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【種牡馬辞典】Roberto系

Roberto

<プロフィール>
1969年生、米国産、14戦7勝
<主な勝ち鞍>
1972年英ダービー(T12F)
1972年ベイソン&ヘッジズGC(T10.5F)
1973年コロネーションC(T12F)
<代表産駒>
Touching Wood(1982年英セントレジャー、愛セントレジャー)
Lear Fan(1984年ジャックルマロワ賞)
ブライアンズタイム(1988年フロリダダービー、ペガサスH)
<特徴>
父Hail to Reasonは1960年米ホープフルS優勝馬で、母Bramaleaも1962年CCAオークス優勝馬。本馬はRoyal Charger≒Nasrullahの3×3、Blue Larkspurの4×4、Sir Gallahad=Bull Dogの4×6・4などのクロスが成立する父母相似配合馬で、Lady Josephine→Mumtaz Mahal血脈のスピードとBlue LarkspurやSir Gallahad=Bull Dogのパワーが強調された配合形だ。さらに、母が持つSardanapaleの4×4からスタミナも強化されており、同じ父を持つHaloとの比較では瞬発力に劣る反面、パワーとスタミナ面ではこちらが上。2018年最優秀ダートホース・ルヴァンスレーヴや2008年最優秀2歳牡馬・セイウンワンダーのパワーや機動力を支えたのは本馬のインブリードともいえるだろう。また、Mr.Prospectorの母Gold Diggerと本馬の母BramaleaはNashua、Bull Dog、Blue Larkspurなどが共通し、パワー血脈を増幅する効果が見込める。さらに、Mr.Prospector系Kingmamboとの間ではNashua≒Nantallahによりその効果がさらに増す形に。レイデオロ、ラブリーデイ、チュウワウィザード、レッツゴードンキ、デアリングタクトなど両血脈を持つGⅠ馬は挙げれば切りがないが、いずれもパワーや機動力を武器にGⅠを制した馬ばかりである。

-Kris S.

<プロフィール>
1977年生、米国産、5戦3勝
<主な勝ち鞍>
-
<代表産駒>
Prized(1989年BCターフ、1990年サンルイレイS)
シンボリクリスエス(2002、03年天皇賞秋、有馬記念)
Kris Kin(2003年英ダービー)
<特徴>
怪我により3歳での引退となったが、種牡馬としては世界各国で活躍馬を輩出。父Robertoのパワーとスピードを受け継ぎつつ、母父Princequilloからスタミナ面をさらに増強。筋肉量に恵まれながらも柔らかさも兼備しており、日本での代表産駒であるシンボリクリスエス(2002、03年天皇賞秋、有馬記念)とは馬体の輪郭がそっくりである。Turn-to、Princequillo、Occupyなどが共通するHabitatとは相似な血の関係にあり、両馬のニアリークロスは芝向きの軽いスピードを表面化させる効果が見込める。エピファネイアの爆発力はKris S.≒Habitatの2×4に起因するとみていいだろう。

--Arch

<プロフィール>
1995年生、米国産、7戦5勝
<主な勝ち鞍>
1998年スーパーダービー(D10F)
<代表産駒>
Les Arcs(2006年ゴールデンジュビリーS、ジュライC)
Pine Island(2006年アラバマS、ガゼルS)
Arravale(2006年デルマーオークス、EPテイラーS)
Blame(2010年スティーヴンフォスターH、ホイットニーH、BCクラシック)
<特徴>
3代母Courtly Deeから繋がる名牝系で、母母Althea(1984年サンタスザンナS、アーカンソーダービー)はその代表産駒。その仔ヤマニンパラダイス(1994年阪神3歳牝馬S)はJRA最優秀3歳牝馬に輝いており、本馬の母Auroraとは全姉妹の関係にある。本馬はダートで活躍したが、父Kris S.はPrized(1989年BCターフ)やシンボリクリスエス(2002、03年天皇賞秋、有馬記念)、Kris Kin(2003年英ダービー)など芝の一流馬を多く出しており、本馬も種牡馬としては芝とダートを問わず数多くのGⅠ馬を輩出した。さらに、母方に入っての優秀さも目を引き、アイルハヴアナザー(2012年サンタアニタダービー、ケンタッキーダービー、プリークネスS)やコンテスティッド(2012年エイコーンS、テストS)など日本で繁殖として活躍した産駒も少なくない。

