某引退馬関連のクラウドファンディングについて

昨今色々な方が資金集めに使っているクラウドファンディング。
気軽に募集でき、銀行融資と違い審査もなく、使用目的に使われているかのチェックもなし。
過去にも、数多くの募集がされ、それに賛同する方が出資?募金?されています。

先に言っておきますが、全てのクラウドファンディングに対して批判的な目で見ているわけではありません。
しかし、安易なお金集めになってる募集もかなり見られます。

では本題にいきましょう

「保護馬たちの輝けるセカンドライフと、殺処分のない未来を目指して」

へ~
っていうのが最初に思ったことでした。

と、いうより現実問題として殺処分のない未来なんてありえません。

それは日本だからではないです。
馬文化が根付いている欧米などでもです。

日本でも欧米でも馬は・・・サラブレッドは経済動物なんですよ。

それに殺処分云々いうのなら馬に限らずお肉は食べないんですかね?

牛や豚、鶏なんかも経済動物ですよ?

例えば乳牛などでも
オスは生まれてすぐにお肉になることが決まってます。
メスも乳牛になったとしてもお乳が出なくなったりでが悪くなったりするとお肉になります。
人間が食用にするものや食用に向かないものは動物の餌になったり・・・。

牛と馬は違うという人もいますが違いませんよ。
競馬からだろうと乳牛からだろうと用途変更で命を奪うのですから。
ただ、これらは命を無駄に扱うのとは違います。

さて、お金の話をしましょうか。

目標金額は15,000,000円
現段階での金額は約4300万円

みなさん優しい人が多いですね。

資金の使い道

プロジェクトにあたり、施設をひとつひとつ確認し、まずは最低限必要なものを考えました。
でも、設備を整えるには、どれをするにも莫大な金額が必要です。

例えば、避雷針を立てるのに1,000万円、芝の管理には年間3,500万円、安全整備に500万円、などです。
さらに、馬たちの健康面を含めた最良の育成環境を目指すため、獣医、装蹄師、トレーナーといったスタッフの確保も行っていきたいと思っています。

まずはみなさんのご支援を避雷針の設置などの安全管理と、馬たちが安心して生きていけるための管理費用に充てさせていただきたいと考えています。


ん?
はっきり言って大雑把すぎて具体性がわかりません。
銀行の審査にこんな書き方で申請しても審査を通る可能性は0です。
これに使うので寄付してくれませんかと言われても即答で断るレベルです。

まず、具体的に年間いくら必要でその内訳もなし。
また今後の事業計画もなし。
年間何頭受け入れるのか?
最大何頭まで増やすのか?
どのような条件の馬を受け入れるのか?
今回の募集で何年やっていけるのか?
その資金でどのように経営を軌道に乗せていく予定なのか?

重要なことが何一つわかりません。
困ったらまた募集すればいいという考えなのでしょうか?
もし、そうならいくら資金提供があってもやっていけませんよ。

ちなみにクラウドファンディングの手数料っていくら取られるか知ってますか?
今回使われているのはCAMPFIRE(キャンプファイヤー)ですよね。
手数料12%+決済手数料5%+消費税10%です。
つまり・・・
1000万集まるとその内170万が手数料で消費税が17万
合わせて187万円が引かれます。
残るのは813万円ですね

ただし、ここからリターンにかかるお金を引くといくら残るのでしょう?

まずはコースを見てみましょうか

①3000円コースで馬に人参プレゼント+写真
②5000円コースで布製のマスクケース
③7000円コースでオーガニックコットンTシャツ
④10000円コースでKEITA MARUYAMAデザインオリジナルエコバッグ
⑤10000円コースで乗馬体験
⑥15000円コースでメッセージ入り蹄鉄
⑦100000円コースでHPで出資者の名前掲載
⑧500000円コースでファーム会員権 外乗利用権1年間+会員カード
⑨1000000円コースでファーム会員権 外乗利用権2年間+会員カード+⑦
⑩2000000円コースで牧場内移動用カート命名権(6名)
⑪2500000円コースで名誉ファーム会員権 外乗利用権5年間+会員カード+② ③ ④ ⑥ ⑦
⑫50000円コースで額装フォト(A3)

それぞれの人数も見てみましょう
①385人
②377人
③771人
④1792人
⑤172人
⑥209人
⑦18人
⑧3人
⑨0人
⑩1人
⑪2人
⑫2人

全体的にリターンにかける金額はかなり抑えられている印象ですね。
オーガニックコットンTシャツも1000円程度で販売されているものもあるので原価で見ると300円ほどでしょうか。
同じ方がデザインされてるエコバッグで販売価格5500円ということなのでデザイン料抜きなら500-700円くらいでしょうかね。
それでも原価0円ということはないので仮に全体で20%の原価をかけたとすると200万

813万から200万を引くと613万

実際経営に使えるのは約6割ということになりますね。

となると4300万の6割で2580万ですね。
と、いうより手数料は17%で731万ですか・・・
CAMPFIREはボロ儲けですね(笑

まあ、銀行の融資だと返済義務が生じますが返済義務もなく、事業計画案も必要ないと考えれば安易にクラウドファンディングに走る意味がわからないでもないですね。
ただ、個人的には今回の募集に関しては大なり小なり後々揉めると思います。
例えば・・・
そうですね。
俺は高額コースに金を出したのになんで○○という馬を引き取ってくれないんだ!
とか
最初に言ってた理想や理念と違うじゃないか!
とかね・・・。

有名人ということで初回の今回はお金は集まりましたが、もし2回目、3回目となると集まらなくなっていくでしょうね。

それにこんな集金方法に頼らずに地道に引退馬を引き取る仕事をされている方もいらっしゃるんですよ。
自分としてはそういう方を応援したいたいと感じますね。
少なくとも軽々しく「殺処分のない未来」なんて口にはして欲しくないですね。
なぜなら・・・

実現性はゼロなんですから!

実現性ゼロのことを理念にあげてる時点で自分としては信用できませんからね。

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