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CBC賞 2021 傾向分析と簡易全頭診断

今年は小倉芝1200mで実施されるスプリント重賞。
元々は中京競馬場で行われているレースだが、変則開催で去年は阪神。
過去に小倉で行われたのは1999年まで遡る。
近年のレース結果から今年の予想に結び付けるのは正しくないだろう。
今回は小倉芝1200mの過去データから好走する血統傾向を導き出し、その後の全頭診断にも繋げていきます。

それでは予想を始めます。

小倉芝1200の種牡馬傾向(直近5年間)

■全レース

小倉芝1200全レース直近5年間

新馬から重賞までの全クラスでの成績をまとめると、産駒デビューから4年のロードカナロアが1位。勝率、連・複勝率も悪くない。2位が短距離種牡馬界のエース、ダイワメジャー。3位がディープインパクトと続く。この段階では中長距離のイメージが強いルーラーシップや、ダート短距離のヨハネスブルグも上位にランクインしている。

■1000万条件~重賞の全レース(新馬、未勝利、500万を除く)

小倉芝1000万条件以上のみ直近5年間

次に新馬、未勝利、500万条件を除いて集計してみると、先ほどとは傾向が変わってくる。3位までの種牡馬に変動は無いが、4位だったキンシャサノキセキが8位に、6位にいたルーラーシップ、7位のヨハネスブルグは圏外に消える。レースレベルが上がることにより1勝馬クラスであれば通用する平均的能力の高い種牡馬や、本質的に長距離向きの種牡馬ダート系種牡馬では通用しなくなるということがありそうだ。
この段階ではサンデー系種牡馬が6枠を占めている。

■1600万条件~重賞の全レース(新馬、未勝利、500万、1000万を除く)

小倉芝1600万条件以上のみ直近5年間

※6番目はスクワートルスクワート
次に先ほどのデータから1000万条件を除き、1600万条件~重賞までのデータのみを見てみるとまた傾向が変わってくる。1位のロードカナロアが陥落し3位へ、3位だったディープインパクトは10位まで落ちている。ともに勝率も一桁になっているが、ディープは連対率、複勝率も落ちていることがわかる。万能のディープインパクトと言えども、本質的にはマイル以上で力を発揮する産駒が多くスプリントでレベルが高くなるとついていけなくなるということだろう。
もちろん上位クラスのみになればデータの母数が少なくなることでデータの信頼性という意味では不確かなものになってくるが、出走頭数の多いディープ産駒でもあり予想する際の記憶に片隅においても良さそうだ。

データ取得期間で出走20回以上の種牡馬も3頭のみになる。その中で上位の成績を残しているダイワメジャーは他種牡馬よりもこのコースに適性があると言える。また勝率は落ちているが出走20回以上で複勝率28%以上のロードカナロアもやはり要注意種牡馬だ。
そしてここに来て9位にサクラバクシンオーがランクインしていることも見逃せない。種牡馬引退時期の影響もあり、直近5年全体では活躍している産駒が少なかったが、さらにその前の5年間では圧倒的に1位の実績を残している種牡馬だ。ここにランクインしているのも2016年と2017年の活躍によるもので、馬券内に入った5回は4頭の活躍によるものだった。種牡馬として高いレベルでのこのコースへの適性があったことを示している。

■1600万条件以上で3着以内になったサンデー系種牡馬の産駒
(ダイワメジャー産駒除く)

サンデーー系種牡馬(ダイワメジャー除く)

上記を見ていただくとわかるが、小倉芝1200mの1600万条件~重賞ではほとんどの産駒で母系にストームキャット、Danzig、デピュティミニスター系(フレンチデピュティ、クロフネなど)、ノーザンテーストがあることが分かる。それらを含まない馬は牝馬であったり2歳での実績で、古馬のオープンや重賞で通用したという結果にはなっていない。

■そもそも小倉芝1200の上級条件で馬券になる馬は

小倉芝1200上級条件で馬券になった馬50頭

上の表は直近5年間の小倉芝1200m、1600万条件~重賞で2歳限定レースを除いたレースで馬券になった50頭全てです。
この50頭の中で色付けしてある8頭を除く42頭は5代血統表内に、Danzig、ストームキャット(もしくはstorm bird)、デピュティミニスター、ノーザンテストのいずれかを含んでいます。
小倉芝1200mの上級条件で馬券を買う際はこれらが重要血統になります。
2021年7月3日の小倉芝1200mでもこれらの傾向はそのままでした(下級条件でしたが)