--シンボリクリスエス

<プロフィール>
1999年生、米国産、15戦8勝
<主な勝ち鞍>
2002年天皇賞秋(T2000m)
2002年有馬記念(T2500m)
2003年天皇賞秋(T2000m)
2003年有馬記念(T2500m)
<代表産駒>
サクセスブロッケン(2008年ジャパンダートダービー、2009年フェブラリーS、東京大賞典)
アルフレード(2011年朝日杯FS)
ストロングリターン(2012年安田記念)
エピファネイア(2013年菊花賞、2014年ジャパンC)
ルヴァンスレーヴ(2017年全日本2歳優駿、2018年ジャパンダートダービー、マイルCS南部杯、チャンピオンズC)
<特徴>
史上4頭目の有馬記念連覇などGⅠ4勝を挙げて2年連続でJRA年度代表馬に選出された、名種牡馬Kris S.の日本での代表産駒。手足が長く、かつ筋肉量豊富。黒光りする毛色も相まって、その見栄えのする好馬体は誰が見ても素晴らしいと思えるものであった。父父Robertoや母のStriking=Busher≒Blue Eyed Momoなどからパワーを受け継ぎ、Royal Charger≒NasrullahやOccupyなどからスピードを継承。Princequilloの3×7からスタミナにも富み、種牡馬としては馬場も距離も問わない万能種牡馬として大活躍した。さらに、Northern DancerやMr.Prospector、サンデーサイレンスなどを持たないため、昨今は異系血脈としても重宝される存在となっている。

---エピファネイア

 <プロフィール>
2010年生、ノーザンファーム産、14戦6勝
<主な勝ち鞍>
2013年菊花賞(T3000m)
2014年ジャパンC(T2400m)
<代表産駒>
デアリングタクト(2020年桜花賞、オークス、秋華賞)
エフフォーリア(2021年皐月賞、天皇賞秋、有馬記念)
サークルオブライフ(2021年阪神JF)
<特徴>
名牝シーザリオ(2005年オークス、アメリカンオークス)の3番仔として生まれ、きょうだいにはリオンディーズ(2015年朝日杯FS)やサートゥルナーリア(2018年ホープフルS、2019年皐月賞)などがいる超良血馬。母のSadler's Wells的硬さをKris S.≒Habitatの2×4などで解消した配合形が素晴らしく、2014年ジャパンCで見せた雄大なフットワークはまさに本馬の良さを表現した走りであった。種牡馬としては同世代のキズナにアベレージでは劣るが、デアリングタクト(2020年桜花賞、オークス、秋華賞)、エフフォーリア(2021年皐月賞、天皇賞秋、有馬記念)と連続して大物を輩出。スタミナと鋭い末脚に優れ、大種牡馬ディープインパクト亡き芝中長距離路線を牽引する一頭として今後の活躍が期待される。

-Silver Hawk

<プロフィール>
1979年生、米国産、8戦3勝
<主な勝ち鞍>
1982年クレイヴァンS(T8F)
<代表産駒>
Benny the Dip(1997年英ダービー)
グラスワンダー(1997年朝日杯3歳S、1998、99年有馬記念、1999年宝塚記念)
ムタファーウエク(1999年英セントレジャー、2000年ドイツ賞、カナディアンインターナショナルS、2001年コロネーションC)
<特徴>
母Gris Vitesse(1969年ジャックルマロワ賞)は父に長距離馬Amerigoを持ち、母は生粋のフランス血統馬。Robertoを父に配した本馬も欧州血脈から受け継ぐスタミナと馬力が持ち味であり、勝ち鞍は芝のマイル以下に限られるものの、英ダービー3着、愛ダービー2着の実績も残している。種牡馬としてはBenny the Dip(1997年英ダービー)やグラスワンダー(1997年朝日杯3歳S、1998、99年有馬記念、1999年宝塚記念)、ムタファーウエク(1999年英セントレジャー、2000年ドイツ賞、カナディアンインターナショナルS、2001年コロネーションC)を筆頭に中長距離馬を多く出した。また、掻き込みの強いフットワークも特徴的で、グラスワンダーの独特の走法は父譲りのものとみていいだろう。

