。
赤く囲んだ部分です。

エクリプスですが、海外のデータベースで見ると
インブリードも
sister to old country wench 3x4
snake 4x(4x5)
hautboy 5x5

を持っていることがわかりますね。

初期のサラブレッドの血統表を見れば見るほど見えてくるのは、実はサラブレッドの歴史はインブリードの歴史だということが分かっていただけると思いますよ。
それは今後、初期のサラブレッドの血統表ものせていきますので実感していただけるのではないかと思います。

次回はほかの英文記事にも触れていきたいと思います。

次回予告
>アカスターターク<Acaster Turk> その2<

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