■重要血統対象外で馬券になった競走馬

エントリーチケット
1600万条件1着
重馬場での差し馬

アンナミルト
1600万条件1着

アレスバローズ
重賞1着
ハイペースで差せる馬場を内枠ぴったりまわって直線抜け出す
母系にトニービン

プレイズエターナル
1600万条件2着

アダムバローズ
1600万条件2着

ラインスピリット
重賞3着
後にG1で3着になる馬でそもそも強かった
母系にトニービン

クリノアリエル
1600万条件3着

アウィルアウェイ
重賞3着
稍重で差しのきくタフな流れ
父系内にトニービン

これを見ると、基本的には通用しても1600万条件までで、重賞クラスになると差せる条件が整っていて血統内にトニービンがあることが共通点。

小倉芝1200m重賞の攻略ポイントとしては、血統にDanzig、ストームキャット(もしくはstorm bird)、デピュティミニスター、ノーザンテーストを持つ馬から軸を決めて基本的にはそれらの馬のボックス、差せる展開の場合はトニービンを持つ馬を紐に入れるのが良さそうだ。

全頭診断(簡易)

タイセイビジョン

父タートルボウル×母父スペシャルウィーク
母系の4代前にノーザンテースト有り。
重賞勝ち馬ではあるが、前が止まらない可能性がありこの距離短縮は厳しい。差せる馬場になれば可能性は出てくる。
評価:C

メイショウケイメイ

父ワークフォース×デュランダル
母系の4代前にノーザンテースト、5代前にDanzig有り。
この成績から一変は無いはず。
追い込み馬でもありここは厳しい。
評価:D

ファストフォース

父ロードカナロア×母父サクラバクシンオー
4代前までにストームキャット、Danzig、ノーザンテーストが有り、血統的には今回のメンバーでも有力馬。
小倉芝1200mでの勝ち星もあり、高速タイムに対応できるかどうかは血統の可能性にかけてみたい。
小倉でキングシャーク次男が乗るのも魅力。
評価:A

クリノアリエル

父ディープインパクト×母父ブライアンズタイム
血統表内にこのレースでの重要血統も持たない。重馬場での差し決着になるとも考えづらくここは厳しい。
評価:D

クーファウェヌス

父フランケル×母父ジャイアンツコーズウェイ
4代前までにDanzigとストームキャット有り。血統的にはファストフォースと並んで特注馬。一度調子を崩して前走盛り返したフランケル産駒がここで連続好走できるかどうか注意は必要。
ただハンデ戦で酒井神が51キロ騎乗というのは魅力。前走から4キロ減というのは酒井神がハンデ戦で穴を空ける時の確率としてかなり高くなっている。見え見え過ぎて罠感が満載だが7~9番人気なら絶対に買う。
評価:A

ビオグラフィー

父ロードカナロア×母父サンデーサイレンス
4代前までにストームキャットとノーザンテースト有。血統的にはこの馬も注目。前走逃げて好走したことで人気しているのは残念だがこのコースは向くだろう。ただしこれだけ高速馬場だと短縮で臨むのは前に取り付きづらい可能性がありそこは懸念点。
評価:B

プリカジュール

父アーネストリー×ヴィクトリーギャロップ
4代前までにDanzig2本とノーザンテースト、さらにトニービンが有る。前に行ければかなり面白いと思うがここはさすがに厳しいはず。
小倉1200m重賞で軽ハンデというと乗り替わりで勝った時の角田父を思い出すがどうか。
評価:C

メイショウチタン

父ロードカナロア×母父マイネルラブ
父系3代前にストームキャット有り。前走好走して距離短縮のロードカナロアは魅力。高速馬場で前が速すぎても止まらず、後ろすぎると届かない可能性があるので、ある程度前につけて差せるこの馬にはチャンス有り。
評価:A

ヨカヨカ

父スクワートルスクワート×母父デインヒルダンサー
4代前にDanzigとヴァイスリージェントが有る。血統的にも能力的にも期待が持てる1頭だが、実績はまだ世代限定のものであり、1番人気として買うほど力が抜けているとは思えない。
評価:B

アウィルアウェイ

父ジャスタウェイ×母父キングカメハメハ
血統表内にこのレースでの重要血統を持たない。去年同コース重賞で3着しているが稍重ハイペースで差しの効く流れだった。トニービン持ちでもありそういう流れが想定されるなら紐には押さえても良い。
評価:C

ピクシーナイト

父モーリス×母父キングヘイロー
5代前にノーザンテースト2本とDanzig有り。逃げるかハイペース好位差しが向く馬だと思うので、この距離短縮とこの馬場では厳しいか。騎手はこのコース得意だが、今回はこの馬の適性には合わないと思う。
評価:C

メイショウカリン

父ケイムホーム×母父デインヒル
3代前にDanzig有り。4代や5代前に重要血統がある馬よりもそこは良さそう。このコースのオープンで凡走しており、近走の状況からも馬券の優先順位は上げづらい。騎手的にも追い込み競馬になるはず。速い上がりは使えているので血統を考慮して紐に抑えるところまでか。
評価:C

ノーワン

父ハーツクライ×カーリアン
血統表内にこのコースでの重要血統を持たない。トニービン持ちでもあるし、近走凡走しているとはいえ速い上がりを使えている。阪神カップ5着の実績もあるのでハマり待ちの馬だがここは向かないはず。
かなり不気味ではある。
評価:D



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