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もう止めよう、「季節外れ」とか言うの

日本人は「四季」がめちゃくちゃ好きだ、と思う。

清少納言も「春は夜明けが素敵ンゴねえ…もちろん夏も秋も冬も良いところクッソ沢山あるで」みたいな事言ってた。春夏秋冬を慈しむ気持ちは古来より日本に根付いてきたものだ。たまたま彼女が初めてその気持ちを言語化しただけで(多分)、土器にせっせこ縄の模様をつけてた頃も、さらにその前の人間なんだか猿なんだかわからない状態の頃だって日本人はおそらく春夏秋冬を慈しんでいただろう。

その気持ちは否定しない。それどころかむしろ僕はかなり春夏秋冬をリスペクトしていて、「今はこの季節だからこういう色の服買おう」とか常に思ってる。今は「冬になったから折角だし雪降らないかな~」とも思っている。ただ、毎年の事だが雪そのものは2秒で飽きて、完全に溶けるまでの2週間ほど「ツルツル滑るし最悪」「単に災害」などと憎悪を燃やしている。

ただし、やることなすこと季節に合わせるのもどうかと思っている。「スイカ割り」で連想する季節は?と聞かれたら99.9%の人が夏と答えるだろう。でも秋冬ならともかく春頃ならスーパーにスイカは並んでいる。それなら別に春からスイカを割っていても道理にはかなっている。

でも、5月にスイカ割りをしている連中を見たら人々はおそらく「狂衆(きょうしゅう)」のレッテルを貼って来るだろう。最悪、通報してくるかもしれない。

何ともおかしな話だと思う。スイカ割りの面白さは「目隠しをして周囲の声をたよりにスイカを割る」というゲーム性によるものだ。そこに「夏」でなければいけない理由はない。でも人々は5月のスイカ割りに「季節外れ」というレッテルを貼って来るだろう。悪い意味で四季にとらわれているということだ。

あと、最近天気予報でも「季節外れの~」というワードを良く耳にする。

これまで何十年もの統計から割り出した月平均気温から5度ぐらい高いor低いと基本的に上のワードが使われるように思う。ただ、ここ最近明らかにその回数が多くなっている。

そもそも一年中常に平均気温であるわけがない。上ブレもあれば下ブレもある。その気温を平均化したものが月平均気温というだけで、「昨日は上着あっても寒かったのに今日は長袖だと暑い」みたいな事を繰り返しているのが常だ。

だから1月に20℃を超えた「だけ」で「季節外れの暖かさですね~」なんて言うのはもう止めよう。あるから。そういうことがあるのが日常だから。春夏秋冬がブレずにそのままの役割を全うしてくれるなんて、人間の愚かしい考えと言わざるを得ない(急に思想が強くなっちゃったね、ごめん)。

だから、「季節外れの~」というワードを使っていいのは月平均から20℃を超えた時だけにしよう。「今日は13℃でしたがなんと明日は39℃です!季節外れの暖かさですね~」なら納得するよ。「今日は39℃でしたが明日は62℃です!季節外れの暖かさですね~」でも良い。心配になるけど。

「季節外れ」狩り隊隊長(ボーボボの毛狩り隊のオマージュです。皆さん気がつきましたか?)みたいになってしまったが、要は「一般的に見て季節外れの行為/状況でもそれを面白がるのはこのご時世止めようよ」ということだ。春夏秋冬に合わせた行動をするのは風流があって良いけど、それに縛られる必要は無い。

つまり何が言いたいかというと、風呂上がりに半裸で漫画を立ち読みしていても「季節外れ」だと糾弾しないでほしいってことです。単に「狂人」だと糾弾されたら、それはそうかもしれないねと思います。

おわり

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