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ディープインパクト産駒の考察【2021ジャパンカップ予想_外国馬見解有り】

今日2021年11月28日はジャパンカップの開催日。
そして英雄の息子コントレイルの引退レースです。
コントレイルが日本総大将としてジャパンカップを優勝できたら良いなと思っています。

ジャパンカップのnoteとディープインパクト産駒のnoteは別々に出そうと思っていたのですが、同じレースへの予想がメインとなる為このnoteにまとめます。(時間の都合もありますが)

まずはディープインパクト産駒が今回のジャパンカップで好走できるのか、過去のディープ産駒のG1傾向から分析、なぜディープインパクト産駒の牡馬が古馬になって活躍できないのか、その後外国馬のジャパンカップにおける分析。最後に結論を出していきたいと思います。


ディープインパクト産駒のG1成績

JRA芝G1のみ

ディープ①

ディープ産駒は芝G1で65勝もしていします。これはサンデーサイレンスの70勝に次ぐ記録でまだ産駒がいることを考慮すれば70勝の更新もあるかもしれません。
ちなみに3位はブライアンズタイムの23勝です。

牡馬牝馬での違い(芝G1)

ディープ②

同じく芝G1を牡馬と牝馬で成績を見てみましたが、少し牝馬の方が良いものの勝ち星はほぼ一緒です。
牡馬よりも牝馬の活躍馬が多いフィリーサイアーと言われているわりには、ここでの差は少ないです。

性別×年齢別(芝G1)

ディープ③

2歳3歳では牡馬の方が活躍が目立つのに対し、古馬になり4歳の成績を見ると牝馬は今まで通り活躍しているが牡馬が急に勝てなくなるのが分かります。4歳牡馬でG1を勝ったのは春天のフィエールマンだけです。

ディープ牡馬は3歳までのか、、と思ったら5歳では勝ち星を伸ばし、6歳でも勝利しています(牝馬は有力馬引退するので0)。
5歳で復活するの!?と思うかもしれませんが、この中の7頭に春のクラシックで勝利した馬はアルアイン1頭だけです。
他の馬は短距離路線のG1馬や3歳秋以降に力をつけてきた馬クラシックでは勝てなかった馬で路線変更した馬でした。

ちなみに日本ダービーで3着以内のディープインパクト産駒は過去に13頭(7勝2着3回3着3回)いますが、その後古馬になってG1を勝った馬は1頭だけでマイルに路線変更したダノンキングリーだけです。

というか3歳春に東京芝2400の日本ダービーに出る事自体がディープインパクト産駒にとって負担です。(青葉賞勝ち馬3頭もその後ダメダメ)

ダノンキングリー→安田記念1着(ダービー2着)
リアルスティール→ドバイデューティーフリー1着(ダービー4着)
アルアイン→大阪杯1着(ダービー5着)
トーセンラー→マイルCS1着(ダービー11着)
スピルバーグ→天皇賞秋1着(ダービー14着)
ダービーに出走したディープインパクト産駒は過去47頭いますが、そのうち13頭が3着以内、しかし全47頭で古馬G1を勝ったのは5頭しかいないのです。

春のクラシックはまさしく種牡馬選定のためにあり、日本ダービーはその最高峰です。
そこに向けて仕上げられたディープ産駒は早い段階で燃え尽き、とくに日本ダービーで好走した馬ほど古馬で活躍する力が残りません。

これは古馬になってG1を勝った馬たちが示しています。
フィエールマン(ダービー未出走、菊花賞、春天勝ち)
ミッキーアイル(ダービー未出走、NHKマイル、マイルCS勝ち)
リアルスティール(ダービー4着、ドバイDF勝ち)
トーセンラー(ダービー11着、マイルCS勝ち)
ダノンシャーク(ダービー未出走、マイルCS勝ち)
アルアイン(ダービー5着、皐月賞、大阪杯勝ち)
ダノンキングリー(ダービー2着、安田記念勝ち)
スピルバーグ(ダービー14着、秋天勝ち)
サトノアラジン(ダービー未出走、安田記念勝ち)
ワールドプレミア(ダービー未出走、菊花賞、春天勝ち)

またこれらの馬たちが後に勝利したG1がマイルが多いこと、軽い京都競馬場が大半であること、2400Mの距離で0勝であること。
これはとても特徴的です。

キズナもサトノダイヤモンドもマカヒキもダノンプレミアムもワグネリアンもダービーで活躍したディープの上級産駒が通算10戦前後で衰えてきているところも見逃せない事実です。

ディープ牡馬の場合、種牡馬選定競争の最高峰日本ダービーに向けて仕上げられた産駒は燃え尽きるのが早く、古馬になって力を出せないこと、そして通算10戦前後に衰えを見せ始めるという傾向があります。

まさに気力、体力の限界なのかもしれません。

馬体重について

個人的にずっと思っていたのが、ディープ牡馬が古馬になって今までどおりの活躍をしなくなる理由として馬体重の増加があります。
大阪杯のコントレイルもそうでしたが、ムキムキの完璧仕上げに見えてもそれは日本の芝中長距離を走るには無駄な筋肉なのです。
牡馬は牝馬より筋肉含め大型になりやすく、キレに必要な柔軟性が失われる、これらが牡馬が古馬になって以前より衰えてみえる要因の一つになっています。
古馬のディープ産駒がG1でマイルなら活躍が多いことも、筋肉型が短距離レースに向いていることと合致しています。