--グラスワンダー

<プロフィール>
1995年生、米国産、15戦9勝
<主な勝ち鞍>
1997年朝日杯3歳S(T1600m)
1998年有馬記念(T2500m)
1999年宝塚記念(T2200m)
1999年有馬記念(T2500m)
<代表産駒>
スクリーンヒーロー(2008年ジャパンC)
セイウンワンダー(2008年朝日杯FS)
アーネストリー(2011年宝塚記念)
ビッグロマンス(2010年全日本2歳優駿)
<特徴>
1998年有馬記念、1999年宝塚記念、有馬記念とグランプリレースを3連覇したSilver Hawkの代表産駒の一頭。父譲りの掻き込みの強い走法が特徴的で、しなやかなストライド走法で走った同世代のスペシャルウィークとは対極的な存在だ。広い東京競馬場で輝いたスペシャルウィークと小回りのグランプリレースで無類の強さを見せたグラスワンダーではカテゴリーこそ似たものの得意とする舞台はまるで正反対であった。4代母Soaringに遡る名牝系の一族。母母Graceful TouchはHyperion、Beau Pere、Apelleなどをインブリードしたスタミナ豊富な繁殖牝馬で、母AmerifloraはTribulation(1993年クイーンエリザベスⅡ世チャレンジCS)の全姉。本馬はアメリカ産の日本調教馬だが、全妹Wonder Again(2002年ガーデンシティH、2004年ダイアナH)はアメリカでGⅠ馬に輝いている。種牡馬としてもスクリーンヒーロー(2008年ジャパンC)やアーネストリー(2011年宝塚記念)などを出して一定の成功を収め、スクリーンヒーロー→モーリスと父系は継続中。パワーとスタミナに優れ、その特徴は子孫に脈々と伝わっている。ただ、本馬の特徴は牝馬では活きづらく、牝馬の産駒の重賞勝利はフェリシア(2004年フェアリーS)の1勝のみ。この傾向もスクリーンヒーロー→モーリスに継承されている。

---スクリーンヒーロー

 <プロフィール>
2004年生、社台ファーム産、23戦5勝
<主な勝ち鞍>
2008年ジャパンC(T2400m)
<代表産駒>
モーリス(2015年安田記念、マイルCS、香港マイル、2016年チャンピオンズマイル、天皇賞秋、香港C)
ゴールドアクター(2015年有馬記念)
ウインマリリン(2022年香港ヴァーズ)
<特徴>
8代母La Troienneに遡る名牝系の一族。4代母マジツクゴデイスはDomino→Commando血脈を豊富に受け継ぎ、3代母モデルスポートはTom Fool≒Spring Runを2×3でインブリード。モデルスポートが1978年スプリンターズS3着、母母ダイナアクトレスが1988年スプリンターズS優勝などスピード豊富な牝系であり、本馬はパワー自慢の多いグラスワンダー産駒ながら2008年ジャパンCを制するなど東京での瞬発力勝負にも難なく対応して見せた。そして、そのスピードを持ち合わせていたからこそ衰退気味の父系の立て直しに成功し、名マイラー・モーリス(2015年安田記念、マイルCS、香港マイル、2016年チャンピオンズマイル、天皇賞秋、香港C)を筆頭に、数多くの活躍馬を輩出している。ただ、牡馬に活躍馬が偏っている点は父の産駒らしさといえるか。

-リアルシヤダイ

<プロフィール>
1979年生、米国産、8戦2勝
<主な勝ち鞍>
1982年ドーヴィル大賞(T2700m)
<代表産駒>
シャダイカグラ(1989年桜花賞)
イブキマイカグラ(1990年阪神3歳S)
ライスシャワー(1992年菊花賞、1993、95年天皇賞春)
<特徴>
母は米3歳、古馬牝馬チャンピオンに輝いた名牝Desert Vixen(1973年モンマスオークス、デラウェアオークス、テストS、アラバマS、ガゼルH、1973、74年ベルダムS、1974年マッチメーカーS)で、本馬は米イヤリングセールで吉田善哉氏が36万ドルで落札。1982年ドーヴィル大賞を制したほか、仏ダービー2着やサンクルー大賞3着などフランスの芝長距離路線で活躍した。引退後は日本で種牡馬となり、ライスシャワー(1992年菊花賞、1993、95年天皇賞春)やステージチャンプ(1995年ステイヤーズS)など長距離馬を多数輩出。ブルードメアサイアーとしても、天皇賞馬イングランディーレ、アドマイヤジュピタのスタミナ源として彼らを支えた。

