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【川崎記念】川崎競馬場は○○天国!?注目血統は芝向きの○○!!

2月2日(水)に川崎競馬場で行われる川崎記念。

当日、坂上は川崎競馬公式「パドック解説付インターネット中継」でパドック解説を務めさせていただいておりますので、お時間のある方はぜひご覧くださいませ。https://youtu.be/rbmSHRfDgbE

≪坂上 明大(Sakagami Akihiro)≫
 1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
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川崎競馬場はコーナーがキツイ!!!

日時:2022年2月2日(水)
コース:川崎ダ2100m
条件:GⅠ・4歳以上OP・定量

さて、まずは川崎競馬場のコースの特徴についてですが、とにかくコーナーが急!これが最重要かと思います。推定ではありますが、南関4場のコーナー距離については以下の通り。

◆南関4場の1~2角、3~4角の推定距離◆
・川崎:200m
・大井:314m
・船橋:292m
・浦和:280m
※川崎競馬場と同様にゴール~1角入口までを100mとして仮定した場合
※船橋競馬場はスパイラルカーブを採用

どのコースでも180度転回することに違いはありませんから、コーナー距離が短くなればなるほど角度が急になります。1周距離が1200mと同じ浦和競馬場と比較するとわかりやすいですが、川崎競馬場は直線距離が長い分、コーナー距離がかなり短くなっているんですよね。

このようなコースレイアウトから川崎競馬では次の2つの特徴が生まれます。

◆川崎競馬の特徴◆
①ペースのアップダウンが激しい!
②3〜4角で外を回すことはNG!

①については急コーナーではスピードを上げづらいですから、1〜2角でペースが緩み、向正面でペースが上がり、3〜4角で再度ペースが緩み、直線に向いてラストスパート。これが川崎競馬のセオリーであり、川崎記念も例外ではありません。

◆川崎記念の1F別ラップ◆
2021年:6.7 - 11.3 - 13.1 - 13.8 - 13.0 - 13.8 - 13.8 - 11.9 - 12.3 - 12.6 - 12.6
2020年:7.0 - 11.1 - 11.6 - 13.4 - 12.9 - 13.5 - 13.8 - 11.8 - 12.6 - 13.4 - 13.0
2019年:6.5 - 11.6 - 12.9 - 13.6 - 12.8 - 12.6 - 13.2 - 12.0 - 13.2 - 13.6 - 13.0
2018年:7.0 - 11.5 - 12.9 - 13.8 - 12.8 - 13.9 - 14.2 - 11.7 - 12.3 - 12.7 - 12.1
2017年:7.3 - 11.1 - 12.4 - 13.6 - 12.8 - 13.1 - 14.1 - 12.0 - 12.9 - 13.1 - 12.2

特に、ほぼ毎年1700〜1900mよりも1900〜2100mの方が速いラップを刻んでいることが何よりもその特徴を表しています。このようなラップは中央競馬ではそう多くありませんし、他場でも頻繁に発生するものではありません。つまりは、それだけ3〜4角ではペースを上げづらく、直線に向いてギアを上げる能力が求められるわけです。

ただ、先行勢はそれでいいとして、後方勢は黙っているわけにはいきません。のうのうと先行勢に楽をさせれば前が止まりませんからね。とはいえ、3~4角で外を回すと横方向へのエネルギーを無駄に使ってしまいますから、実際に出ているスピード以上のエネルギーを消費していることになります。その結果、勢いよく外をマクッていっても直線で止まってしまう形になるわけです。これが②の特徴ですね。

その結果、川崎競馬は内先行有利が顕著となり、ペースが上がった場合でも、3~4角を内々で我慢した馬が台頭しやすい形になるのです。中央競馬でいえば、中京競馬場がこの傾向に似ているかなと思います。


川崎記念は芝血統が走りやすい!?

では、川崎記念ではどんな血統が走りやすいのか。

まずは、Blushing Groomに注目です。該当馬は以下の通り。

◆川崎記念でのBlushing Groom内包馬の好走例◆
2021年1着カジノフォンテン(父カジノドライヴ)
2019年2着ケイティブレイブ(母父サクラローレル)
2019年3着オールブラッシュ(母母父Blushing Groom)
2018年1着ケイティブレイブ(母父サクラローレル)
2017年1着オールブラッシュ(母母父Blushing Groom)
2016年1着ホッコータルマエ(母父Cherokee Run)
2015年1着ホッコータルマエ(母父Cherokee Run)
2014年1着ホッコータルマエ(母父Cherokee Run)
2014年2着ムスカテール(父マヤノトップガン)

