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クッション値

今週から大きく変わるのがJRAの馬場のクッション値公開

まずはJRAが出してくれている情報を読んで頂ければ・・・と思います。

馬場状態およびクッション値に関する情報

皆さんが勘違いしてると思うのがこのクッション値は路盤の硬さを計測するものではないということ。
では何を公開するのかと言うと馬場の路盤の硬さだけではなく馬場の反発力も計測するというもの。
つまり、北海道以外のJRAの8競馬場においては路盤と匍匐茎の反発力を計測するもの。
(北海道の2場においては洋芝(3種混合)のため本州の競馬場とは馬場の構成が異なります。)
反発力が強い=グリップが効くと考えていいと思います。
また匍匐茎の反発力を計測するということは開催の後半になると匍匐茎は蹄鉄で裁断されるので数値は低くなると考えられます。
つまり一番数値が高くなると予想されるのは芝の張替えがされ、野芝に適した気候でもある今の時期から秋の開催の開催初週と予想されます。

では測定に使用するグレッグハンマーとは何なのか・・・

JRAが測定に使用するグレッグハンマー(正式名称クレッグインパクトソイルテスター)は一定の高さから重りを落として静止時のマイナスの加速度を測定する機器です。

写真はJRAのHPより

グレッグ

つまり図のように一定の位置から重りを落として地面についた時にどれだけ反発するかを計測する機器ということになります。

クッション値とは

なぜ4回計測し4回目の数値を使うのか?

芝生の馬場の匍匐茎部及び路盤の数値を計測するために計測部の表面の芝や表層を平らにするためです。
表層が平らでないと正しい計測ができません。
そのために4回計測します。

クッション値測定箇所

クッション値計測

実際JRAのHPに4回計測した際全ての数値の写真がのっています。

グレッグハンマー数値

その数値は
1回目 068 (6.8)
2回目 079 (7.9)
3回目 087 (8.7)
4回目 094 (9.4)
と、なっています。

クッション値は硬ければ(数値が高ければ)単純にタイムが出るとかいうものではなく、おそらくそのクッション値に適した脚質と種牡馬が出てくるはずだと思っています。
例えば数値が高ければ反発力が高く、逃げ先行が有利。
数値が下がるにつれ、差しの効く馬場になる。
ただし、含水率との併用で含水率が高くクッション値が低い状況になればそういう馬場を得意にする種牡馬がわかってくるはずです。
そして基本的にはクッション地が高い=軽い馬場だとも考えられるので種牡馬の傾向も出てくるはずです。
今まで感覚的に軽い馬場とか重い馬場と言っていたものが数値で表されるのがクッション値だと思っています。

ちなみにJRAによると
(参考)JRAが2019年にイギリス・フランス・香港・オーストラリア・アメリカの主要競馬場を測定した結果、クッション値は概ね「7から10」の範囲内でした。
と、あるのですが・・・
天邪鬼な自分としては、なぜ国別や競馬場別で出してくれないのかと疑問です。
そして「概ね」という文言
これがあることによりすべてという意味ではなくなります。

おそらくこの国々を数値の高い順で並べると・・・
香港
オーストラリア
アメリカ
フランス
英国
になるのではないかと思っています。

理由は緯度と気候の違いで芝の種類自体が違うことと、路盤自体が違うこと。
フランスや英国のように元々の地盤を利用しているところと改良地盤を利用する香港では違って当然です。

他にも温暖な香港と寒冷になりやすい英国で同じ芝を同じ比率で使ってると思いますか?
と、いうことでおそらく10に近い(あるいは超える)数値は香港の馬場でしょう。
逆に7(あるいは7以下)という数値は英国でしょう。
英国においては海外競馬を見ていても馬場状態が柔らかい状況で行われていますし、あまり良すぎる馬場だとスクラッチする馬も少なくないですからね。

個人的な予想としては

クッション値が高ければ
スピードを武器にする種牡馬
ロードカナロア、キズナ、ダイワメジャーなど

少し低くなると
ディープインパクトなど

もう少し低くなると
ハーツクライなど

もっと低くなると
エピファネイアやモーリスなどロベルト系など

になってくると予想します。
個人的には同じ種牡馬の産駒でも大きく分けて2タイプの産駒がいるという持論がありますがここではややこしくなるので割愛します。

と、いうことでクッション値=タイムに注目するのではなく、ぜひクッション値と種牡馬に注目してみてはいかがでしょうか?

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