-Lear Fan

<プロフィール>
1981年生、米国産、8戦5勝
<主な勝ち鞍>
1984年ジャックルマロワ賞(T1600m)
<代表産駒>
Labeeb(1995年ハリウッドダービー)
Ryafan(1996年マルセルブサック賞、1997年クイーンエリザベスⅡ世チャレンジCS、イエローリボンS、メイトリアークS)
Tiraaz(1998年ロワイヤルオーク賞)
<特徴>
Roberto×Lt. Stevens×War AdmiralというRoberto系屈指のパワー型種牡馬。Nashua≒Nantallahの3×3が最大の特徴で、立ち肩で前捌きが硬く、掻き込みの強いフットワークは子孫にもよく伝わっている。特に、Lt.Stevensを増幅する形ではその特徴が強調され、Lt. Stevens=Thongを併せ持つオーロマイスター(2010年マイルCS南部杯)やサトノガーネット(2019年中日新聞杯)の走りにはLear Fan譲りの力強さを感じる。そして、その最たる成功馬が2013、18年北米リーディングサイアーKitten's Joy(2004年セクレタリアトS、ターフクラシック招待S)であり、その仔ジャンダルム(2022年スプリンターズS)はその影響を多分に受けた活躍馬といえるだろう。

-ブライアンズタイム

<プロフィール>
1985年生、米国産、21戦5勝
<主な勝ち鞍>
1988年フロリダダービー(D9F)
1988年ペガサスH(D9F)
<代表産駒>
ナリタブライアン(1993年朝日杯3歳S、1994年皐月賞、日本ダービー、菊花賞、有馬記念)
マヤノトップガン(1995年菊花賞、有馬記念、1996年宝塚記念、1997年天皇賞春)
サニーブライアン(1997年皐月賞、日本ダービー)
タイムパラドックス(2004年ジャパンCダート、2005年川崎記念、帝王賞、2005、06年JBCクラシック)
フリオーソ(2006年全日本2歳優駿、2007年ジャパンダートダービー、2008、10年帝王賞、2011年川崎記念、かしわ記念)
<特徴>
1988年フロリダダービー、ペガサスHを制し、引退後は日本で数多くのGⅠ馬を輩出した大種牡馬。Roberto×Graustark×Hasty Road×Eight Thirtyから強靭なパワーと豊富なスタミナを継承しており、特に大レースに強い底力は凄まじいものがある。腹袋の立派な馬体が特徴的で、繋も立ち気味。芝の高速化に伴い本馬のパワーは活きづらくなったが、ハイペースや道悪馬場、ダート戦では相変わらず強い存在感を示している。種牡馬Dynaformerとは血統構成が酷似しており、近々ブライアンズタイム≒Dynaformerのパワー自慢が出てくるだろう。

--マヤノトップガン

 <プロフィール>
1992年生、川上悦夫産、21戦8勝
<主な勝ち鞍>
1995年菊花賞(T3000m)
1995年有馬記念(T2500m)
1996年宝塚記念(T2200m)
1997年天皇賞春(T3200m)
<代表産駒>
プリサイスマシーン(2006年スワンS)
メイショウトウコン(2007年東海S、2008年ブリーダーズGC)
ムスカテール(2013年目黒記念)
<特徴>
1995年菊花賞、有馬記念などを制し、同年年度代表馬に輝いたトップステイヤー。母母Swissが持つHyperionの4・5×4がスタミナの源泉であり、本馬はFlower Bowl≒My Hostの4×4でスタミナとパワーをさらに強化した配合形だ。ブライアンズタイム産駒らしく胸が深く、筋肉量も豊富なため、3歳時にはダートでも2勝を挙げている。母母父Vaguely Noble譲りの掛かり癖が玉に瑕。種牡馬としても芝とダートを問わずスタミナ豊富な産駒を多く出し、代表産駒であるメイショウトウコン(2007年東海S、2008年ブリーダーズGC)は2008年ジャパンCダートでカネヒキリ、ヴァーミリアンと接戦を演じるなど一線級で活躍して見せた。