Blushing Groom
2歳GⅠ4勝と仏2000ギニーを制したRed God産駒らしい早熟芝マイラー。1977年仏2000ギニーでのラチ沿いからスパッと抜け出した末脚はまさにRed God的な俊敏さであった。ただ、1977年英ダービーではラスト1Fで止まってしまった通り、自身は距離に壁のあるマイラー。ところが、種牡馬としてはRainbow Quest(1985年コロネーションC、凱旋門賞)やNashwan(1989年英2000ギニー、英ダービー、エクリプスS、キングジョージⅥ&QEDS)といった中長距離チャンピオンを出しており、母父Wild Riskのスタミナは産駒によく伝わっているようだ。さらに、母母父Tudor MinstrelもHyperionとLady Jurorの粘り強さと機動力を伝えるなかなかに強烈な血筋。母父Blushing Groomのマヤノトップガンやテイエムオペラオーが宝塚記念や有馬記念で見せた完璧な競馬はまさにBlushing Groom的であったといえる。ピッチが速く俊敏で、かつ粘り強く、豊富なスタミナも兼備するのがBlushing Groomという種牡馬だ。

正直、Blushing Groomに限る必要はないんですが、非常にいい成績を残していることは間違いありません。そもそも、Blushing Groomは芝血統ですから出走数自体多くないですからね。重要なのは、Blushing Groomの父Red God、そしてその母Spring Runです。Spring Runは大種牡馬Tom Foolと相似な血の関係にあり、Tom Fool似の俊敏さを子孫に伝えています。スクリーンヒーローがグラスワンダーの産駒でありながら俊敏な走りを見せたのは3代母モデルスポートがTom Fool≒Spring Runの2×3から俊敏さを補ったからで、この特徴はBlushing Groomにももちろん伝わっています。Blushing Groomの方がスタミナを兼ね備えたタイプではありますが、ダ2100mの川崎記念ならむしろこちらの方が優勢でしょう。ですから、2019年1着馬ミツバ(母がTom Foolの6×5・5)のようにTom Foolを直接インブリードする形でも問題ありません。その他、共通点の多いHaloをインブリードする形でも穴馬が出ていますね。

Spring Run
Tom Fool

もうひとつ挙げたいのはKingmambo+Roberto(Mr. Prospector+Roberto+Nureyev≒Sadler's Wells)ですね。該当馬は以下の通り。

◆川崎記念でのKingmambo+Roberto
(Mr. Prospector+Roberto+Nureyev≒Sadler's Wells)の好走例◆

2021年2着オメガパフューム(Mr. Prospector+Roberto+Nureyev)
2020年1着チュウワウィザード(Kingmambo+Roberto)
2020年2着ヒカリオーソ(父フリオーソ)
2013年1着ハタノヴァンクール(キングカメハメハ×ブライアンズタイム)
2013年2着ランフォルセ(Mr. Prospector+Roberto+Nureyev)
2013年3着フリオーソ(Mr. Prospector+Roberto+Nureyev)
2012年1着フリオーソ(Mr. Prospector+Roberto+Nureyev)

Mr. ProspectorとRobertoは母同士が相似な血の関係にあり、Nureyev≒Sadler's Wellsの母系に入るNantallahが加わればさらにその威力は増します。これらを持つ馬は総じてパワーや機動力に優れ、川崎記念適性に期待が持てるのです。

Mr. Prospector
Roberto
Nureyev

他にも手法はありそうですし、これに加えて各馬の追走スピードも合わせて判断していただければ幸いです。

最後に血統面での注目馬を1頭挙げるなら、ヒロイックテイルかなと。
母パーソナルレジェンドは2004年ターンバックジアラームH(米GⅢ、ダ9F)の勝ち馬で、母としてはミラクルレジェンド(2010年クイーン賞、2012年マリーンC、2013年エンプレス杯)やローマンレジェンド(2012年東京大賞典)などを出しています。その父Awesome Againが母父にBlushing Groomを持ち、母自身はSpring Run≒Tom Foolを5×6でインブリード。さらに、本馬は父にスクリーンヒーローを配して、前述の通り3代母モデルスポートがTom Fool血脈と刺激し合う関係です。今年のメンバーでは上位の先行力がありそうですし、穴を開けるならこの馬かなといった印象です。

ヒロイックテイル

冒頭でも触れた通り、当日は川崎競馬公式「パドック解説付インターネット中継」でパドック解説を務めさせていただいておりますので、お時間のある方はぜひご覧くださいませ。https://youtu.be/rbmSHRfDgbE


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