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【2022関東オークス】3歳ダート路線の勢力図と関東オークスの血統解説

15日(水)は関東オークス、19日(日)はユニコーンSと3歳ダート路線も本格的に重賞戦線が始まります。その前に、2歳ダート番付を振り返りつつ、関東オークスの有力馬について考えていきたいと思います。ユニコーンSについては週末にYouTubeチャンネルで。

ハイレベル世代ながら有力馬が続々と離脱

↑ ぶらいあんさんをお呼びして全日本2歳優駿前に公開した「2歳砂馬番付」

当時、上位で上げたコンシリエーレはサウジダービーで3着、リメイクも昇竜S→端午SとOP連勝、「坂上注目馬」にも挙げたデリカダは3連勝で伏竜Sを勝利、ドライスタウトは全日本2歳優駿を制覇と、上位馬はいずれも期待通りの活躍を見せてくれています。個人的には、この直後に登場したホウオウルーレットと合わせて下記のような想定で考えていました。

関東オークス:デリカダ
ユニコーンS:ドライスタウト
ジャパンダートダービー:ホウオウルーレット
レパードS:?

ただ、デリカダとドライスタウトは回避、ホウオウルーレットは不可解なローテーションで賞金が足りるか、、、目標のレースに使うだけでも大変なんだと改めて感じる状況となってしまいました。

ハイレベルな現3歳ダート路線でしたが、こうなってくると重賞戦線も大混戦。今週の関東オークスもユニコーンSもともに絶対的主役不在の一戦となりそうです。

関東オークスの血統傾向

関東オークスは川崎ダ2100mで行われるJpnⅡ。ほとんどの馬が経験のない距離に加え、川崎の急コーナーへの対応力も求められる一戦です。メンバー間の地力差が大きいレースだけに血統だけで判断ができるレースではありませんが、過去の優勝馬では2017年クイーンマンボが適性面も込みでお手本となるでしょう。

クイーンマンボはRoberto+Kingmambo(Mr. Prospector+Nureyev)を持つため、小回り向きの機動力に優れた配合形。さらに、母スズカエルマンボはスズカマンボ(2005年天皇賞春)の半妹で、自身もダート中距離を中心に活躍。マンハッタンカフェを父に配した同馬はスタミナと機動力に長けたタイプで、のちにJBCレディスクラシックを制すアンジュデジールに4馬身差をつけて関東オークスを快勝しました。2015年ホワイトフーガ(Roberto+Mr. Prospector+Sadler's Wellsを持ち、)や2018年ハービンマオ(Roberto+Nureyev)もやっていることはそんなに変わりません。

2017年1着 クイーンマンボ

また、パイロ産駒も相性の良い舞台。2019年1着ラインカリーナは逃げ切り、2020年2着アクアリーブルも2番手からの粘り込みで好走しました。パイロはA.P. Indy系でありながらも母父Wild Againの先行粘着型種牡馬で、川崎競馬とは相性のいい種牡馬といえます。

2019年1着 ラインカリーナ

本来、川崎競馬場は高いコーナリング能力が求められるだけに大トビのクロフネやA.P.Indy系などには向かない舞台ですが、ホワイトフーガやラインカリーナのような仕掛けで対応してくる馬も少なくありません。最初にも触れた通り、メンバー間の地力差が大きいレースですから最も重要なファクターは能力比較ですが、適性面ではクイーンマンボを最適解として血統表を見てみるのが良さそうです。

今年の中央馬の血統評価は以下の通り。

③リッキーマジック
サンデーサイレンスの3×3、トニービンの4×4などから緩さが目立ち、まだまだこれからの馬。ただ、母母フライトオブエンジェルスがアフリート×Droneで俊敏性に優れ、ここのスピードでマイル戦に対応している印象。2100mが大幅なプラスに働くことはなさそうだが、道中のペースが緩む点は魅力だろう。

⑦グランブリッジ
母母ブロンコーネ(2006年フローラS2着)はブライアンズタイム×トニービンの中距離馬。無駄肉が少なく、手足も長いため、道中のペースは遅い方がベター。ただ、前走のレースレベルは低いかも。

⑩ラブパイロー
パイロ産駒らしい先行粘着型。繋の柔軟性に優れ、芝のミモザ賞にも勝利した。ただ、芝の瞬発力勝負はさすがに分が悪いだけに、ダートの方が活躍の幅は広いだろう。2歳時のパフォーマンスではなかなか厳しいが…。

⑪ドライゼ
2017年BCクラシックなどGⅠ6勝を挙げたGun Runnerの初年度産駒。父は既にEcho Zulu(2021年スピナウェイS、フリゼットS、BCジュベナイルフィリーズ)などGⅠ馬を複数出しており、種牡馬としての評価は非常に高い。本馬はアルゼンチンのGⅠ2勝馬ジュリエットシアトルの初仔で、タフなダート1600~1800mがベストだろう。前走は世代限定戦の中京ダ1800m(良)レコードでの勝利。ただ、含水率が高く、2着以下にも着差をつけられていないだけに、高速馬場による好時計と評価するのが妥当か。

と、中央馬にしっくりくる馬がおらず。デリカダが出ていたら圧勝していたでしょうが、このメンバーなら地方馬にもチャンスがありそう。

①スピーディキック
キングカメハメハ+サイレントディール(=トゥザヴィクトリー)はトゥザグローリー=トゥザワールドを筆頭に内回り中距離戦に滅法強い血統。3/4同血の姉イエローリボンはダ2000mで勝利を挙げており、スタミナ面の心配もなさそうだ。

④ソレイユスマイル
川崎競馬と相性のいいパイロ産駒で、前走は川崎2000mのカサブランカオープンに勝利。キックバックを嫌わず、内枠を引けた点も大きい。母がフジキセキ×Deputy Ministerのダート黄金配合を持つ点も魅力。

当日は川崎競馬でパドック解説を務めさせていただいております!
お時間のある方はぜひ一緒に関東オークスを楽しみましょう!


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