とくに500キロを超えてくるディープ牡馬は古馬の中長距離になって厳しいですし、クラシックで活躍していたころより馬体重が増えすぎている牡馬は日本の芝中長距離向きのバランスを失っている可能性が高いです。
コントレイルは前走秋天で馬体重が減っていたのは好材料。
今回は馬体重460キロくらいだったら良いなと思ってます。

斤量について

ディープの古馬牡馬を語るときに斤量は必ずついてまわります。
古馬になって活躍できなくなる要因として大きいからです。
ディープ牡馬が古馬で活躍しづらいのに対し、ディープ牝馬が活躍できるのは斤量を背負っても56キロということが大きいです

そしてディープ牡馬は古馬になると58キロ以上を背負うケースが出てきます。
ディープインパクト自身、58キロでG1を勝ったのは軽い京都競馬場でしかありません。この傾向は産駒に受け継がれています。
ディープインパクト産駒は58キロになると明確にパフォーマンスを落とします。

そのディープの傾向を受け継いだ産駒たちが58キロでG1で好走するには、別の血統の後押しを受ける必要があります。
それが底力に溢れたノーザンダンサーの血です。
ディープ産駒にとって厳しい58キロの斤量を克服するには、母父か母母父にノーザンダンサーの血を持つことが条件になります。

この血統条件を満たさないディープ産駒で。G1を58キロ以上で馬券になったのは過去2頭しかいません。
ダノンバラード
コントレイル
この2頭だけです。

58キロ以上でG1で3着以内になった残りの15頭は母父か母母父にノーザンダンサー系の血がありました。
コントレイルはともかくもう一頭がダノンバラードって微妙と思うかもしれませんが、2頭とも母父アンブライドルド系でありノーザンダンサーの血は遠いけどもしかするとここに秘密はあるのかもしれません。

コントレイルについての見解

ここまでディープ産駒の牡馬が古馬で活躍できるかどうかについて過去データから見てきましたが、お察しのとおりコントレイルにはかなり厳しいデータです。2400G1で勝利したディープの古馬牡馬がいないこと、今回で11走目というのもギリギリのギリだと思います。

ただ母系のノーザンダンサーの血が薄いディープ牡馬で例外的に古馬になりG1で好走していること。そしてディープ産駒唯一の無敗の3冠馬であること。

これらは今までのデータを打ち破る可能性を秘めていると思います。
名騎手となった福永を背に有終の美を飾って欲しい、そう願っています。


ジャパンカップの外国馬

ジャパンカップで外国馬が優勝したのは2005年のアルカセットが最後。
3着以内馬も2006年のウィジャボードが最後です。
競馬歴15年の人でも見たことあるかどうか、、
馬券検討は日本馬だけで良い、そうなってもおかしくないです。

なぜ外国馬がジャパンカップで活躍できなくなったのか。
それは馬場の違いがあると言われています。
軽い高速馬場として発展した日本の芝。
逆にヨーロッパは重い芝。軽い芝と言われているアメリカの芝はレースレベルが低い。
なので日本の芝G1で外国馬が活躍しづらくなった。
これは正解だと思いますし、今後もその傾向は続くでしょう。
過去にも凱旋門賞馬が何頭もジャパンカップに挑戦しますが、日本馬が返り討ちにしてきました。

ただ今年はどうでしょうか?

実はジャパンカップで活躍する外国馬を見抜く方法があります

1986年の第1回ジャパンカップから出走した全外国馬を調べて気づきました。
そもそも当たり前のことだったんです。
日本の馬場に適性のある強い外国馬はジャパンカップで好走する。

当たり前すぎてどうなのって思うかもしれませんが、実はこの条件に当てはまる外国馬って2000年以降で3頭しか出走していないんですよ。

ずばりその条件についていうと、この2つです。

①ヨーロッパの(牝馬限定除く)芝中長距離(2000~2400)G1で連対
②アメリカの芝中長距離(2000~2400)G1で連対

これを両方満たした馬はジャパンカップで好走します。

・2009年コンデュイット→4着
・2006年ウィジャボード→3着
・2000年ファンタスティックライト→3着
2000年以降に出走した外国馬延べ85頭で①と②の条件を満たす馬は上記3頭だけです。

しかも1999年以前の優勝馬や活躍馬を見てみると同じ傾向を持つ馬のほとんどが好走していることが分かりました。

・1996年シングスピール→1着
・1995年エルナンド→3着
・1991年ゴールデンフェザント→1着
・1990年オード→2着
・1990年カコイーシーズ→3着
・1987年ルグロリュー→1着

しかもヨーロッパの左回りG1で連対している馬の率が高い。
アメリカ競馬は全て左回りなので、両方で左回り適性を証明していることになり、より東京競馬場でパフォーマンスを発揮できているのだと思います。
それがこちらの馬たちです。
・ウィジャボード
・ファンタスティックライト
・シングスピール
・ゴールデンフェザンド
・オード

ヨーロッパとアメリカ両方の芝2000~2400のG1で連対経験があり、ヨーロッパの左回り芝G1で連対実績がある。
この条件を満たす馬はレベルの高いヨーロッパでの実績、軽い馬場への適性、左回りへの適性があるということでジャパンカップで好走する可能性が高いのだと思います。

今回好走する外国馬がいる

もうお気づきでしょうが、今年のジャパンカップに外国馬の好走条件を満たす馬がいます。

その馬の名前は
ブルームです。

父母であるウィジャボードと同じく、ブリーダーズカップターフで見せた軽い馬場への適性。
ヨーロッパのG1を勝ち切る強さ、サンクルー大賞でも見せた左回り適性。
クールモア×オブライエンのエースであるムーアが乗る事からここは勝負でしょう。

あと実はジャパンも条件を満たしている。。。

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