--タニノギムレット

<プロフィール>
1999年生、カントリー牧場産、8戦5勝
<主な勝ち鞍>
2002年日本ダービー(T2400m)
<代表産駒>
ウオッカ(2006年阪神JF、2007年日本ダービー、2008、09年安田記念、2008年天皇賞秋、2009年ヴィクトリアマイル、ジャパンC)
<特徴>
2002年日本ダービー馬。母タニノクリスタルは1951年仏ダービー馬Sicambreを3×4でインブリードした配合形で、本馬のブライアンズタイム産駒らしからぬしなやかさは母譲りのそれだ。さらに、Graustarkの3×4から非凡な底力も継承しており、代表産駒であるウオッカ(2006年阪神JF、2007年日本ダービー、2008、09年安田記念、2008年天皇賞秋、2009年ヴィクトリアマイル、ジャパンC)やスマイルジャック(2008年スプリングS)の大レースでの強さは本馬譲りといえるだろう。

-Dynaformer

<プロフィール>
1985年生、米国産、30戦7勝
<主な勝ち鞍>
1988年ジャージーダービー(D10F)
1988年ディスカバリーH(D9F)
<代表産駒>
Barbaro(2006年フロリダダービー、ケンタッキーダービー)
Lucarno(2007年英セントレジャー)
Blue Bunting(2011年英1000ギニー、愛オークス、ヨークシャーオークス)
Point of Entry(2012年マンノウォーS、ソードダンサー招待S、ターフクラシック招待S、2013年ガルフストリームパークターフH、マンハッタンH)
<特徴>
母Andover Wayは1982年トップフライトH優勝馬で、アメリカ産馬らしい強靭なパワーとHyperionの4×4由来の豊富なスタミナを伝える繁殖牝馬。本馬自身も立ち肩のパワー型であり、力のいる馬場には滅法強い。母父Dynaformerのグランシルク(2017年京成杯AH)の走りには本馬の影響を多分に感じることができた。大種牡馬ブライアンズタイムとは血統構成が酷似しており、近々ブライアンズタイム≒Dynaformerのパワー自慢が出てくるだろう。

-Red Ransom

<プロフィール>
1987年生、米国産、3戦2勝
<主な勝ち鞍>
-
<代表産駒>
Ekraar(2003年伊ジョッキークラブ大賞)
Casual Look(2003年英オークス)
Electrocutionist(2005年ミラノ大賞、英インターナショナルS、2006年ドバイワールドC)
<特徴>
故障により僅か3戦で引退となるも、種牡馬としては世界中でGⅠ馬を輩出したRoberto系の名種牡馬。母母Christmas WindがNearcoの2×4、父RobertoがRoyal Charger≒Nasrullahの3×3を経由したNearcoの4×4を持つのに対し、母父Damascusが同血脈を1本も持たない配合のバランスが素晴らしい。産駒のGⅠタイトルのほとんどは芝でのものだが、距離は短距離から長距離まで幅広く、日本ではロックドゥカンブ(2007年ラジオNIKKEI賞、セントライト記念)が2007年菊花賞3着などの実績を残した。

--Intikhab

<プロフィール>
1994年生、米国産、14戦8勝
<主な勝ち鞍>
1998年クイーンアンS(T8F)
<代表産駒>
パイタ(2004年クリテリウムドサンクルー)
Red Evie(2006年愛メイトロンS、2007年ロッキンジS)
Snow Fairy(2010年英オークス、愛オークス、2010、11年エリザベス女王杯、2012年愛チャンピオンS)
<特徴>
5代母Lady Be Goodに遡る名牝系で、母母Zienelleは仏マイルGⅠ2勝馬Polish Precedentの全姉という良血。本馬は幅広い距離カテゴリーでGⅠ馬を輩出したRed Ransom産駒だが、Nearcticの4×5やRoyal Charger≒Nasrullahの5・5×6・7などからスピードが強化されており、現役時代は1998年クイーンアンSを制すなど芝のマイラーとして活躍した。種牡馬としては強いインブリードを持たないため、Snow Fairy(2010年英オークス、愛オークス、2010、11年エリザベス女王杯、2012年愛チャンピオンS)などの中長距離馬も出したが、産駒のGⅠ馬3頭がいずれも牝馬という点は大きな特徴で、Lady Be Good牝系らしい典型的なフィリーサイアーであった。日本では同牝系のキングヘイローが繁殖牝馬の父として注目されているが、本馬も2017年最優秀2歳牡馬ダノンプレミアムを出すなど母方に入って価値の高まる種牡馬といえるだろう。


≪坂上 明大(Sakagami Akihiro)≫
 1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
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